持続可能な鶴岡ブログ

持続可能な鶴岡ブログ
トップページ > 持続可能な鶴岡ブログ > 月別ア―カイブ: 10月 2011
月別ア―カイブ: 10月 2011

草島ー議会報告を鶴岡タイムスに折り込みました。


9月議会で初めての一般質問をおこないました。その内容についててまとめた「草島進一 議会報告 パドル2 が完成。鶴岡タイムスに折り込みました。どうぞご一読いただき、皆様のご意見をぜひメール、同封はがきなどでお寄せください。
 本日は、被災地の状況を把握し、次のプロジェクトの打ち合わせなどのため石巻他、被災地におります。昨日は東北大 萩ホールでおこなわれたTED×tohokuに参加。東北の復興のあり方を新たな視点で考えるとてもいい時間でした。12人それぞれ10分ずつのパワポ プレゼン。それぞれ実に興味深かったし、カナリア、ラッコ、雁、カエルにたとえて次の示唆を説いてくれたIDEOのポールベネット氏。のプレゼンは圧巻でした。気仙沼 及川デニムのお母さん社長、googleの震災関連サイトのリーダ=川島氏の「人を信じる」という話も実に良かった。興味有る方は TED×tohoku のUSTをご覧下さい。
 では。



10月23日、風力をメインに、エネシフ山形勉強会 開催


自然エネルギーの関心が高まっていますが、その中でもトップランナーは風力発電というのは世界の常識のようです。山形でも最もポテンシャルが高い事は昨年度実施された調査でも明らかになっています。




小国川のアユ効果22億円 改めて記事をご紹介します。


問い合わせを数多くいただいておりますので、先般の「アユ効果22億」と小国川朝日新聞で取り上げられた記事をご紹介します。

 

ayukouka22oku1

 


七窪の冠水は深刻。農林水産委員会視察


昨日まで、農林水産委員会の委員会視察をおこなっておりました。
最上では鮭川村オークファームでなめこの工場を視察。その後、大蔵村で「大蔵トマト」「大蔵わさび」の取り組みを視察し、肘折温泉へ。東北のモスバーガーのトマトを全て生産している良質の大蔵トマト、それから、軽石の地質を活かしたわさび栽培はすばらしい取り組みだと感じました。
 小さな村だからこそできることがある。と美しい村連合に加盟している大蔵村。視察中歓待を受け、肘折に顔を出された後には、村民との座談会にいらっしゃった(全集落をほぼお一人で廻り、いただいた意見を公開し、取り組まれているとのこと)加藤村長の熱意に感服いたしました。肘折温泉、毎朝6時〜7時半までおこなわれている朝市はすばらしかった。旬の天然なめこ、沢もだしが並んでました。
 13日は関川地区の地滑り防止対策の現場を視察。その後、しな織りセンターに立ち寄った後、鼠ヶ関漁協 衛生管理型荷さばき施設視察。全国で後継者問題がある中、ここは40歳代以下の青年部40名と、とてもがんばっていらっしゃることを伺えました。ハセップの取り組みなど今後も期待がもてました。その後、西郷北部地域の県営ほ場整備事業視察。かなり大規模な基盤整備。地元の齋藤元議員らが愛してやまない、平地の水芭蕉の湿地、西茨湿原の保全、日本海様相のハンノキ、ミドリシジミ、http://www.kagakunavi.jp/library/show/71 などをぜひ活かしてほしいと一言伝えました。
 その後、七窪の冠水地域視察。改めて現場で深刻さを感じました。夏の冠水。それもこんなに長期の冠水はこれまでなかった事です。80件ほどの農家の方が対象とのこと。緊急措置から中長期的な課題解決のための調査まで、これは国、県、市、力を合わせてなんとかしないといけない問題と改めて感じました。
 14日はやまがたの木乾燥センターでバイオマスボイラーと高周波の乾燥機、モルダーなどの視察。切り捨て間伐の有効利用などを含め、庄内一円の林業、製材関係者が共同利用できる施設。
杉を構造材として利活用するための施設として大いに評価したい。今後、高周波乾燥の電気代が課題とか。バイオマス発電装置などが今後の課題か。

 以上、今回の視察の内容です、特に七窪の冠水被害は深刻です。短期的な応急対応も必要と思いますが、地下水のメカニズムと水収支の関係をきちんと調査することが求められていると考えます。私も知り合いの研究者の方々に対処法など諸々伺ってみます。


 

9月30日、ダムに関する質疑。


昨日9.16、朝日新聞山形版に、「アユ効果22億円 近畿大試算 釣り客ら調査 ダムで激減なら損失年10億円」の記事が掲載されました。真摯に取材してくださった記者の方に感謝申し上げます。

●工藤河川課長
現地に床止め工がですね。一応 5基ほどありますけれども、等間隔に温泉の上流から下流までにありますけれども、その一部に取水口があるんです。たぶん今の話はですね。貯水するために板をおいたのかなと想像されます。先ほど、近畿大学の研究のほうですが、この中身をもう少し教えてほしいと思いますがよろしいでしょうか。

●草島
委員の皆様にも共有させていただきたいと思います。副知事にもおわたししたんですが、わたってませんか。今のは、堰堤なんですね。1.7mの堰堤でそれを県がつくったと、説明会の場で認めているんです。その県が造った堰堤によって土砂が堆積して、その土砂の堆積によって非常に危険な箇所が生まれている。その箇所をほったらかして、上にダムをつくる。これはおかしいと思うんですが、いかがですか。おかしいと思いませんか。河川管理者としていかがですか。

●工藤河川課長
現状ですね。確かに話されていたような状況になっていたと思いますけれども、一部ですね河川管理上、十分でないところもあるのかなあと見て感じております。
 で、よくですね、ダムがないないといいますけれども、今回計画しているところの上流に砂防ダムが二つございますので、ダムがないということはいえないかなあと思います。国際ダム会議では、ダムの高さに関係なく、すべて日本でいっているのは砂防ダムについてもダムという風にしてあつかっています。まさしく堰もダムとして扱っていると聴いていますので、ダムがないっていうことはないということであります。

