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月別ア―カイブ: 12月 2011

古い河川行政に戻すなー京都新聞社説よりー


以下 転載します。

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京都新聞社説 2011年12月25日

八ツ場ダム再開 古い河川行政に戻すな

無駄な公共事業の代表として、民主党が2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)で建設中止を掲げた八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の建設工事再開が決まった。

「コンクリートから人へ」の理念はどうしたのか。あまりに明白な「変節」にあきれるしかない。

前田武志国土交通相は「マニフェスト通りの結果が得られなかったのは残念だが、苦渋の決断をした。代替案のないまま中断するのはよくない」と説明した。

すでに立ち退きを強いられた住民や流域6都県の反発は当初から予想されていたことだ。ダムに代わる地元振興策と治水策を示し、説得することこそ、政権党がなすべき一貫性のある態度だ。

2年前に国交相として建設中止を宣言した前原誠司党政調会長が頑強に抵抗したが、最後は決定を政府に委ねて容認した。筋を通したかに見える前原氏だが、自らが決めた事業検証の手順を逆手にとられる形で建設再開に道を開いたことは大きな失策と言えよう。

前原氏が設置した有識者会議の提言を受けて実施されたダム事業の検証は、国交省が実務を担い、コストの比較に重点が置かれた。その結果、すでに着工され、追加工費が少なくて済む既存事業の多くがコスト的に有利とされ、追認されたのは自然だ。こうした官僚主導の「検証」に基づく今回の再開決定は、民主党が目指す政治主導とは程遠いはずだ。

今後の河川行政への影響も大きい。全国で見直し対象のダム事業83のうち「検証」が終わったのは八ツ場を含む20事業。中止は6カ所にとどまり、14カ所は継続となった。八ツ場を突破口に、未検証の事業についても継続方針が続出する可能性がある。

国交省による「検証」には、今本博健京都大名誉教授ら河川工学の研究者らが異議を申し立てている。水需要の減少を無視しているうえ、局地的豪雨に対する効果は未知数というわけだ。自民党政権時代の政府答弁でも八ツ場ダムの治水効果は否定されている。

こうした問題を認識していたからこそ、民主党は「脱ダム」をマニフェストに盛り込んだはずだ。公共事業は止まらない、という象徴的な意味での痛手にとどまらず、今回の決定が「治水はダムで」という古い河川行政に逆戻りさせるのろしとならないか、懸念する。

国交省は、凍結していた東京外郭環状道路(外環道)の建設工事を再開し、整備新幹線の未着工3区間の着工を認可する方針だ。これでは「コンクリートから人へ」どころではない。

これ以上、時計の針を逆回転させてはならない。さもなくば、国民が政権交代で期待を託した民主党の存在意義が消えてしまう。

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20111225_2.html

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古い河川行政をしっかと認識しているところに、関西のメディアの常識があります。
こうした認識、東北、山形はどうなんでしょう。

もう時代は変わっているのです。




脱ダム運動は、これからが勝負! 水源連からの声明。


連携してダムの問題を取り組んでいる水源連から以下の声明が発表された。

賛同す。

小国川の国の検証も然り。その前におこなわれた県の「検証」も、委員会の人選に「ダムに依らない河川工学者」が招聘されておらないなど、全く「検証」と呼べないものでした。
「環境影響についての委員会でも、今般、アユの研究者により、ダムによる影響としての検証不足が指摘されています。

国も、県も、ダムを建設しようとしている事業者側がおこなう「検証」なんて、所詮骨抜きになることが目に見えていたのです。だから、「検証」の委員会のあり方、構成こそ肝だった。
政権交代でやるべき鍵はそこにあったのに、前原氏はそれをやらなかった。委員の中に、元淀川流域委員会 委員長をおつとめになった 今本博健 氏、宮本博司 氏、大熊孝 氏、らをいれとけば、そして、オープンに会議をしておけば、しっかりとした検証になったはずだったのに。
残念でなりません。

「できるだけダムに依存しない治水・利水」への転換”という視点で正しく審査する第三者による「事業検証検討審査会」、これこそ必要です。

 マニュフェスト違反といわれて、開き直っているだけの民主党にはもう期待できないのかもしれませんが。でも、このまま、政権交代大失敗の道を続けて、昔の政治に戻ったら、更にヒドイことになると僕は考えます。もう一度ふんばってほしい。と感じています。
 ほんと、このままでいいんでしょうか。

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                                平成23年12月25日
内閣総理大臣・民主党代表
    野田佳彦 様
国土交通大臣
前田武志 様
            水源開発問題全国連絡会
           共同代表 嶋津暉之
           共同代表 遠藤保男

八ッ場ダム本体工事費計上決定への抗議と再審査の要請

 12月23日、政府・民主党三役会議は八ッ場ダム建設再開のための本体工事費の予算案計上を決定しました。八ッ場ダムの不要性、不当性を長年訴え続けてきた私たちは、この決定に対して心底からの怒りをもって抗議します。
本体工事費計上は、「民主党としては反対であるが、最終判断は政府にゆだねる」とした上で政府・民主党三役会議が決定しました。八ツ場ダム本体工事費を来年度予算に計上することは紛れもなく民主党政権の選択です。

2009年、国民は民主党政権を選択しました。それはこれまでの政治のあり方を変えることに国民が賛同したからです。その一つが「コンクリートから人へ」「できるだけダムに依存しない治水・利水」でした。新規のダムは、その必要性を喪失し、自然環境と地域社会の破壊という負の遺産を残すだけであるということが国民の知るところとなり、多くの国民が民主党政権の成立に大きな期待を寄せました。

