最上小国川ダム問題ー「決着」「着工決定」はまだまだだ。
小国川ダム問題。本日の山形新聞2面に「着工決定」「ようやく決着」など、奇妙な記事が載っている。最上小国川の問題。まず水害についてだが、「昭和20年以降、15回の大規模な洪水が発生、旅館や橋の流出、護岸決壊、越水による床上、床下浸水など大きな被害にみまわれた。」とある。昭和20年の水害は旅館が流出としながらも県に詳細な資料がない。近隣の旅館の話でいえば、もともと危険なところにたっていたという話さえある。そして、15回の大規模な水害とは何か?http://www.pref.yamagata.jp/…/314074/mo_d…/saigai_140110.pdf
このうち、赤倉温泉地域の下流域は、1/50の水害に耐えうる治水工事がおこなわれている。昭和49年の被害の全壊、半壊は、支川の白川が流入した後の下流域での被害がほとんどだ。
これが15回すべて大規模な水害といえるのか。よく見てみていただきたい。
「基本的に堀込み河道で安全な河川」(大熊孝新潟大名誉教授)と言及される小国川でこれまで死者をともなう水害は皆無だ。
死者をともなう2004.7.13新潟豪雨などの現場でボランティアをしつつ、水害の脅威を体感している私にとって「床下浸水」は「大規模な水害」とはいえない。それからこれは県に確認済みだが「床上」となっているものも、もとより川に旅館の部屋がせり出している(これは違法建築との指摘がある)箇所が水で浸された事を床上としてカウントされている
なにより、危険だ危険だと騒がれている赤倉温泉の川に面して、平成23年に新規の建物が建った。県は問題なしとしているわけだが、結局「流域住民の悲願」とかといわれても、「それほど危険じゃない」ということを証明している。「実際に危険だとしたら新規の建物など建つはずはない」ことは常識的に考えれば納得いただけるだろう。
この記事は、「ダム建設が正しいのかそうでないのかは、誰にもわからない。人の生命と環境保護とをてんびんに掛けることも違和感を覚える。未来の子供たちは川と親しみながら成長し、流域は発展しているだろうか、「建設は正しかった」と誰もが思える未来があることを願ってやまない。」などと結んでいる。
今になって、「人の生命と環境保護とをてんびんに」と言及するとは全く不勉強もは甚だしい。よく推進派が集まる集会にいくと、議論をしたくない人達がよくそんな発言をして本来的な議論をすまいとしたことを覚えている。僕らは全くそんな話はしていない。流域の真の安全安心と未来を見据えた持続可能な流域振興を考えた上での「ダムによらない治水」を故沼沢組合長とともに僕らは提案をし続けてきたのだ。
この3年間あまり、裁判の中や科学者からの意見書などで立証された「ダムによらない治水は可能であり、それのほうが流域の持続可能な発展に有利であること」「流水型ダムでも環境に影響があり穴閉塞などリスクがあること」を完全に無視して、なんだか、目をつむったまま、突き進んでも「正しかった」ことを願う。などとする、この記事はあまりにもひどい内容である。全く無責任だ。
27年前の悲願の発端は「ダム湖にボートを浮かべるダム観光のためのダム」だった。その頃は「ダムがくれば流域は数百億円でもうかる。」と有力政治家が言い放っていたことを流域の方から伺っている。今やそんな時代ではない。
この時代、そして人口減少、地域消滅の中で「観光立県」「地方創世」をかなえなければならない山形県の今後を見据えて僕らは「ダムなしで赤倉温泉のまちづくり治水」を提言し続けてきたのだ。
今こそ、これまでの歴史とこれからの時代を見据えて、様々な懸念材料に対して十分に県民に説明責任を果たし、判断をしなければならない。一度破壊されたら元の生物多様性はもどってこない。20年前と今では時代はちがう。この40年ぐらいでダムやコンクリート護岸での河川環境の悪化、それによってウナギの絶滅危惧種指定。そして県魚サクラマスも国の準絶滅危惧種になった。その反省に立って河川法が変わり、環境と住民参加がはいった。そしてダムに拠らない流域治水も国際的な潮流となっている。この時代を踏まえたら、ダムに拠らない治水が可能とする科学的見解をきちんと受け止めて、徹底議論をおこなわなくてはならないと考える。