●草島
何の説明をしているのか。大型、15メートル以上のダム、、、、。
 砂防ダムが2つあるからダムのない川だって、釣り人はそういう風にはとらえません。ダムがない川だからあの川にいってみようって、そしてあの鮎はおいしいだろうからっていってみようて、そういう感覚なんですわ。そこにダムができたら、鮎釣りする人たちは来ませんよ。そういう損失を踏まえているのかっていうことなんです。で、もう時間かと思います。で、今日、お話した内容は、パブリックコメントに私がきちんと述べている内容です。そして、公聴会や説明会で、私をはじめ、様々な流域住民、漁協関係者、述べていることです。それがこれまで、聞き置くだけになっている。それが、これまでの検証であり、パブリックコメントであり、説明会の内容だったんです。
 更に、原発の問題と同じように、想定される問題について、想定外になっている。これ、もし環境に影響があって、損失が生じたら、部長、これ、責任とるんですか。国土交通省は責任をとるんですか。
そして環境に影響を生じさせたという場合はこれ一生もんなんですよ。一生、これ、責任とれるんですか。それは最後おうかがいするけれど、今私が伝えたように、これまで、パブリックコメント、逃げたり、ごまかしたり、はぐらかしたりということがずっと続いていた。これ、そういうものに参加した方やパブリックコメントを寄せた方々、みんな感じている。県民が。
 これをやはり、解消しないで、この問題は次には進めないと思います。ぜひ、こういうことをきちんと解決するための公開討論会を開いてください。そして再検証を求めます。で、もし、環境に悪影響を生じたら、国土交通省は責任をとるんですか。とらないんですか。今まで、責任のがれでずっときたんですよ。これまで川は。
どうなんですか。おうかがいします。

□鹿野県土整備部長
国土交通省がどうかはわからないですが、事業者である山形県は、この事業に対して、この事業が原因でなんらかの支障が生じた場合、当然責任をとる立場にあります。ですからこそ、慎重に、影響のないように、やっているわけで、これはもう、全国どこも公共事業についても同じ話だと思います。公共事業として事業主体が、事業が原因で生じたものについては責任を必ずとると。ですからこそ、そういう意味で責任を負った立場として、責任ある判断をしているということであります。

 ですから、さきほどの温泉の話もそうですが、可能性がある、非常に掘削すると影響がある可能性があると。それによって例えば、温泉の湯がでなくなったということになれば、これは事業者が責任をとらないといけない、立場になりますからそこのところは確率的に高いもの、リスクの大きいものについてはその責任がなかなかわからない、おえないということで、慎重に掘削はできないと言っているわけでして、環境についても非常に慎重に、いままで議論をしているということであります。
パブリックコメントで答えていないと言うことですが、回答はしております。それを理解されているかどうかの問題でありまして、聞き置くだけという回答はほとんどしてないはずです。説明会でも言われていたことに対して回答しております。全て公開の場でやってます。ですからそこは、聴いた人が、自分のまあ、満足する答えが返ってきてないということで、回答していないという判断になっているのではないかと思います。


草島
委員長、まとめます。今、おっしゃったパブリックコメント、明らかに回答していないものがあります。きちっともう一回、みてください。委員の皆様もぜひご覧頂ければと思います。その中に重要なものがある。それは今日、ご指摘したものもありますが、それはまだほんの一部です。なので、公開討論会、是非開催をしていただきたいと思います。あと、湯脈の問題に触れました。しかし、あの2件の旅館の温泉湯脈の事で思考停止していますが、もしも、あそこの湯脈を失っても、赤倉温泉に湯脈はいっぱいあるんですよ。いろんなところから引ける可能性もあるんです。そういう可能性を考えないで、まさに思考停止して、志の低い治水対策にとどまっている。ぜひ、滋賀や熊本、新潟に学んで、志の高い治水を叶えながら、真の治水をかなえていただきたいと思います。ご静聴ありがとうございました。



一般質問1 県政運営について 持続可能な社会について


一般質問について、項目ごとに当局との質疑内容を掲載します。
なお、これは議会ホームページの録画中継から自分で書き起こしました。

1)県政運営について 知事へ。

1 県政運営について(知事)

 日本社会は、全国で年間40万人ずつ減少する人口減少社会、少子高齢化、莫大な国の財政赤字。経済危機、地球温暖化問題、更に今年3月11日の東日本大震災、福島第一原発の放射能汚染問題。と言ういくつもの難題に直面しております。
私は、犠牲になった方々、そして不自由な避難を強いられている福島の方々のためにも、この3月11日という日を、これまで持続不可能な道を歩み続けてきた日本を、持続可能な社会へ変える、ターニングポイントにしなくてはならないと考えております。

特に東京電力福島第一原発の事故では、メルトダウンと水素爆発による大量の放射能汚染を伴うレベル7の大惨事となりました。事故のリスクを想定できていない無責任な安全神話。活断層が数多く存在する地震国に54基もの原発をつくり続けてきた矛盾。電源三法交付金での誘導策による地域自治の破壊。放射能廃棄物の問題など、政治、官僚、業界、御用学者、時には報道機関の癒着の利権構造による「原子力ムラ」といった病理が、真実の議論を遠ざけ、問題を先送りし、ついに大惨事をひきおこしてしまったのだと考えます。
 吉村知事におかれましては、今般の東日本大震災でいち早く福島の自主避難者を受け入れ、更にその避難者の立場にたって「卒原発」の表明をされたことを大いに評価、賛同するものであります。日本社会において、エネルギーシフトは今後の持続可能な社会への転換の柱と考えます。


「持続可能な社会」「持続可能な発展」サスティナブルデベロップメントとは、特に1992年の国連地球サミットで、中心的な理念として「リオ宣言」や「アジェンダ21」に具体化され、日本では93年制定の環境基本法の基本理念となっています。