民主党政権成立後直ちに「川辺川ダム・八ツ場ダム中止」「すべてのダム事業の見直し」を前原誠司国土交通大臣が宣言しました。政治主導による河川行政の転換が一歩を踏み出しました。しかし、その後の歩みは河川官僚と地方自治体首長たちに巻き返され、政策転換は後退に後退を重ねました。その象徴が「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の人選・運営です。ダム懐疑派の専門家は排除され、会議は非公開で行われました。同会議の「中間とりまとめ」と、それに基づいて国土交通省が各ダム事業者に示した「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」は、検証のシステムも内容もダム事業者の意向通りに進むようにつくられました。

八ツ場ダム事業は、関東地方整備局がこの細目に即して、事業推進の結論が先にある形だけの検証を行い、「八ツ場ダムが最も有利」という検証結果を国交省に報告しました。有識者会議はその報告を「細目に即して検証されているので問題なし」と評価して、国交大臣が「八ツ場ダム事業推進」を決定し、政府・民主党三役会議も追認、というのがこれまでの流れです。

このように検証の本来の目的である河川行政の方向転換を反故にして、ダム事業推進の結論が先にある検証の流れを断ち切らなければなりません。

私たちは八ッ場ダム本体工事費計上決定の撤回を求めるとともに、現在の有識者会議を解散し、ダム事業者から報告される検証結果を“「できるだけダムに依存しない治水・利水」への転換”という視点で正しく審査する「事業検証検討審査会」を設置して、あらためて八ッ場ダム検証報告の審査を行うことを求めます。

連絡先 水源連事務局長(遠藤保男) 045-620-2284

クリスマスの日に、次の世代にあなたは何を手渡しますか。




10時の閣議で来年度国土交通予算決定概要が発表された。
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001894.html

水管理・国土保全局【PDF形式】 には以下のように。
http://www.mlit.go.jp/common/000186708.pdf 

(4) ダム建設 【国費: 1,084億円】
検証を進めているダム事業については、基本的に、新たな段階に入らず、地
元住民の生活設計等への支障に配慮した上で、必要最小限の予算を計上。
検証の対象としない事業のうち、継続的に事業を進めることとしたダム事業
については、可能な限り計画的に事業を進めるために必要な予算を計上。また、
川辺川ダムについては、生活再建事業を継続するために必要な予算を計上。
八ッ場ダムについては、対応方針を「継続」としたことを踏まえ、生活再建
事業の他、本体工事の準備に必要な関連工事を進めるための予算を計上。
また、補助ダム事業については、今後、個別ダムの検証の動向を可能な限り
見極めた上で、適切に対応することとする。(実施計画において確定)

とある。さてはて。
 日本屈指の清流、最上小国川を破壊するダム建設予算はどうなることやら。

いずれにしても、今、科学者の方々から突きつけられている指摘や反論に対して、真相を明らかにして頂きたい。まずはそれからだとおもいます。

諸々の論証により、そして更に、、「今、何を大事にすべきか」という昨今の時代背景で、単に、「生命と財産を守るといってダムやればいいんだ!」という建設の根拠、大義が完全にどっかいっていると思うのは私だけでしょうか。僕は、本当に住民の「生命と財産」を守るのは、ダムじゃない。と考えます。
 
 2万本近い清流があった、どこにも川の民が存在した、この日本で、この数十年でどんどん本来の自然や野生を失ってきてしまった。もうダムのない川は小国川と数本しかありません。ダムをつくられたために川の土砂循環が失われ、海岸線はテトラポットだらけになりました。
 すでに土砂で埋まって使い物にならなくなったダムが日本国内にもでてきました。
 コンクリートが老朽化して危険なダムもでてきました。
 撤去にいくらかかるのか。全く計算にはいっていません。

 上甲晃先生が、先般の講演でお話されていました。

「このままでは、私達は次の世代に廃棄物と借金しか手渡せない」 と。

 ここを変えるのが、政権交代だったのではなかったのか。
 
少なくとも僕は、こうした思いであの政権交代を応援していました。

 八ッ場も、現場の検証をよーく確かめていると、でたらめ、いかさまなんですよ。

人口が急激に減少する日本で、首都圏だって同じこと。そこだけ水需要が増えるんでしょうか。

それと、ヒ素入りの水を東京の人達は飲みたいんでしょうか。

 小国川の事についても、温暖化で、関西以西のアユが採れなくなっている事を伺った事があります。そんな中で東北のアユはアドバンテージがある。でも太平洋側は3.11でダメージを受けています。小国川のアユの種苗アユは今年、岩手の気仙川で放たれています。
 こうした生命の源を、わざわざ、私たちの手で破壊してしまって良いのでしょうか。

私は、吉村知事を応援する立場におりますが、この案件だけは絶対にゆずれません。
むしろ応援する立場だからこそ、ダムをつくらせてはならないと考えています。

真に持続可能な山形を実現するためには、エネルギーの事と同時に、この大きな難題を乗り越えて
いかねばならないからです。 

 ダム問題も大多数の方々は無関心です。だから、古い政治がまかりとおってしまうんだと思います。

 でも、今、私達が行動を興さないと、次の世代により良い未来を手渡せません。

「山形の食の文化、アユの文化」を失いかねない。まさに文化の消失の危機なのです。

ぜひ、多くの皆さんに考えて頂きたいと思います。

今日、クリスマスイブ、いい、日をお過ごし下さい。

そして、ちょっとだけ考えて欲しいのです。次の世代に何をプレゼントできるのか。を。






朝日、山形新聞に質問状提出が掲載


12月22日付けの新聞に、21日の公開質問状提出について掲載されました。
以下、内容をお知らせします。

朝日新聞 山形
「治水」巡り県に質問状
最上小国川ダム建設で「守る会」
県の最上小国川ダム建設計画に反対する「最上小国川の清流を守る会」(川辺孝幸山形大教授ら共同代表)は21日、県に対し、治水対策や環境への影響などに関する公開質問状を提出した。
 質問状であh、治水対策について「県が造った堰や床止めで河床が上昇し、洪水を引き起こしている。河床掘削で解決できる」と指摘。「ダムによるアユへの影響の検討が不十分」「対策を施せば、河床を掘削しても温泉への影響を回避できる」などとし、県の見解を求めた。
 県河川課は、「内容を確認し、なるべく早く回答したい」としている。