今年8月の川那部浩哉 京大名誉教授をはじめ錚錚たる魚類生態学者がまとめた意見書。そしてこれまでの裁判の意見陳述でおこなわれる中で「県が河床掘削が不可能としていた原因として流布し続けてきた金山荘事件(対岸の護岸工事によって湯温の低下がおきたとして県が損害賠償を支払った事件)は県の資料によって湯温低下の時期と工事時期が大幅にずれており、結局河道改修ができないという論拠は崩れているということ。温泉湯脈に影響なく河道改修は可能なのだということ。そして「ダムに拠らない治水」の方が内水被害の根本解決になり、河川環境の大幅な改変を避けることができる。更に河川改修に伴い老朽化した温泉旅館をセットバックしたり一部縮小化する改修費を街の再生につながる「まちづくり治水」ができるということだ。しかし県政や最上、舟形両町政はそれらを全く無視し続けてきた。
今般の議会の中で知事に「無視し続けるのですか?」と問うた。さすがに「そうではない」「踏まえていく」ということを吉村知事は言及したのだ。
何が「混迷27年 ようやく決着」だ。 裁判で立証されたことへの十分な反論もなければ、漁業者、組合員への漁業補償の締結についても漁業法の本意に照らせば締結できていない。組合員の「権利侵害」を無視して着工すれば「漁業行使権の侵害」となり漁業法143条違反になる。
県民への説明責任を果たさずしてこのままダム着工は絶対にありえない話だ。
12月25日、山形県知事に対して政策提言書を提出
12月25日、山形県 吉村美栄子知事へ、26年度政策提言書を提出しました。 7項目。
政策提言書
平成26年12月25日
山形県知事 吉村美栄子様
みどり山形 草島進一
1)農林水産業の政策について
●強い農業=絆の強い農業 地域内、都市と農村を結ぶ新たな絆をつくるCSA(コミュニティサポーテッドアグリカルチャー)の展開を求めます。
今冬、農家の方々は米の概算金の引下げや米の直接支払制度の変更により、所得減で大変厳しい状況であると認識しております。高齢化等が進む中でコメ農家の危機が叫ばれ、又、映画「よみがえりのレシピ」で紹介されている山形の伝統野菜、在来作物についても10年後にその姿がどれだけ残っているかという不安を研究者の方々が抱えております。シードバンクなどの提言も以前させていただきましたが、まずは生産者と消費者との関係性の中で守られ続けることが大切と考えます。
CSAは直訳すると「地域に支えられた農業」であり、消費者が特定の農家から生産物を直接定期購入する仕組であり農家は収入を安定することができ、都市生活者は農家や食を通じて、普段の暮らしに欠乏している自然を実感できるという関係性の再構築といえると思います。 従来から有機農業の場では生産者と消費者を結ぶ「提携」というカタチがありました。今後、TPP等の影響など、コメ農家、更に特に小中規模、家族農業の農家の方々へのリスクが高まると考えます。そのリスクへの対処として、又、山形ならではの食文化を守るためにも提携、CSA等「絆の強い農業」を政策として構築していただきたく存じます。
その具体として「次世代に残したい山形の食文化遺産」なるものを創設し、一つ一つの作物、あるいはサクラマス、米沢の鯉、松原アユ等を具体的にピックアップして消費者と生産者、漁業者とをつなぐ。そうした仕組みを展開することを提案します。(12月商工労働観光常任委員会で提案)
来年開催されるグリーンツーリズム全国大会は、生産者と消費者を結ぶ絶好の機会であります。この機会に都市と地方を結ぶCSAの新たな展開へのしくみづくりに邁進していただきたいと存じます。
● 有機農業政策の振興について、オーガニック国際市場も視野にいれ、更なる推進を。
「有機農業日本一を目指して」とする平成25年8月策定の山形県有機農業推進計画は、農家戸数、栽培面積、水田面積、推進体制整備の市町村などを目標を掲げ、意欲的に取り組んでいる姿勢については、大いに評価するものです。ぜひより高い目標を掲げてとりくんでいいただきたいと存じます。
持続可能な農業を考えた際、また、自然とのつながりを求めるIターン、Uターンの新規農業者にとって、慣行農業よりもむしろ有機農業や自然農法による農業が注目されていると聞きます。より安全安心で本来のおいしさを味わえる魅力は農を志す方々にとっても消費者にとっても、そのニーズは以前よりも高まっていると考えます。
また、2013年9月末に農水省は米国とオーガニック食品に関する同等条約を結んでおりますが、米国のオーガニック市場は世界最大の市場規模。欧州のオーガニック食品市場も急成長しているとのレポートがあり、アジア圏でも市場が拡大とのレポートがあります。(資料)より安全で美味しい山形の農産品、また農産加工品の今後のターゲットとして国際的なオーガニック市場を見据え、それらの参入を支援する事なども有意義ではないかと考えます。