スウェーデンの国際NGOナチュラルステップではこれを次の4つのシステム条件で定義づけています。
1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない
2)人間が創り出した物質の濃度が増え続けない
3)自然が物理的に劣化しない
4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げることをしない。ということです。

1番は化石燃料など、枯渇性資源から再生可能資源への転換です。

2は、農薬、化学薬品、放射能汚染など、科学物質汚染の抑制と   循環型社会の構築であります。

 3は生物多様性の尊重であり、昨年のCOP10の愛知ターゲットでも示されている、年間4万種もの生物の絶滅をいかに防ぐかということであります。 特にここ50年ほどの開発により水辺の生態系が深刻なダメージを受けています。私は山形では、指標を最上川におき、森、川、海、の連環とともに生物多様性を再生させるアクションプランを構築することと考えます。

 4は、人々の基本的ニーズとして、衣食住などの生命維持、保護、愛情、理解、参加、創造、自由、休息、アイデンティティ、この9つのニーズを妨げないようにするということ。
情報公開、説明責任、住民参加を徹底させ、利権の「しがらみ」「なれあい」構造を解体し、健全な民主主義社会を実現していくことであります。
ちなみに原発はこの4つの条件全てに違反しています。
2008年、私が訪れたスウェーデンでは77の自治体が実際にこの定義を公共投資の判断基準にし、20年後、50年後の目指すべき社会像を組み立て、バックキャスティングアプローチにより、確実にそれに向かうまちづくりが進められておりました。

 右肩あがりの経済成長の時代につくられた都市や地域の開発指向の考え方を、自然と共生し、環境・社会・経済がバランスした「持続可能な社会」にむけ、シフトすることこそ、3月11日を踏まえ、我々山形県が目指すべき道と考えますが、知事のお考えをうかがいます

●吉村知事
ただいま議員より質問をいただきました。 まず、県政運営についてでございます。

持続可能な社会形成にむけた、県政運営について、お尋ねでですが、本県には全ての源である水、森、田園など、緑あふれる豊かな自然や、先人が築きあげてきた知恵や技、更にはその積み重ねでつちかわれた伝統や文化など、経済的な側面からでは評価できない多くの資源が受け継がれていると思います。
  
 今後の県の発展に向けては、こうした有形、無形の資源や財産を背景に、くらしや地域社会の活力を高める、経済的な基盤をつくるとともに、発展の元となる人づくりを進めながら、経済のみならず、生き甲斐、楽しみといった、質的に充実した暮らしをつくりだすことが重要であると考えております。
こうした認識にたって、私は知事に就任以来、先人達から受けつがれてきた、歴史や風土、伝統を尊重し、それらをもとに、未来の発展の源泉となる命や希望を、県民皆で、産み育て、活かすことがを基本に政策を展開しております。今後とも緑と心がかなであい、一人一人が輝く山形を、県政発展の基本目標とする第三次山形発展計画の着実な推進をはかっていく事であると考えております。
更にこのたびの原発事故を基に、あらゆる生命の母体である自然をできるだけ、健全な状態で、将来に継承していくことの大切さを改めて認識しました。今後の東日本大震災からの復興に向けては、豊かな自然環境と経済成長の両立した、新しい一歩を力強く踏み出さなければはなりません。

本県は、県内各地に 多様な再生可能エネルギーを保存しているという深いポテンシャルを有していると思います。このような豊かなエネルギーを循環させる取り組みを、積極的に展開することにより、持続可能な県づくりをすすめてまいります。



一般質問2 最上小国川の見直しについて


4 最上小国川ダムの見直しについて

2009年の政権交代後、国からの「できるだけダムに頼らない治水の検討」の要請を受けて、県が再検討をおこない、国が8月に認めたということで、いよいよダム建設ができるかとお思いの方もいらっしゃるかと思います。
 しかし、手続きは終わっておりません、この川の漁業権をもつ漁協は、ダムに反対しているのでありますから、熊本の川辺川同様、ダム本体工事は着工できないのであります。議論の余地はまだまだある。むしろ真実の議論はこれからと考えます。

(1)自然資本の価値と流域経済に対する影響について(県土整備部長)

鮎の漁獲高だけで、年間1億3千万円ある、最上小国川。
先日、舟形町でおこなわれた若鮎まつりは、2日間で2万4千人が訪れ、大変な賑わいでありました。交流人口を育む観光資源として、全国屈指の清流であり、天皇献上品の松原鮎として珍重された天然鮎が遡上する最上小国川は、歴史的な評価・社会的評価・稀少性・固有性・本物性 という、観光に適した5つの要件をどれも備えている優秀な自然資本であるといえます。
この小国川の自然資本の価値をこの夏、近畿大学農学部水産学科 有路昌彦(ありじまさひこ)准教授らの研究チームにより調査をしていただきました。小国川釣り客が支払っている費用を試算した結果、小国川の釣り客によって発生している経済効果は直接効果だけでも年間約21.8憶円。何らかの理由で河川環境や鮎資源の劣化が生じた場合、年間10億円、10年で100億規模の経済損失が発生することが思料(しりょう)されるとのことであります。
 調査にあたった有路先生は、この全国屈指の清流と鮎は、今後の流域のまちづくりの経済を担う試金石であること。更に、経済学の見地からダム建設投資は新しい価値を生み出さず長期的にみれば流域経済にとってマイナスになる。と言及されました。
 今般の再検証の中で、県は、ダム案による環境破壊が地域経済に及ぼす悪影響について、全く試算に入れていませんでした。これを考慮すれば、ダム案と川道改修案のコスト比較が逆転するのではないでしょうか。