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山形新聞
最上小国川ダムで県に公開質問状
建設反対派

最上小国川ダム(最上町)建設に反対する「最上小国川の清流を守る会」は21日、 河川環境、 治水 対策、湯脈調査の3分野について、県に公開質問状を提出した。ダム整備によりアユに及ぼす影響などについての県の見解を求めている。質問状を受け取った工藤雄一河川課長は「内容を確認し、速やかに回答したい」と述べた。

ーーー以上。

12月21日、県に対して公開質問状を提出しました。


 
本日、議会最終日。終了後、以下、公開質問状を提出いたしました。 


 公開質問状
                              2011年12月21日
山形県知事 吉村美栄子 殿
山形県土整備部長 鹿野正人 殿
       
                    最上小国川の清流を守る会
                      共同代表  川辺孝幸
                      共同代表  高桑順一
                      共同代表  草島進一

私達は、最上小国川、最上川流域の住民の生命と財産を守り、真に持続可能な発展を叶えるためには、全国的に希少価値のある最上小国川の自然環境を守るダムに依らない治水を実現することと考えるものであります。

最上小国川ダム建設について、科学者の方々から以下のような問題の指摘があり、県は回答を避けたままであります。これらは、県の説明会、知事と漁協、自然保護団体との面談、検証の際のパブリックコメント、更に議会質問でも指摘しているにもかかわらず、「聞き置く」だけ、もしくははぐらかしている案件がほとんどです。 更に県が出席を拒んだ11月27日の「県民による再検証」で科学者により指摘された新事実を含むものでもあります。12月県議会でも指摘しましたが、「新事実でもなんでもない」と部長は応えました。とんでもないことです。県民への説明責任を果たすべく、公開質問状に可及的速やかにお応え頂きたく存じます。



■治水対策について 
●理念について
1)2004年の新潟水害など、ダムが想定外の洪水時に機能せず死者を伴う甚大な被害を及ぼした教訓から、対象を越える洪水に対応できないダムによる「定量治水」から、あらゆる大きさの洪水を対象にし、流域全体で受け止め、壊滅的被害を回避する「非定量治水」に舵をきる治水の理念転換が科学者によって唱えられ、滋賀県をはじめ自治体で取り組みが見られます。
 3.11東日本大震災や今年9月の和歌山水害、昨今の広範囲のゲリラ豪雨を教訓とするならば、こうした新たな理念でのダムによらない治水策へ転換すべきと考えますが如何でしょうか。 (今本博健 元京大防災研 所長)


●赤倉温泉地域の堰、床止めなどの河川構造物について
河川課長は12月議会の質疑において「橋脚の保護とか護岸の保護、温泉水の維持などを目的につくったもの」と言及し、「温泉水の維持」を目的と認めているようですが、県がつくった床止め、堰、落差工によって土砂堆積し、結果的に異常に河床があがっている事。それが洪水被害を引き起こす原因となっている事。本来計画河床高に合わせて造るべき床止めとは異なる設置様式になっている事が 河川工学者によって指摘されています。河川管理者自らの河川工事による構造物により、周辺住民を危険にしてきたのではないかという重大な指摘であります。

 山形県作成の縦断図(図1)で、大熊孝新潟大学名誉教授(河川工学)は「36.7kmあたりから37.3kmあたりまで、河床が高くなっている。これは36.7kmあたりの床止めの影響だと思います。この床止めを取れば、河床が平滑化して、洪水位も下がるのではないかと思います。」と指摘しています。
図2でも本来の床止めとは異なり、下流部の堰にあわせ、意図的に高く管理された河床に合わせている事が図から見て取れます。また、洪水被害箇所はこの河床が上昇している地域と一致しています。

図1(山形県土整備部作成)

図2)県の資料を基に国土問題研究会作成 (中川 学 他)
図3県資料 昭和49年の集中豪雨による被害状況

1)県がつくった構造物によって川床が上昇していることは認めますか
論拠と共に回答してください。

2)これまでの洪水被害はほぼ内水氾濫による被害でした。この解消策は河床を下げることであるとの指摘が河川工学者からされております。早期に周辺住民の生命と財産を守る為には、県が造った構造物を除去し、河床の土砂除去、河床掘削をすることが先決ではないですか?

3) 赤倉温泉流域の河床上昇をそのまま放置して、流水型ダムに想定以上(ダムを越流するレベル)の洪水が生じたら、赤倉温泉地域は壊滅的な被害を受ける可能性があると指摘されています。その際、ダム案と改修案では赤倉温泉地域の被害はどちらが大きくなりますか。

4)流水型ダム「穴あきダム」は,ダムの上流で斜面崩壊や土石流が発生した場合,流れてきた樹木や土砂・砂礫によって穴が詰まって,「穴あきダム」の機能を失ってしまい,逆に被害を拡大する可能性をもっていることが,山口県防府市の老人ホームの土石流被害などの同様な形状の場所で明らかになっています.この指摘についての見解を求めます。

■ 2流水型ダム(穴あきダム)の河川環境(鮎)への影響について
(高橋勇夫 たかはし河川生物調査事務所 所長)

高橋勇夫氏の27日の論証は、これまでの県主催の「最上小国川流域環境保全検討会」で検討状況を丁寧に確認をした後に、アユへの影響の問題点について、新たに科学的に論証されたまさに「新事実」であります。(詳細は別紙資料参照)