より一層の有機農業、有機食品政策の推進を、生産と販売、加工、それぞれに求めます。
●内水面漁業について
準絶滅危惧種になっているサクラマスについて。
サクラマスの減少の原因は、これまでのダム、砂防ダムでの川の分断の影響が大きいと、他県また、過去の本県の水産試験場からの指摘があります。今後の河川整備において準絶滅危惧種のサクラマスをこれ以上減らすことのないように、生物多様性戦略を踏まえ、県土整備部の河川担当とともに取り組んでいただきますよう、提言いたします。
2)環境政策について
●鶴岡市の水資源(地下水)の保全と利活用について
12月1日、鶴岡市はユネスコ創造都市ネットワークの食文化部門に認定された。鶴岡の食文化を根底で支えて続けてきた「食材」たる本来の鶴岡の「水資源」である地下水資源を改めて価値付け、実質的な保全策を検討していただきたい。
▽鶴岡市の赤川扇状地の地下水資源については、全国有数の地下水盆であり昭和53年から55年、柴崎達雄 東海大学教授(当時)、桑原英夫 山形大学教授(当時)らの調査で、25万トン/日の持続性補給量があるとして全国有数の地下水資源であることが確認されております。実際にこの水源は昭和8年から平成13年10月まで鶴岡水道の水源として利用されてきました。水道水が広域水道事業に切り替わって以降、現在、水道水としては非常用の1万トンのみ確保している状況であります。現在、大変良質な水源であるため、ブルボン社(本社新潟県柏崎市)がペットボトル飲用水用にくみ上げ、食品会社が加工用に、又、中央工業団地では、工業用で利用。そして、冬期は道路、駐車場などの消雪用に大量にくみ上げ活用されている状況であり酒蔵業の一部で仕込み水に利用されているケースもあります。
現在、これらの地下水の揚水量については、届け出義務も無く、市も県も全く関知していない無秩序の状態であります。このことは2011年9月の一般質問でも指摘しましたが、未だ未解決のままであります。又、元の水道水源地近くでは、地下水障害の原因とも指摘されている砂利採取が、水源切り替え以降頻繁におこなわれています。
12月1日、鶴岡市はユネスコ創造都市ネットワークの食文化部門に認定されましたが、この食文化を根底で支えて続けてきた「食材」たる本来の鶴岡の「水資源」としてこの地下水を改めて価値付け、実質的な保全策を検討していただきたいと考えます。実際、市内の食堂、又個人宅では慣れ親しんできた地下水水源の水を求め、現在汲むことができる酒造メーカーの井戸、温泉施設の井戸などの水を求めにいくケースや、以前の水質(食味)を求めて、浄水器を付けているケースが見られます。
昨年、村山広域水道の濁りによって広域水道水源が使えず断水する事故が発生しました。その際、独自水源の活用ができた地域では断水を回避することができ、又、民間の井戸が近くにある地域では、その協力により生活用水、飲用水などに活用できたと伺っております。庄内地域でも庄内広域水道水源が使用不可になった緊急時を想定してその対処策についての検討を促してその際、水道緊急時に対処する1万トンの活用とともに、民間の井戸水についても飲用や生活用水として利用が可能なように調整すべきであると考えます。
そのためにも、「地域共有の貴重な資源」として一定量以上の地下水利用者の揚水量の届け出を義務化する新規の「地下水保全条例」の整備について再提案します。
*参考:熊本市 熊本県の地下水保全条例
鶴岡市の地下水盆については、赤川扇状地の水田が涵養源であることが前述の調査によってわかっております。県の平成25年4月1日施行の水資源保全条例は大変有意義と評価するものですが、現在のそれぞれの保全区域は山間地の森林が主であります。これを鶴岡市の水資源である、月山を頂とする赤川扇状地の指定をご検討いただきたいと思います。月山のブナ原生林はもとより、「農を守って水を守る」として実際に機能している涵養源である水田について、水田の多面的利用としての価値付けをするとともに実質的な地下水資源の保全のために、涵養源としての指定を求めるものであります。
3)人口減少対策・消滅集落対策・地域創世政策について
人口減少対策としてのこども、若者の婚活、子育ての支援については県では現在も様々な取り組みがみられますが視点を変えて提言をしたいと考えます。