また、県はこれまで、穴あきダムならば環境にやさしい 鮎に影響がほとんどないと強調してきました。
は最新型の穴あきダムといわれる島根県益田川ダム、石川県金沢の辰巳ダムを視察しています。
 益田川ダムのある益田川は、工場廃液が流れ込む川であり漁業権はありません。また、辰巳ダムがある犀川は上流部に大型の犀川ダムがあり、すでに天然河川の様相はありませんでした。いずれも、ダム建設前後で鮎の遡上量の定量、定性的な調査はおこなわれておらず、益田川ダムの管理者は「穴あきダムは環境にやさしい事を目的に作ったのではなく、効果的に土砂を排出するためにつくられたダムである」と私に話されました。
また、小国川ダムと同様、鮎が豊富な川辺川に建設予定だった穴あきダム「川辺川ダム」については、蒲島熊本県知事が3年前の9月に、「人吉、球磨(くま)地域に生きる人々にとっては、球磨川そのものが、かけがえのない財産であり、守るべき宝なのではないかと思うに至った。」と工事進捗率81%にもかかわらず、ダム建設を白紙撤回しています。熊本県の担当に伺うと、「穴あきダムが鮎や環境に影響がない等」という事は議論にもならなかった。という事であります。穴あきダムでも、ダムはダムなのであります。

ダムのない、年1億3千万円もの鮎漁獲高を持つ天然河川に、穴あきダムが造られたためしはないのであり、小国川がはじめてなのであります。

穴あきダムが全国屈指の天然河川の鮎や環境にに影響をあたえないと主張されるなら、「穴あきダムをつくって10年、20年後でも鮎の環境に影響がなかった」という実証データを示してください。

又、今般お伝えしたダムによる流域の経済損失についての
県土整備部長の見解を伺います。


(2) 治水対策の見直しについて(県土整備部長)

2004年7月の新潟 7.13水害では、上流にダムが2つあり、その一つは穴あきダムある五十嵐川で堤防が決壊し、七千棟以上の床上床下浸水、死者9名の犠牲者を出しました。この9月の豪雨災害があった和歌山県では、3つのダムが満杯で治水の役目を果たしていなかったことが報道されています。和歌山県日高川に「100年に一度の雨に対応する」「つば山ダム」がありますが、氾濫し、家屋59棟が全壊、3人も死亡しています。
 それに対して新潟の五十嵐川では04年水害を教訓に、下流部200戸の移転をともなう河道拡幅をおこないました。今般7月末の豪雨ではそれが幸いし、下流域で犠牲をだすことはありませんでした。

 想定を越える超過洪水の際にはダムは機能せず、それに対して危険箇所の家屋移転と河道拡幅など、ダムに依らない治水が効果的でした。これは最近の実際の現場からの教訓であります。
 傾向として近年広範囲にわたる豪雨が発生している今、治水政策のトレンドは、「どのような洪水であっても人命が失われることを避ける。」ことであります。そのために河道内の流下能力を改善するとともに、田んぼダムのような雨水貯留(うすいちょりゅう)、また、土地利用規制や耐水化建築などの「氾濫原の減災対策」、そして「地域防災力の向上」を組み合わせた「総合治水」の取り組みであります。

 小国川ダム建設の目的は流域住民の生命と財産を守ることですが、その中でもつきだて地域と瀨見地域は、ほぼ50年確立の洪水に耐えられる治水が完了しています。つまりダムは、ほぼ赤倉温泉地域だけの治水対策であります。
 赤倉温泉地域には、河川管理者である県の責任が問われるいくつかの問題があります。まず、旅館群が河道を狭めるように立地させてしまっていること。中には建物が明らかに川に迫り出している旅館があります。更に致命的なのは、県が河道内につくった高さ1.7mの堰堤(えんてい)が、土砂を堆積させ、流下能力の乏しい危険な箇所ができている事です。
 「以前は親子で水泳ができたほど深かった場所が今膝丈ぐらいになっている」との証言が住民からあります。
 県がつくった堰堤が原因で流下能力を下げている、その河川管理の失策を棚にあげて、今度はその除去はできないと主張して上流に巨額なダムをつくる。これは大きく矛盾していないでしょうか。

 頻繁に洪水災害になっていると県は殊更に強調されていますが、いつも床上、床下浸水で騒がれる箇所約4件は河川洪水の被害ではなく、内水氾濫による内水被害であります。
 又 今 、赤倉温泉の川辺に、新しい建物の建築確認許可を県が平気でだして、建設が進んでいます。危険箇所に、また治水策の協議中になぜ新規の建物が建つんでしょうか。治水に「土地利用規制」の発想のない河川管理の問題であります。

県はこれまで、「湯脈に影響するので河床の掘削ができない」と主張し続け、河床掘削案を排除し続けてきました。
 2008年度におこなった温泉調査で県は「川と温泉は密接な関係にあることがわかった」「温泉に影響するから掘削できない」と、調査を途中で打ち切っています。しかし、この調査に実際に関わった山形大学の川辺教授は「あの調査から河床掘削工事が一切できない」という結論にはならない。」と主張しておられます。更に川辺教授は「岩風呂付近の水位を保てば、温泉に対する河川改修の影響は避けられる。」と言及されています。これは、重要な指摘ですが県は温泉調査の真実を曲解し、ダムによらない治水ができない論拠としているのであります。

 更に県は、今般の検証で「河川改修のみのプランだと安全確保に74年かかると試算しました。集落も田んぼも同様に50年確率の堤防などの整備を下流からおこない水を閉じ込めるプランになっていますが、遊水池等を活用した総合治水の観点から観れば全くナンセンスであります。
 ダムにこだわる旧来の治水論で思考停止しているようですが、このような姿勢で、今後の豪雨や洪水時に本当に県民の生命と財産を守れるか、逆に疑問であります。
 現在、熊本県では球磨川方式として、「基本高水」にこだわらず、ダムに依らない治水方策を積み上げ方式で流域に施し、治水安全度をあげる努力をおこなっています。滋賀県も同様に段階的整備をおこなっています。山形県も、熊本や滋賀県の姿勢に習うべきではないでしょうか。
 