1)検討されていない「当然検討すべきアユへ及ぼすと予想される影響」

流水型ダムであってもダム下流河川の攪乱強度、攪乱頻度の低下にともなう大型糸状藻類、コケ類、貝類の異常繁殖等、生物相の変化が起きる可能性は十分にあり、深刻な漁業被害が起きる可能性がある。仮に起きた場合、穴あきダムはそれを制御するすべを持たない(貯水ダムで行われているフラッシュ放流のような対策が行えない)。そして、そのことが将来への潜在的なリスクとなる。
攪乱強度、攪乱頻度の低下によるそうした水域の生物相が如何に変化するか、そのことがアユや漁業に影響を及ぼすか全く検討されていない。
●この指摘についての見解を伺います。

2)アユへの影響がすでに検討されているものについて、検討内容が正しいと言えないもの

A) 濁りの影響
 穴あきダムによって発生する濁りの濃度と継続時間は、「ダムなし」と比較して若干の差異が発生(シミュレーションの結果)するが、「アユへの影響は小さい」とされている(第7回資料)。そして、各治水対策を評価する中で穴あきダム案のみが「アユや生態系への影響も小さい」とされている(第8回資料)。
 しかし、最新の知見*では、アユに対する濁りの影響がより詳細に検討されており 、その実験結果から判断すると、穴あきダムによる高濁水(1000mg/L以上、粒径20-55μm)の発生時間の延長がアユに対して大きな影響(死亡)を及ぼすことが十分考えられる。この知見は穴あきダムによる濁水の影響検討が行われた後に出たものであり、検討時点での評価は仕方ないものではあるが今後、新しい知見に基づいて再検討されなければならない。
●再検討が促されているが見解を求めます。

B)土砂移動の影響
 穴あきダムの土砂の移動に関しては、最上小国川流域環境保全協議会では「ダムなしの状況と全体量がほぼ同じに移動すると考えられるが、土砂の移動する継続時間が変化することが予想される」 とされている。
しかし、島根県益田ダム(穴あきダム)では、洪水時に形成される貯水池の流入点付近に大粒径の礫が大量に取り残された状態となっている(現地調査した研究者への聞き取り)。この事実は、「洪水時に運ばれてきた土砂はその全体量が『ダムがない状態』とほぼ同じに移動する」という県の判断のようには移動せず、貯水池でふるいにかけられ、比較的粒径の小さいものが選択的に下流に流される可能性があることを示唆している。その場合、下流河川の環境は変化することになる。
●見解を伺います。

3) 判断が不適切と考えられるもの

「各治水対策案の評価((第8回最上小国川流域環境保全協議会資料)」において、改修工事など各種の治水対策が穴あきダムとともに比較検討されている。その中の「生物多様性の確保及び流域の自然環境全体への影響」に関して、穴あきダム案は「魚類(アユなど)の生育や生態系への影響は小さい」と評価する一方で、河道改修案は「河道内の環境が改変されることから水中の生物への影響が考えられる」と負の評価を受けている。
しかし、穴あきダム案が「影響が小さい」とは必ずしも言えないことは上記の通りであり、他方、「河道改修案」に関しては工法(近自然河川工法、多自然工法)を選択することによって、影響はほとんど出ないようにできることもある。日本の河川行政、河川工学に関わる研究者・技術者は、多自然川づくりや近自然河川工法を導入することで、自然環境に負荷を与えないことに真剣に取り組んでおり、その成果も上がっている。河道改修に対する今回の評価は、このような全国的な動きを無視した形となっていて、不適切と言わざるを得ない。
●見解を伺います。
■3「温泉の湯脈に影響するので河床掘削できない」について
 (川辺孝幸 山形大学教授)

1)県は報告書について「3名の研究者の同意だ」と主張されていますが、そもそも平成21年3月に発表された最終報告書は、3名の研究者が承認されたものなのですか。  中間報告では、「学識経験者から指導を受けて実施し、了承を受けた。」になっていますが、最終報告では、「下記の学識経験者から指導を受けて実施した」と「了承を受けた」が削除されています。いかがでしょうか。

2)県の報告書では、物理探査を含む各種調査結果から河床で湯脈の存在が明確に確認されたのは、阿部旅館と三之丞旅館の間のみで(三之丞旅館下流右岸でそれらしき兆候がある)、それ以外では確認できていません.「温泉の湯脈に影響する」についてですが、県がいう「温泉湯脈の影響」とは、赤倉温泉全域の温泉湯脈のことですか。 それとも左岸の旅館1軒もしくは2軒の温泉への影響ということですか。

3)現在も、報告書にあるように、護岸部分から突き出たパイプから流れ出る40数℃のお湯も、社会的にも認識され法律にも規定されている「温泉」だと、認識されているのでしょうか。

4)阿部旅館1軒のお湯とその水位の確保のみについて、対策を施せば、河床掘削などでの温泉への影響はほぼ回避されるとの川辺教授の論証があります(対策については、掘削した河岸の遮水を含む河川水・温泉混合システムが前回提出した資料に示されています)。これについてはいかがですか。

5)工事中も含め河床をいじれないとする県の立場では、環境・景観整備のための河川改修や、崩壊の危険性があって調査ができなかった右岸の護岸も含め、今後一切河川改修ができないということになりますが、穴あきダムができれば全て解決する問題とお考えなのでしょうか。


以上、可及的速やかなる誠意有る回答を求めます。

ここでお伝えした他にも、科学者同士が議論し、再検証すべき問題があります。これまでも再三にわたり要望しておりますが、県の説明責任を果たす公開討論会の開催を強く求めます。

以上


穴あきダムは歴史的愚行 08年 今本先生 改めて


小国川につくられようとしている、穴あきダム。
現地に5回もいらしていただいている、元京都大学防災研所長の今本先生の2008年のオピニオン。を再度ピックアップします。

