月別ア―カイブ: 9月 2013
里山資本主義ー自然資本を活かした持続可能な社会へ。
藻谷浩介さんの「里山資本主義」を読了。2年前、はじめて藻谷さんの講演を聞き「デフレの正体」を読み実に共感を覚えていた。書き下ろしとしては2作目である「里山資本主義」。
この間、私も議会での提案などでも取り組んできた、再生可能エネルギーや省エネで、地域の外へのお金の流出を防ぎおカネを地域に環流させること。が冒頭に紹介され、コミュニティパワーとバイオマス資源で地域自立を目指す先進地、オーストリアのギュッシング、国内での真庭市を紹介していた。
里山資本主義=地域の復権 吸い取られる対象としての「地域」に決別して地域内で完結できるものは完結させようという運動。
そして、中山間地の資源を宝として、その場ならではの豊かさの経済を営み始めた全国各地の元気な志民の方々が登場する。「マネー」に依らないサブシステム。まさに水や新鮮な食べ物などの自然資本やその地域ならではの文化資源を活かして暮らしを営む。そこには暮らしの誇りや更に高齢に至ってまでの健康な姿がある。
庄内、山形に生きる私達が目指すべき社会の「資本論」が語られている気がした。
「里山資本主義は、マネー資本主義の生む歪みを補うサブシステムとして、そして非常時にはマネー資本主義に変わって表にたつバックアップシステムとして、日本とそして世界の脆弱性を補完し、人類の生き残る道を示していく。ーーさわやかな風の吹き抜ける未来は、もう、一度は忘れ去られた里山の麓から始まっている。」
と藻谷さんは結んでいる。
山形版ー里山資本主義をとことん追求していきたいものだ。
まずは読むべし! もう読んでる方も多いでしょうが。「里山資本主義」
想像する伝統芸能
「想像する伝統芸能」公益文科大ホール。岡野さんと森先生、利勝さんの舞台を見つつ、99年から月山高原牧場でやっていたまつりを思い出してました。
シンポジウム、山折先生の言葉は実に心に響きました。芸能は鎮魂。差別を乗り越える装置でもある。死者を生活の中に抱え込む、東北の意識構造。等。レセプションでは「日本の山は見る山か、歩く山。登る山ではない。見ると歩くは教育の基本ですよ。」とお教え下さり、防潮堤の問題などにも言及され、諸々叱咤激励いただきました。感謝。
想像する伝統芸能
「想像する伝統芸能」公益文科大ホール。岡野さんと森先生、利勝さんの舞台を見つつ、99年から月山高原牧場でやっていたまつりを思い出してました。
シンポジウム、山折先生の言葉は実に心に響きました。芸能は鎮魂。差別を乗り越える装置でもある。死者を生活の中に抱え込む、東北の意識構造。等。レセプションでは「日本の山は見る山か、歩く山。登る山ではない。見ると歩くは教育の基本ですよ。」とお教え下さり、防潮堤の問題などにも言及され、諸々叱咤激励いただきました。感謝。
庄内空港リモート化 説明会にて。
本日は午後1時から庄内空港リモート化の説明会がおこなわれました。国土交通省が説明。現在の庄内空港は、管制については東京管制部で遠隔でおこない、管制塔に運航情報官がいるレディオ空港。現在、空港管制塔にいるのは6名の運航情報官。運航する一機に対して運航情報官1〜2名がパイロットに情報提供をおこなっている。リモート化は現場にいる運航情報官を廃止して仙台空港から遠隔で情報官がパイロットとのやりとりを行うようにするもの。
国からは、「空港の運用時間外においても24時間運用されている飛行援助センターから情報提供が可能」などのメリットが語られ、「移行後も提供する情報の内容に変化はない」と説明がありました。
「現場の管制塔からの目視と、遠隔のテレビモニターでは情報量が違うし、これまで現場に6名の情報官がいたからこそできたことがあったのではないか?」と私は質問。他、昨年末のオーバーランの調査報告もでていないまま進めるのか?冬期の風雪などの関係でパイロットが緊張する空港と聞いている。安全確保のためにもリモート化は拙速ではないか。などの質問がありました。