 赤倉温泉の治水対策としては、地先の安全度の確保に基づき、段階的整備として河川整備をおこなう総合治水対策の観点で治水対策をおこなうことであります。

 現状の流域の旅館群の景観は、歴史的とはいえ、「改修の度に段々と川に迫り出し、結果的に川幅を狭めてしまった」と流域の旅館主からの証言を得ましたが、旅館が河道内に迫り出し、護岸も老朽化し汚水の垂れ流しを含め、秩序を失った状況にあります。

 次世代にも引き継げる、持続可能な流域の地域を叶えるためには、内水災害対策、固定堰の可動堰化による砂利除去、河道拡幅や遊水池確保などダムに頼らない総合治水を究極までおこないつつ、温泉街を再生させることが最善ではないでしょうか。
 県は、この機会に「日本一の清流に面した美しい温泉地域へ」、旅館街のリノベーションと組み合わせて治水を完成させる、いわば、まちづくり治水への政策転換を提案しますが、いかがでしょうか。県土整備部長の見解を伺います。
(3) ダムによらない治水対策の検討について(知事)

今般の検証は、「できるだけダムに頼らない治水への政策転換を進める」との意向の下での検証だったと思います。
しかし、県が検証の場とした会議「最上小国川流域の治水と活性化を考える懇談会」には「ダムによらない治水論」を主張できる河川工学者が一人も招聘されませんでした。
更に山形県公共事業評価監視委員会ですが、河川の再評価のはずであるのに、ここには河川工学者の姿がありません。ダムに依らない治水論を主張できる河川工学者への意見聴取もありませんでした。これが県の検証の実態で、ダムにたよらない治水の検証が全くできていないのであります。

新潟県での検証会議は、ダムによらない治水を主張できる河川工学者を座長にして、農業土木、河川工学者、経済学、観光の専門の先生方が、治水方策について徹底して議論をおこなっていました。結果、2つのダムがこの検証会議で中止になりました。これが「ダム検証の真実の姿」なのだと思います。

私は、最上小国川ダムの検討が始まった河川整備計画策定の流域委員会小委員会から傍聴しておりました。よく歴代の部長や地元の首長は「議論は尽くされた」とか「丁寧に丁寧に説明してきた」といわれています。が、私はそれは全く事実に反しているととらえています。

 致命的なのは流域小委員会の中で治水方策を検討する際、議論をリードする河川工学者が、ダム推進論者2名の参加のみで、ダムによらない治水を主張できる河川工学者は皆無のまま、議論が進んだ事であります。


 元京都大学防災研究所の所長であり淀川水系流域委員会委員長である今本博健 京大名誉教授は、これまで5回ほど現地調査をされ、治水対策は全く検討不足。流域委員会では特に環境面の影響の検討が乏しく、委員の中で特に河川の専門家の見識を問いたい」と厳しく言及されておられます。

川辺川ダム建設計画を白紙撤回した蒲島熊本県知事は、
「国土交通省は、ダム建設上、生じる問題に対しては、熱心に研究、開発を行っているが、ダムによらない治水は、問題点の指摘にとどまり、極限までの努力を行っていない。そのため、住民の理解が得られてこなかったと考える。」 と言及していますが、私は、山形県に同様の姿勢を感じています。

 原発には原子力ムラという構造があって、それが真実の議論を排除し続けてきました。それと同様、ダムの周辺にも同様の構造があり、政官業そして、御用学者のセットで、住民や世論を情報操作し、反論を排除し、論調をダム治水に有利なように推し進め、ダムを造り続けてきた構造があること、
 そして山形県の最上小国川の治水対策については、伝統的に国土交通省から出向している部長の下で常にダムによる旧来型の治水論で知事周辺を固めておられたと思うし、それが、「ダムに頼らない総合治水」の真実の議論を遠ざけてきたのだということをご指摘申し上げます。
 
 先日滋賀県嘉田知事にお会いしましたが、こうした構造のため総合治水を叶えたい滋賀県では3年かけて土木部長を国土交通省ではない方に変えたそうであります。

97年改正された改正河川法の趣旨は、環境と住民参加であります。
発想の転換が必要なのであります。

小国川の清流環境が育む流域の釣り客によって発生している経済効果は年間約21.8憶円。全国屈指の清流と鮎は、今後の流域の農商工観連携まちづくりの経済を担う試金石であります。ダム建設をおこない自然資本を失えば、損失は一生であります。この環境の価値を改めて踏まえて頂きたいと思います。

 また、今年3月の東日本大震災の津波災害、2004年の新潟水害、9月の紀伊半島豪雨から学 べることは、ダムなどのハード対策をしても想定外の洪水時には機能しない事であります。ダム放水によって人命が失われてもいます。更に穴あきダムの治水能力には疑問の声が多く寄せられています。
 住民の生命と財産を守るためにも、超過洪水対策としても有利で、更に環境に影響の少ない、ダムによらない「総合治水」を極限まで検討することが必要であります。


そこでご提案申し上げます。

まず、ダムに依らない治水方策を河川工学の新潟大学 大熊孝名誉教授、元京都大防災研 今本博健京都大学名誉教授らを招聘して究極まで検討される事。また、今般提示した自然資本の研究成果をもとに、中長期的な流域の持続可能性を検討材料に入れて再検証されることを提案します。

再検証の際、パブリックコメントでの重要な問いかけが聞き置くだけになっているもの、また、問いかけに対して「逃げ、ごまかす、はぐらかし」というつまりは説明責任が果たされていないものがあります。ダムによらない治水、ダム案双方の河川工学者の方、また温泉調査の専門家、地域の自然資本の研究者らに参画いただき、住民も交えて徹底議論する公開討論会を開催されることも提案します。

そして「地先の安全度」に基づき、段階的整備で河川改修で治水を実現する、総合的な流域治水対策を行っている滋賀県。そしてそれに連携している関西連合。

 ダムによらない治水を極限まで積み上げ方式でおこなう「球磨川」方式をおおこなっている熊本県。

2004年の水害を教訓に、隣接した危険箇所の住居を移転させ、水田を地役権設定で遊水地化し、田んぼダム等の活用によって、安全度を上げ、実際に治水に成功している新潟県 など、志の高い治水政策に学び、