ここでも想定を越える洪水に耐えられない問題。が指摘されています。
この文章で触れられている川辺川ダムと大戸川ダムは中止になりダムに依らない治水策が進められています。

ーー山形の小国川で歴史的愚行をやるつもりなのかーーー  改めて問います。

朝日新聞 2008年7月17日 朝刊17面opinion

◆穴あきダム歴史的愚行に他ならない

いまもと  ひろたけ
今 本  博 健  元京都大防災研究所長

 ここ数年、従来の多目的ダム計画を、治水専用の「穴あきダム」に変更して推進しようとする動きが相次いでいる。国の直轄事業に限ると、淀川水系の大戸川ダム(滋賀県)や九州最大級の川辺川ダム(熊本県)など、地域の合意が得られていないダムを中心に、10件ほどを数える。補助事業を加えるともっと多く、長野県では前知事時代に「脱ダム」の象徴として中止が表明された浅川ダムが、穴あきで建設されようとしている。

 穴あきダムには多様な形態があるが、現在推進されているのは、ダム下部の河床近くに直径数㍍ほどの穴をあけておき、普段は川の水をためずにそのまま流し、洪水時は一時的に貯留するタイプのものだ。従来のダムからの変更が相次ぐ理由は、①水の需要が減ったため建設目的が治水専用になり、水を常時ためる必要がなくなった②穴あきにすれば環境悪化への社会的批判の高まりをかわすことができる、という点に集約される。

 私は河川エ学者として各地の住民から相談を受け、穴あきダムの実態を調べているが、いずれも「中途半端なダム」という印象をぬぐえない。

 まず、事業者がうたい文句にする「環境に優しい」は本当だろうか。普段は水をためないので、水がよどんでアオコが発生するようなことはないだろう。だが、①魚が穴を通ってダムの上下流を自由に遡上・降下できる②土砂がたまらない、とする主張は極めて疑わしい。

 国内の本格的な穴あきダムは2年前に完工した島根県の益田川ダムが最初だが、県が昨年公表した環境調査では、①アユの遡上が阻害されている②土砂の一部は流れずにたまる、などの点が明らかになった。

 私は何度か視察したが、穴あきダムは、魚が自由に行き来する単純な構造ではない。洪水時に勢いよく水が流れるのを食い止める構造物「減勢工」がダムの下流直下にあり、魚が上って行くには、減勢工などを通って穴に向かわなければならず、これらが障害になっている可能性がある。土砂も予想以上にダムに堆積しており、下流への砂の供給が減ると、砂の中に産卵する魚の生態に影響が出る恐れがある。こうした点が何も検証されていないのに「環境に優しい」と言えるのだろうか。

 治水についても、肝心の大洪水で役立たない恐れがある。特に洪水が間隔を置いて続くケースは危険だ。通常のダムは、職員がゲートを操作し、最初の洪水でたまった水を必死に放流して数日内に予想される次の洪水に備えるが、穴あきダムでは、小さな穴から自然に任せて少しずつしか放流できないため、最初の洪水を処理しきれないうちに次の洪水が押し寄せ、水がダムから一気にあふれて被害が拡大することが予想される。

 また、大雨で山腹が崩壊すれば、流木や岩が絡み合い、穴をふさいでしまう恐れもある。

 事業者は、穴あきダムを「逃け道」にして、ダム建設を強行しようとしている。だがそもそも、ダムに頼る治水は、計画を超える降雨があれば破綻する。いま急を要するのは、ダム神話の錯覚から目覚め、ダムに頼らない治水に転換することだ。

 堤防の補強に加え、はんらんした水を輪中堤などで制御する持続的な方法を併用し、さらには避難対策の整備や危険地域の開発規制など、実現可能な対策を着実に進めることが重要である。こうした転換期に穴あきダムを建設することは「歴史的愚行」に他ならない。

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歴史的愚行から、かけがえのない、山形の清流を守るのは、

あなたです。

鮎に深刻なダメージを与える恐れ「穴あきダムなら環境にやさしい」への反論ー高橋勇夫先生


12月13日の景気雇用対策特別委員会で県土木部は「新事実でもなんでもない」と応えたのですが、
それは全く真実をとらえていません。以下は11月27日の高橋先生のレジュメですが、これだけ見ても、県のこれまでの委員会などをきちんと踏まえ、新事実を突きつけています。「緊急検証! 最上小国川」の模様はhttp://www.ogunigawa.org で usT録画放映しているのですから、当然県は映像も見ているはずです。
 いずれにしても河川管理者としてまた、河川構造を改変し開発をする側の県は、責任をもってこうした県民や研究者の疑問や追求に応え、説明責任を果たして当然です。それができなければ、開発をやめることです。

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穴あきダムによるアユへの影響を考える

たかはし河川生物調査事務所
高橋勇夫

はじめに
 小国川に建設されようとしている穴あきダム(流水型ダム)は、環境への負荷が小さいと評価され、アユや生態系への影響も小さいとされている。しかし、穴あきダムは事例が少なく、アユへの影響を正確に予測することは難しい。さらに、山形県が公開している最上小国川流域環境保全協議会の資料(ホームページ)を見る限り、穴あきダムの影響について当然検討すべきことが検討されていなかったり、検討されているものについても、検討がまだ不十分と考えられる点は少なくない。
ここでは、最上小国川ダム事業に係わる流域環境保全協議会の検討内容の問題点を整理するとともに、穴あきダムによるアユへの影響について検討した。