国側は「運航情報官とパイロットがやりとりする情報は、現場に情報官がいる場合でも目視情報を伝えているわけではなく、現場に情報官がいる場合と遠隔地で行う場合とで全く違いはない。」
「レディオ空港からリモート空港への切り替えで、欠航や引き返しが増えた事例はなく、切り替えに反対された事例もない」
「現状のレディオ空港は全てリモート空港へ以降する方針」
と答弁。
6月議会中に唐突にでてきた庄内空港リモート化。県議会では全会一致で現状維持を求める意見書を7月3日に提出しました。今回の説明は「問題は全くないのでご理解を」というもののようでした。大分理解は深まったものの、現地に経験値を積んだ情報官がいる場合と、遠隔でモニターと計器を見ている場合とではやはり違う気がしますし、本当にリスクが増えることが全くないといえるのか。パイロットの安心度に全く違いがないのか。改めて調査しなければ納得まではいかないと思いました。冬のダウンバーストで「いなほ号」が飛んでしまう事故が発生した、庄内ゆえ、慎重に判断しなければならないと考えています。
SLOW WATER -改めて水道インフラを考える。
水は命の源であり、地域のインフラの根幹です。
この水道インフラについて、ずっと考え続けてきました。
9月3日か4日まで、長野県上田市での緩速濾過ー生物浄化法のセミナーに参加しました。
NPO地域水道支援センターの主催。理事長の中本先生は、その道の第一人者であり、全国の緩速濾過方式の浄水場の再評価をし、更にその管理方法について様々な提言をしておられます。上田市の染屋
浄水場は先生のまさにフィールドであり、実際にここを通じて様々な実験をおこなった成果を伺うことができました。
上田市では染屋浄水場と石船浄水場の二つで10万人の給水人口に対応しています。給水戸数4120戸。1日平均34000トンの水を供給を2つの緩速濾過浄水場でおこなっています。
浄水場にいってみると池があり、1日3〜4メートルの速度で砂を漉す方式で濾過がおこなわれています。中本先生曰くその中で、多様な微生物が水の中の様々な菌や毒素を食べ、とても安定した飲料水を作り上げていくということで、先生は緩速濾過というよりも生物浄化法として改めて発信をしています。
その方式は、特に発展途上国への水浄化システムの支援として評価され、今般のセミナーでもサモアでの支援策が発表されていました。
急速濾過方式のように薬品を使わないので、余計な維持管理費用が発生しない。更に膜濾過のように効果ではなくカートリッジを買い求める必要もない。ということで、コスト面からも更に維持管理が容易ということでも、実際の現場で最も喜ばれているのは、生物浄化の浄水施設と伺いました。
さて、山形県の村山広域水道の断水事件は全国の水道関係者に衝撃を与えており、今回あつまった方々も大変興味を持っておられました。高濁度の原水処理に浄水場が追いつかなくて結果断水に至ったという問題。全国に普及している急速濾過方式の浄水場の脆弱さを見せつけた事件のように思えます。
断水事件が起きたとき、私は原水の源である寒河江ダム周辺、また、その下流域の支川などを写真を撮りながら踏査しました。至る所で土砂崩れがあり、その土砂がダム湖に流れ、濁水となっており、少し多めの雨が降るとその濁度がぐっとあがるような状況が続いていました。
8月補正予算では、濁度対策の補正が組まれ、それについては承認をしましたが、これは対処療法でしかないことをお伝えしたいと思います。補正では、薬品をより多量に入れるためにポンプを数台増設するということでした。薬品を多量に入れた場合、凝集物(フロック)がより多く発生し、その除去についても処理が通常のように除去できず、沈殿槽にあふれたり等するとのこと。ここについての対策は未だ不鮮明のようでした。
更に、、、次に続く。
SLOW WATER -改めて水道インフラを考える。
水は命の源であり、地域のインフラの根幹です。
この水道インフラについて