ぜひとも嘉田知事、蒲島知事、泉田知事と連帯して、
環境 と 流域の経済の持続可能性を判断基準として

天然河川最上小国川の治水対策を検討し直す事を提案しますが、いかがでしょうか。
 
吉村知事のご所見をお伺いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
□吉村知事

●次はダムによらない治水の検討についてでございます。

最上小国川の治水対策につきましては、私自身、知事に就任当初、白紙の状態でありました。いろいろな方々の意見を聴くため小国川漁協や、自然保護団体の方々とも直接お会いしました。自分の目で確かめるため、地元へも足をはこび、何が最適なのか、熟慮してきました。

この間、平成22年9月に国から検証検討の要請があり、国が策定した新たな基準にしたがって、検証をおこないました。

検証過程におきましては、ダムに依る、依らないに偏らず、流域の活性化とその石杖となる治水対策について総合的に検討することを目的とした、「最上小国川流域の治水と活性化を考える懇談会を開催し、環境、観光、農林水産業 各専門的観点から意見をいただきました。

また、関係地方公共団体である、最上町、舟形町との検討の場である、「最上小国川流域治水対策検討会議を設置して、意見を伺いました。その意見を踏まえて、県の対応方針素案を作成したものです。

そのうち、パブリックコメントの実施や、流域住民への説明会を開会した上で、「山形県公共事業評価監視委員会でご審議いただき、流水型ダムが最良とする県の対応方針を決定いたしました。
国においても有識者会議の意見を踏まえ、県の対応方針を妥当とし、補助金交付を継続した国の対応方針が決定されたところであります。

ーーー
●鹿野 県土整備部長


□鹿野 県土整備部長
私には、最上小国川ダムに関連いたしまして、2点ご質問がありました。純二お応えいたします。

1点目、 自然資本の価値と流域経済に対する影響についてでございますが、
最上小国川ダムの河川環境に与える影響につきましては、平成15年度より、継続的に調査をおこなっておりまして、平成21年1月には、外部の有識者の意見を伺いながら、詳細に検証するために、魚類や環境等の学識経験者、及び地元代表をメンバーとする最上小国川流域環境保全協議会を設置いたしまして、審議いただいております。この協議会におきましては、流水型ダムが河川環境に与える水温、水質、濁り等の項目について、7回にわたって慎重な審議をいただいた結果、平成22年10月に、中間とりまとめとして「水環境においては、流水型ダムの特性上、平常時は流水や、土砂移動への影響は小さく、洪水時も水温水質等は、ダムのない場合とほぼ同様である。また、洪水時の濁りの程度や継続時間をダムのない場合と比べて若干の差は生じるが、その差異によって、鮎等の成育や生態に対して影響は小さいとの意見をいただいておりまして、県といたしましては、鮎等への影響は小さいと判断をしております。
また、様々な機会を通して、地元の方々から、地域振興に関する意見を十分にお聞きして参りました。その結果としまして、鮎が成育する最上小国川の自然環境への影響は小さく、現状の温泉の魅力を維持しながら、治水安全度を高める流水型ダム事業の推進が、この地域の振興にとって最適であると考えております。なお、ダムの工事中はもちろん、完成後につきましても、調査および協議会を継続いたしまして、環境保全に十分に配慮をしながら事業を進めて参りたいと考えております。

続きまして2点目でありますが、治水対策の見直しについてのご質問でございます。
今回の検証検討におきましては、できるだけダムに頼らない治水への政策転換にもとづいて、国が策定をいたしました、新たな基準に従って、雨水貯留施設や土地利用規制を含んだ、26のすべての方策について赤倉地区で適用可能かを検討いたしました。この際、固定堰の河道堰化も含めて、川底を掘削するといわゆる河床掘削による河道改修というものは、平成20年度の温泉影響調査におきまして、3名の学識経験者の総意により、河床を掘削することは源泉に対して著しい影響を与える可能性がある。との意見をうけたことから、適用できない方策であると判断しております。
その経過、適応可能な方策として遊水池と河道拡幅を組み合わせた案、流水型ダム案、河道改修案、放水路案の4つの案をあげまして、安全度、コスト、実現性、持続性、柔軟性、地域社会への影響、環境への影響、の7つの評価軸でこれらを総合的に評価したところ、流水型ダム案が最良の治水対策であると決定をしたものでございます。このうち、地域社会の影響の

広域水道事業について


2 広域水道事業について(企業管理者)

2001年10月20日、鶴岡市民にとっては忘れられない日であります。昭和8年から鶴岡市民が慣れ親しんできた地下水100%の水道水原がダムの水源に切り替えられた日であります。今年、丁度あれから10年になります。改めて月山ダムに伴う庄内南部広域水道事業について検証します。

(1)水道料金について
まず水道料金についてです。
平成22年の山形県の市町村の水道料金平均は10㎥では全国で最も高く2,099円と日本水道協会の統計資料にあります。以前、鶴岡はその中では安価な方でしたが、水道料金はダム水移行後、最大で切り替え以前の1.85倍 約2倍になりました。
 計画の際、ダム建設工事費は780億円でしたが、完成時には1,687億円になりました。その金額が上乗せになったことと、庄内南部広域水道事業の算定の基準となる計画給水量として定めた基本水量10万9千700トンが当時の水使用量と大きく乖離していたこと、つまり水需要予測の失敗のツケが、値段の高騰につながったと考えます。

 2001年切り替え当時、県は私が提出した公開質問状に、この乖離について
「計画給水量は、将来の安定供給を踏まえて、長期的な観点から計画された」と、あたかも将来的にはそれを満たすかのように応えていました。
 しかし現状、鶴岡市地域は、年約1,000人ずつ人口減少する時代となりました。そして、水使用量は平成 6 年度をピークに結局この17年間減少傾向であります。この減少傾向は更に続き、給水量の増加は見込めない状況と鶴岡市水道ビジョンにも実際に記載されています。