1. 穴あきダムがアユへ及ぼすと予想される影響
 ダムが建設されることにより発生するアユへの影響は図1(次のページ)のように多岐に及ぶ(他にも水質の変化などの影響因子が存在する)。穴あきダムは水を貯留しないため、ダムに懸濁物質(濁り)や土砂か溜まりにくい。そのため、貯水型ダムで問題となっている濁りの長期化や下流河川の河床材料の粗粒化は起きにくく、貯水型ダムと比べるとアユへの影響はかなり小さくできる(図1の点線で囲んだ部分が軽微になる)と予想される。
 穴あきダムによるアユへの影響を考えるとき、一番問題となるのは洪水のピークカットによる下流河川の攪乱強度、攪乱頻度が低下することである。既存の貯水型ダムの下流では、攪乱強度、攪乱頻度の低下によって、①ツルヨシが水際まで繁茂して砂利河原が失われる、②カワシオグサ等の大型糸状藻類や蘚苔(コケ)類が河床を覆い尽くすように繁茂する(図2左)、③カワニナなどの貝類が異常繁殖する(図2右)、④アユの餌となる付着藻類の質量が変化するといった現象が観察される(以上は図1の点線で囲っていない部分)。そして、このような現象が見られる河川では、アユが正常には生息できなくなることがあり、深刻な漁業被害が起きることもある。
図2 ダム下流河川では攪乱強度・頻度の低下により大型糸状藻類や蘚苔類の繁茂(左)や貝類(カワニナ)の異常繁殖が観察され、深刻な漁業被害が出ることがある



図1 ダムによるアユへの影響と穴あきダムによって軽減される(であろう)影響

2.  流域環境保全検討会で検討されたアユへの影響の問題点

 1) 影響が想定されながらも検討されていないもの
 穴あきダムの目的は洪水のピークカットにあるため、下流河川の攪乱強度、攪乱頻度が低下することは間違いなく、最上小国川流域環境保全協議会においても「ダム下流の攪乱の現象、流況の変化」が起きることが想定されている(第4回資料13p)。しかしながら、協議会においてその影響が検討されたのは主に陸上の動植物へのもので、水域の生物に関しては、付着藻類の生育状態の変化がアユにどのような影響を及ぼすのかが検討されているにすぎない。つまり、先にあげた①~③のような水域の生物相がどのように変化するのか?そして、そのことがアユや漁業にどのような影響を及ぼすのかについては、残念ながらまったく検討されていない。
 ダム下流河川の攪乱強度、攪乱頻度の低下にともなう生物相の変化が確実に起こるとは言えないが、起きる可能性は十分あり、仮に起きた場合、穴あきダムはそれを制御するすべを持たない(貯水ダムで行われているフラッシュ放流のような対策が行えない)。そして、そのことが将来への潜在的なリスクとなる。

 2) 影響検討が不十分と考えられるもの
最上小国川流域環境保全協議会において、アユへの影響がすでに検討されているものについても、検討内容が必ずしも正しいと言えないものがある。

  (1) 濁りの影響
 穴あきダムによって発生する濁りの濃度と継続時間は、「ダムなし」と比較して若干の差異が発生(シミュレーションの結果)するが、「アユへの影響は小さい」とされている(第7回資料)。そして、各治水対策を評価する中で穴あきダム案のみが「アユや生態系への影響も小さい」とされている(第8回資料)。
 しかし、最新の知見*では、アユに対する濁りの影響がより詳細に検討されており、その実験結果から判断すると、穴あきダムによる高濁水(1000mg/L以上、粒径20-55μm)の発生時間の延長がアユに対して大きな影響(死亡)を及ぼすことが十分考えられる。この知見は穴あきダムによる濁水の影響検討が行われた後に出たものであり、検討時点での評価は仕方ないものではあるが、今後新しい知見に基づいて再検討されなければならない。

  (2) 土砂移動の影響
穴あきダムの土砂の移動に関しては、最上小国川流域環境保全協議会では「ダムなしの状況と全体量がほぼ同じに移動すると考えられるが、土砂の移動する継続時間が変化することが予想される」 とされている。
しかし、島根県益田ダム(穴あきダム)では、洪水時に形成される貯水池の流入点付近に大粒径の礫が大量に取り残された状態となっている(現地調査した研究者への聞き取り)。この事実は、「洪水時に運ばれてきた土砂はその全体量が『ダムがない状態』とほぼ同じに移動する」という県の判断のようには移動せず、貯水池でふるいにかけられ、比較的粒径の小さいものが選択的に下流に流される可能性があることを示唆している。その場合、下流河川の環境は変化することになる。

 3) 判断が不適切と考えられるもの
「各治水対策案の評価((第8回最上小国川流域環境保全協議会資料)」において、改修工事など各種の治水対策が穴あきダムとともに比較検討されている。その中の「生物多様性の確保及び流域の自然環境全体への影響」

小国川ダムの議論ー県は説明責任を果たせ!


昨日おこなわれた景気雇用対策委員会の質疑内容です。
(メモなどから書き起こしさせていただいております)
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最上小国川ダムについて

今般11月27日に行われた、県民による緊急検証についてでございますが。
県はドタキャンされておりまして、、科学者により県の推し進める流水型ダムによる治水が適切との根拠に2つのウソと、河川管理上極めて大きな問題である1つの真実が明らかにされました。

2つのウソとはなにか。

「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」

「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」

という県の主張でございます。又、一つの真実については、

一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にしていたという真実です。

2つのウソの前者については、

「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」には、県が調査を依頼した川辺教授によって、完全否定されまして、一軒の旅館の温泉に対して対策を施しさえすれば、問題なく河床の掘削ができるということ。更に河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になると論証されました
第二の「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」
には、県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 先生(たかはし河川生物調査事務)が反論した。穴あきダ ムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。


ダムについては、流水型、であっても、本質的に洪水のピークカットするわけですが、それにより河川を攪乱する度合いが減少する。それにより河床がアーマー化 すし、大型糸状藻類が繁茂する。カワニナ等が異常繁殖する。など、下流河川の生物相、生態系に悪影響を及ぼす事が実際、事例からわかっております。
 アユへの影響の議論で最も重要視しなければならない点でありましたが、これまでの最上小国川流域環境保全協議会では全く検討していなかったことが判明したのであります。