庄内南部地域の水の使用量は、20年度で約5万トン。基本水量の46%にしか当たりません。
 使用水量では、例えば20年の年間の実際の使用量と料金算定根拠の責任水量とで127万トンの差が発生しています。その分の水代、年間約2,150万円は実際に自治体は使っていないのに県に料金を支払っていることになります。
 人口が右肩上がりの時代にはスケールメリットがあると思われた広域水道事業ですが、人口減少に転じた今、大きな矛盾が生じています。
この事業ですが、今は末端の市町村の水道料金でつじつま合わせをしている状況ですが、「広域水道事業という制度」そのものがもうすでに破綻しているのではないでしょうか? 
であれば今後、県はどのように見直しをしていくのか、見直すとすれば、県の責任として受水費用の見直しだけではなく、「基本水量」の見直しにも踏み込むべきだと考えますが、企業管理者のお考えをうかがいます。





(2)水質の確保について
次に水質について。うかがいます。
広域水道への水源切り替え後、発ガン性物質 総トリハロメタンの値は、最高値で平成19年度0.062mg/lと、基準値内ではあるものの、以前の地下水源の23.8倍になりました。今は若干改善されましたが、それでも地下水の5倍であります。

この夏、路上での意識調査などをおこない、市民の声を集めました。
切り替え以前は、「ダムの水も十分においしいはず」と当時の市長は説明していましたが、総サンプル488人中367人、75.2%の方が水質が悪化した。水がまずくなったと答えています。

 実際の声として浄水器をつけたり、スーパーの自販機で水を求めたり、飲み水として生で飲まないという水道離れを強いています。
また、地下水では年間13度前後で安定していた水温が、切り替え直後から 冬2度、夏20度以上と不安定になり、光熱費が余分にかかっているという声もいただきました。

結局、住民は水質の悪化、水温の変化にともない、水道料金高騰の他に2重3重の負担をしているのであります。
 当初計画で、鶴岡市水道では1万トンの地下水の自己水をブレンドして供給する予定でした。今、一滴も地下水がはいっていません。見直しの際には、水質の面でメリットがある地下水のブレンドを認め、住民ニーズを叶える水道供給に努めて欲しいと考えますが、企業管理者の見解をお尋ねします。





●企業
私のほうからは、広域水道の事業につきまして、2点お応えさせていただきます。
まず、水道料金についてでございますが、本県の広域水道につきましては、
安全な水道水を安定的に供給しますとともに、効率的な事業運営につとめまして、水道料金は、実施しています、23の中で、安いほうから8番目ということであります。
 庄内の広域水道につきましては、平成20年4月に、地元からの水道事業のの統一、あるいは料金の低廉に関する要望を踏まえまして、運営費用などの
経費節減をはかり、23.9% の引き下げを実施したところであります。そしてあわせまして、責任水量の見直しをおこないまして、受水団体の;
負担軽減をはかってまいったところでございます。今後におきましても、人口減少にともなう、給水量の減少が懸念されますが、お尋ねの基本水量の見直しにつきましては、原価主義を原則とする公営企業におきまして、事業の根幹に影響を与えかねないものでありますので、見直しは、難しいものと考えているところでございます。
企業局としましては、県および、市町村の水道事業が将来にわたって、安定的に役割を果たしていけるように、給水量の将来の見通しに加え、施設の耐震化、や老朽化による更新を加味した、中長期的な収支を勘案しまして、料金の水準等について、関係市町村と話し合いながら、様々な角度から検討して参りたいという風に考えているところでございます。

次に水質の確保についてでございます。県民に提供する水道水の水質の確保というものは、極めて重要でございまして、企業局では、水道法にもとづき、浄水場などの水質検査を定期的に実施しておりますが、水質基準の各項目については、良好な値となっているものでございます。特に朝日浄水場における総トリハロメタンにつきましては、平成21年11月から従来の浄水行程を見直しまして、水のにごりを取り除いてから塩素消毒をおこなうこととしまして、対策前の値に比べまして、3割から5割の低減をはかったところでございます。

また、夏場の水温対策としまして、月山ダムの取水深、水をとる位置を下げまして、水温の低い層から取水しまして、できるだけ冷たい水を提供できるようにつとめているところでございます。議員ご指摘の自己水源と広域水道のブレンドにつきましては、関連市町村の判断により実施される

地下水資源について


3 地下水資源対策について(生活環境部長)

次に、地下水資源と対策についてお尋ねします。
3月11日の福島原発事故で、東京都の水道水から放射性ヨウ素210ベクレルを検出し、首都圏のスーパーでは、ペットボトル水の品切れ続出が続く「水パニック」がおこりました。「今、放射能汚染で汚染されにくい地下水の水源が見直されています。
県内の地下水資源としては山形、米沢 そして鶴岡の赤川扇状地の地下水盆、の3つが、学会でも認められている良質の地下水盆であります。

 鶴岡市の赤川扇状地の地下水資源について、改めて紹介しますが、昭和52年から3年にわたり、地下水研究の第一人者である東海大学の柴崎達雄先生らにより、約90本の井戸データを使い当時最先端の技術で地下水源の調査がおこなわれ、「赤川水系の扇状地一帯は、地下水を含む能力が非常に高く、循環の速度も速い。赤川扇状地の地下水は日量25万トンの持続性補給力があり、日量5万7千トン程度は十分に取水可能」と報告されています。

現在、水源地周辺にはミネラルウォーターの工場があり、工業団地には大手半導体メーカーが立地しています。冬になると道路、駐車場などの消雪水として大量に揚水されています。しかしどの企業がいくら揚水しているかわからない、まさに秩序のない状況が続いています。
 県は、県条例で、山形、米沢の地下水の管理はされてきましたが、全国有数の地下水資源と評価されていた赤川扇状地の地下水については、無策のままでありました。
今、まさに新たなニーズに応えた秩序化が必要と考えます。
 
鶴岡市は、今「食の都」の施策としてユネスコ創造都市ネットワーク食文化部門への加盟を目指しているところであります。


集落の誕生からずっと使い続けてきた、おいしい地下水の恵みは、鶴岡の食文化を支えてきた重要な要素であり、今後も持続的に活用すべきものと考えます。
 まずは赤川扇状地の地下水資源を山形県の宝として認識し直し。地下水を公水としてとらえ、利用者に揚水量の届け出を義務づけるなどして「水収支」を把握する。

県の水資源政策として、一歩進んだ地下水政策を提案いたしますが、生活環境部長の見解をおたずねします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●佐藤生活環境部長

最初に地下水資源対策についてでございます。

本県には庄内南部地域をはじめ、各地域に豊かな自然に支えられた地下水資源があり、県民の生活や産業を支える貴重な資源であると認識をしておりまして、過剰な揚水による著しい地下水の低下や地盤沈下などの問題を引き起こさないように適正な採取により保全していくことが重要であると考えております。
こうしたことから、県では、地下水位と地盤沈下の状況を把握するために、県内各地域で地下水37地点、地盤沈下変動量5地点の観測をおこなっており、赤川洗浄地に位置する鶴岡市においても地下水3地点、地盤沈下1地点の観測をおこなっております。近年、地下水位の変動はみられず、地盤沈下においても、環境省公表基準の年間20ミリ以上の沈下はみられない状況になっております。
また、昭和40年代から、著しい地盤沈下が見られた山形地域と米沢地域とを、山形県地下水採取の適正化に関する条例にもとづく、地下水採取適正化地域に指定をおこない、揚水量などの事前の 更に庄内南部地域を含む県内7地域に地下水利用対策協議会が設置され、それぞれの地域の特性にあわせて、地下水適正利用対策や啓発活動等が実施されておりますので、今後とも協議会と連携をして取り組みを推進して参ります。
 昨年県内で外国資本等による森林買収など、地下水への影響が懸念される事例が発生したところであります。地下水への規制は、財産権の制限という難しい課題を含みますが、このたび、尾花沢市がケンカに先駆けて、水環境保全条例を制定するなど、県内市町村の関心も高まっておりますので、県としましても、関係市町村とともに地下水資源の保全確保について、検討を進めて参ります。





風力発電の可能性について


5 風力等を利用したエネルギーの導入について(生活環境部長)

念願の日本版フィードインタリフ、再生可能エネルギー特別措置法が成立し、来春の開始から特に3年間特例的に再生可能エネルギーが促進されることを受けて、県の姿勢をお尋ねします。

 再生可能エネルギーの市場はすでに海外では、農業革命・産業革命・IT革命に続く「第4の革命」と呼ばれるほど急成長を遂げ、2010年末の段階で、世界の風力・太陽光・バイオマスの御三家の発電量はついに原子力発電の3億7000万キロワットを越えたそうであります。「革命」の先頭に立つのは風力発電で、2010年末、1億9300万キロワットの設備容量に達しているとのことであります。

風力発電は、自動車産業に近い約2万点の部品による組み立て産業であり、機械系、電気系、素材計の部品産業、メンテナンス、土木建設工事を含めると、産業・雇用効果がきわめて大きいと評価されております。2009年末の世界の風力発電産業では雇用60万人。一メガワットあたり14人の雇用効果があると試算されています。
庄内地域に昨年末までに商業用として28基設置され、現在、効率のいい2千キロワット風車で一基年間5000万円の売り上げがあるそうです。
今、世界のトレンドは洋上の大型風車であり先日、福島県沖で洋上風力発電の実証実験が行われると報道にありました。日本海沖でも導入は可能で有り、本県においても洋上の実証実験事業の誘致を積極的に考えるべきと思います
 昨年度の県による再生可能エネルギーの賦存量調査でも風力発電は最もポテンシャルが高いとのことでありますが、県は風力発電をどのように評価しているのでしょうか。

さらに、風力発電の地域への導入にあたっては、風車建設が確実に地域の経済、雇用にも貢献する「風車がまわればお金も地域にまわる仕組み」を構築することも重要な要素と考えます。

また、風力発電に適した風が吹く場所については、酒田港湾地域を除くと庄内海浜県立自然公園となっていますが、その立地可能性について、自然保護団体や地域住民と早急に情報共有し、景観、渡り鳥のフライウエイの影響などオープンな協議をおこない、立地できる箇所のゾーニングを早急に行っておくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。

これらの対応について、生活環境部長のお考えをお尋ねします。

●佐藤  生活環境部長

一点目は風力等を利用したエネルギーの導入についてでございます。
昨年度県が実施いたしました、再生可能エネルギーの負損量調査によりますと、風力、太陽光、バイオマス、中小水力の順に利用可能量が大きく、風力については庄内地域のポテンシャルが高いと結果がでておりますので、今後、再生可能エネルギーの中でも柱となる可能性が高く、大いに期待しているところです。これらのエネルギー資源の導入を促進し、発電事業者による事業化に結びつけていくため、風力発電、メガソーラー、小水力発電について、具体的な適地の領域や地点を地図上に示す調査を実施して参りたいと考えております。
風力発電の実際の設置にあたりましては、自然公園法や建築基準法などの法的規制や、インフラの整備状況や騒音といった、社会的制約、さらには規制緩和の可能性などの要件を勘案し、誘導エリアとしての適地を絞り込んでいく必要があります。そのため、調査に際しては、地元市町村や、環境関係団体などの意向を十分に踏まえると共に、自然環境に関する制約の規制緩和や地球温暖化防止の視点など、県の環境審議会で十分ご検討いただいて、これらの結果を総合的に判断をし、すみやかに適地を選定して参りたいと考えております。