県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。ということが立証されました。

3)又、今般明らかになったのは、一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にさらしていたという真実でございます。

県作成の河道縦断図を見ても、県が造った落差工、床止めの部分で河床が異常に上昇している。河床本来の河床に設置されるはずの床止めが、この場合は別の目的(つまり一軒の旅館の温泉のために水位をあげるコトじゃないかと推測される)のために設置されていることがわかる。河川管理者としての県の管理責任が問われる問題だ。と桑原英夫、水文学者、元山大教授 、大熊孝 新潟大名誉教授 今本博健 元京大防災研所長 河川工学者、が論証しております。

要するに、県がつくった床止め、落差工をはずし、河床の土砂除去、掘削をおこなうことが先決ではないかということが論証されたわけです。
改めて科学的に検証されたこの論証大きく3点、について、県は科学的に反論できなければならない。ということです。

まずお尋ねしますが、高橋先生から電話があった、「県がわざわざ高知まで行って、高橋先生に説明をしたい」と連絡を受けたそうであります。
これ、何をしようとしているんですか。応えてください。

工藤河川課長
只今の質問ですけども、えっと、私は聞いてなかったんですが、具体的にどういった話だったんでしょうか。

草島
高橋先生から 山形県の職員が行って説明をしにいきたい。と連絡を受けたそうであります。1月10日に来るということでありました。どういうことなんですか。何のためにくんですか。応えてください。

工藤河川課長
只今の話ですけれども、私も把握していません


草島
重要な論証をされた方に、県がわざわざ説明しにいくと実際に本人から聞いているんですが、これ部長把握されていないんですか。

鹿野部長 
すいません、私も聞いておりません。

草島
職員が勝手にやったことだということですか おうかがいします。

工藤河川課長
うちのほうのダム担当の職員が連絡をとったわけでありますが、何の趣旨か詳しいことはわかり

非常に重要な論証をされた方にわざわざ県が説明に行くなんていう
お金とひまがあったら、公開の場で、高橋先生を招聘して、県依頼の石田さんと共に再検証されたらどうですか。

この科学的な論証に対して説明するなり、反論する公開の場を設け、説明責任を果たすということは重要なことだと思うんですが、部長どうなんですか。おうかがいします。


鹿野部長
今、高橋先生に対して、県のほうがどういう言い方をして、何をしようとしているのかっていうのをちょっと把握していないものですから、それと公開討論の場というのがどういう関係になるのか、ちょっと今、整理できておりません。

それはちょっと事実確認をした上で、お応えしたいと思います。

委員長 草島委員、先に進んでください。

草島
委員長 そしたら、まずね、皆さん把握していないということ自体がおかしい、それと、高橋先生にそういう連絡をされているのは事実ですから、何をしようとしているのか、きちんと説明してくださいよ。それと3点、今般、科学的な論証されたわけですけども、これについて反論できますか。反論できるのならどうぞ。

工藤河川課長
反論というわけではないんですけれども、これまでですね、私どものほうでやってきたことをですね、もう一回ですね。お話していきたいと思います。一応何点かですね、質問有ったかと思いますけれども、まず一つは温泉旅館の湯脈に影響があって河床掘削ができないということについてはですね、これについてもこれまでも何度もですね、お話しましたけれども、川辺先生もですね、一応、同意をされてですね。結果的に報告書になっているものでありまして、その内容ですけれども「河床の岩盤掘削を伴う工事は、現在の湧出機構の微妙なバランスを崩してしまい、河川水位を回復させても、温泉

小国川ダム議論ー景気雇用対策特別委員会にて


本日の景気雇用対策特別委員会。

今、エネルギー戦略懇談会については、2つの要望。
1)懸念材料として、来年7月の固定買い取り制度をにらみ、「植民地型エネルギー開発」にならぬよう、地域の自然エネルギーは地域は地域のために優先的に利用できる。また、お金が地域にまわるしくみができるかが鍵。このシクミの構築をおこなうこと。
2)卒原発の山形にふさわしい、目指すべき「持続可能な社会」を見据え、バックキャスティングアプローチのシナリオを描いて、突き進んで欲しい。

との要望をいれ、小国川ダム問題をやりました。

使ったメモを記載します。


最上小国川ダムについて

今般11月27日に行われた、県民による緊急検証について。
県はドタキャンしたわけだが、科学者により県の推し進める流水型ダムによる治水が適切との根拠に2つのウソと、河川管理上極めて大きな問題である1つの真実が明らかにされた。

2つのウソとは

「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」

「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」

という県の主張であり、又、一つの真実については、

一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にさらしていたという真実です。

2つのウソの前者については、
「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」には、県が調査を依頼した川辺教授によって、完全否定され、一軒の旅館の温泉に対して対策を施しさえすれば、問題なく河床の掘削ができること。更に河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になると論証した。


第二の「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」
には、県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 先生(たかはし河川生物調査事務所)が反論した。穴あきダ ムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。

ダムについては、流水型、であっても、本質的に洪水のピークカットするわけだが、それにより河川を攪乱する度合いが減少する。それにより河床がアーマー化 する、また、大型糸状藻類が繁茂する。カワニナ等が異常繁殖する。など、下流河川の生物相、生態系に悪影響を及ぼす事が実際の事例からわかっている。
 アユへの影響の議論で最も重要視しなければならない点だが、これまでの最上小国川流域環境保全協議会では検討していなかったことが明らかになった。

県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。


3)又、今般明らかになったのは、一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にさらしていたという真実だ。

県作成の河道縦断図を見ても、県が造った落差工、床止めの部分で河床が異常に上昇している。河床本来の河床に設置されるはずの床止めが、この場合は別の目的(つまり一軒の旅館の温泉のために水位をあげるコト)のために設置されていることがわかる。河川管理者としての県の管理責任が問われる問題だ。と桑原英夫、水文学者、元山大教授 大熊孝 新潟大名誉教授 今本博健 元京大防災研所長 河川工学者、が論証している。


要するに、県がつくった床止め、落差工をはずし、河床の土砂除去、掘削をおこなえば、内水災害も治める等、危険箇所を安全にすることができる。



改めて科学的に検証されたこの論証大きく3点、について、県は科学的に反論できなければならない。



まずお尋ねする。高橋先生から電話があった、「県がわざわざ高知まで行って、高橋先生に説明をしたい」と連絡を受けたそうだが、
「何をしようとしているのか」

そんなコトをするのなら、公開の場で、高橋先生を招聘して、県依頼の石田さんと共に再検証したらどうか。

この科学的な論証に対して説明なり、反論する公開の場を設け、説明責任を果たされなければならない。

どうか。

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質疑内容は後日アップします。
ご期待ください。



本日、県知事への申し入れ内容。


本日、午後3時30分に、山形県知事宛提出した要望書です。対応は県庁11階の県土整備部で河川課長が対応してくれました。私の仕切りが甘く、申し入れが交渉の場で1時間も費やし、記者会見会場に行くことがなかなかできませんでした。報道機関の皆様、大変失礼いたしました。

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                        2011年12月6日    
山形県知事 吉村美栄子 殿

          最上小国川の清流を守る会
                      共同代表  川辺孝幸
                      共同代表  高桑順一
                      共同代表  草島進一        
  山形県自然保護団体協議会  幹事団体 出羽三山の自然を守る会 
                        大田道徳

   「最上小国川ダム」建設の説明責任と見直しを求める要望書
 
 私達は、11月27日に開催した「県民による緊急検証 最上小国川ダム」において再検証した結果、最上小国川ダム建設に大義なし。治水対策は河川改修を優先すべしという結論に至りました。
 アユ踊る日本屈指の清流 最上小国川は、東日本大震災の津波や放射能汚染でダメージを受けた東北に残る生命の源。山形の宝、日本の宝であると私達は考えます。
 最上小国川、最上川流域住民の生命と財産を守り、持続可能な流域を叶えるためには、穴あきダム建設は清流環境を失うリスクが大きく、不要であり、河道掘削、拡幅などによる河道改修による治水対策を優先するべきです。
 山形県には、以下の新事実たる論点への説明責任を果たすべく、早急なる公開の説明会の開催と、小国川ダム建設計画の見直しを求めます。

論点。
1)県が主張していた「赤倉温泉の湯脈に著しく影響するため、河床掘削はできない」は、実際に県が温泉調査を依頼した川辺孝幸山形大学教授によって完全に否定された。そもそも県の調査は「温泉調査」が目的で河床掘削できるか否かが目的ではなかった。調査員3名が確認したのは温泉と川の水位が関連しているということのみで、工事期間の補償を含めた影響を除去する対策の検討を十分におこなわずに,「『工事が温泉宿の湯船のお湯に影響を与える』から河川改修はできない」と、県がダムを優先するために創作した推論でしかなかった。
 河川を掘削しても、対策を施せば全く問題を生じない。現在も河川水と温泉水が混合して湯船に流れ込んでいるシステムで現在の温泉宿の湯船に流れ込むお湯は成り立っている。時々河川の増水や渇水で温泉の利用ができなくなる状態であるが、河川掘削工事に伴ってより効率的な混合システムをつくることによって安定的にお湯を供給できるようになるなど、むしろ河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になる(川辺孝幸)

2)現在、赤倉温泉地域の河床は、県が設置した堰や床止めによる土砂堆積のために上昇し、それが洪水のたびに水害をもたらす原因になっている。一軒の旅館(阿部旅館)の温泉を維持するために、県が設置した堰、床止めによって河床上昇し、危険をもたらしている。県や国はそうした構造物を除去し、それを原因に堆積した土砂を除去する事がダムよりも先決である。
(桑原英夫 大熊孝 今本博健 )

3)「流水型ダム(穴あきダム)は環境にやさしい」「鮎に影響がほとんどない」と山形県は主張し、流域住民に流布し続けてきた。しかし類似の流水型ダムは何れも上流にダムがある流域につくられた島根県の益田川ダムと石川県の辰巳ダムのみであり、小国川のような清流環境につくられた試しはなく「環境影響の実証」はないに等しい。

4)「穴あきダム」は、ダムの上流で斜面崩壊や土石流が発生した場合、流れてきた樹木や土砂・砂礫によって穴が詰まって、「穴あきダム」の機能を失ってしまい、逆に被害を拡大する可能性をもっていることが、山口県防府市の老人ホームの土石流被害などの同様な形状の場所で実証されている。(川辺孝幸 今本博健)

5)県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 (たかはし河川生物調査事務)が反論した。穴あきダムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。(要旨別紙)小国川のアユの経済効果は、年間22億円、環境悪化で年10億円ずつの損失(2011近畿大 有路研究室調べ 別紙)と推論されている。これについて、県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。それを加味すれば、河川改修のコストがダム建設よりもはるかに低廉である。(高橋勇夫 有路昌彦)

6)年間1億3千万円(2009年実績)の漁獲高を誇る小国川漁協は、組織をあげて穴あきダム建設に反対を貫いている。漁業権をもつ漁協が反対しているダム建設は、本体着工が不可能であることは川辺川ダムで実証済みである。川辺川のように、本体着工の了承がとれぬまま周辺工事を進め、結局本体着工できなければ、公金のムダだけが残る結果となりかねない。
              
              ()内は論証する科学者 承認者 敬称略


以上
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