私は、今後山形の「地域創世」を考える上で、最も大事なことは、人口が減らない。若者がもどってきて、子供が生まれ続ける。ということであると考えます。もちろん子育てしやすい環境づくりや教育環境は重要ですが、この事の実現のために私が最も重要視すべきは、地域住民が地域に誇りをもち、その価値やその地域にしかない魅力を残すことにあると考えるものです。
「若者が本当にその地域を好きになったら、仕事は自分でも探したり、つくり出したりする。その地域にとって、まずは、地域を磨き、いかに魅力的にするかが重要だ」とは、30年前から移住者を受け入れている和歌山県那智勝浦町色川地区の原和男氏の発言であります。
現在、特に3.11以降、都市部の20代30代の若者の中に、田園回帰の 志向がひろがり、農的暮らし、半農半Xを求めて、農山村に移住する方々が増えている。それはむしろ団塊の世代よりも多いとも内閣府のデータにあります(小田切徳美氏)。山形のIターン、Uターン対策として、こうしたニーズへの発信やはたらきかけはもっと積極的であっていいと考えます。子ども育成・若者支援対策特別委員会でも申し上げましたが、山川海とつながる山形の暮らしの魅力をもっと発信すべきであると考えます。
山形の在来作物の種を守る人々を描いた映画「よみがえりのレシピ」は上映当初から委員会などでご紹介させていただいておりますが、これまで自主上映などで全国で上映され、山形の貴重な食文化を伝えています。こうした映画もぜひ有効に活用し、山形ならではのライフスタイルを発信していただきたいと思います。
また、鶴岡、庄内山形の地域づくりとして、出羽三山とのつながり等の文化、里山里海里川の生活文化を生かしたブランドの確立をすることが重要と考えます。しな織り、養蚕から製糸・製織・捺染(なっせん)まで、絹製品生産の一貫した工程を有する国内唯一の地域としての特徴をより活かして、デザイン化、ブランド化についての支援、また、山形の手工業を一同に介したモデルルーム展示など。新しい見せ方を工夫していただきたいと存じます。
以上、人口減少対策として、山形ならではの自然資本、伝統文化、人的資本を総動員して魅力を最大限発信すること。そして、魅力を感じた方々に、空き屋等を利活用した住まいの提供。ワークショップなどを通じて住民としての役割をもてるようなコミュニティづくり。地域課題を解決するコミュニティビジネスなど「ナリワイ」としての仕事など、新しい働き方も含めた仕事づくりなど、課題を解決する中で、移住、定住とつなげられる仕組みを構築いただきたいと存じます。(参考 島根県邑南町)
又、地域の経済を考えた際、農業県であり、豊かな自然環境あっての山形であることを踏まえれば、自然資本をベースとした「定常型経済」として「成長」よりも「成熟」型の経済政策として、基本的に徹底して経済(ヒト・モノ・カネ)が地域内で循環する「地域内経済循環」を向上する事が必要と考えます。県としてこうした地域内経済循環を示す指標を定めて、食、商工業、エネルギー政策などにおいてその向上に努めていただきたいと存じます。
4)教育施策に関して
●県立図書館の充実を
県内の公立図書館のお手本をみせるべき県立図書館の機能を強化が必要と考えます。まず人員として、正規の職員としての図書館司書が3名以上常駐する体制を組んでいただきたいと考えます。更に、歴史的な郷土資料などのデジタルアーカイブ化によって、山形の歴史、伝統、文化関係の文献資料については、どこでも誰でもアクセスできるようなしくみづくりを提案します。また、ビジネス支援図書ブース、リファレンス機能の充実化、更に、県主催の講演などを収録したもののVTRのアーカイブライブラリー、更に、県内の学校図書館を支援できるような仕組みの構築やスタッフの充実など、県立図書館の充実を提案します。
● 学校図書館の充実を
鶴岡市の朝暘第一小学校の学校図書館は、全国的に最も高い評価を受けている学校図書館の一つであります。学校司書が学校図書館におり、司書教諭が図書館に専属でいることにより学校図書館を中心に充実した「読育の場」をつくることを可能にしております。
先ずは、学校司書が特別支援校を含む全ての学校に配置される事を目標に学校図書館の充実をはかっていただきたいし、司書教諭についても専属でいれる仕組みをより充実し、朝暘第一小学校の学校図書館をスタンダードとして県内の学校図書館の充実をはかっていただきたいと存じます。
また、司書資格をもつ学校司書についての待遇の改善を要望いたします。
● いじめ、不登校など問題行動の防止にソーシャルスキルトレーニングを。
いじめ、自死などの問題行動の根本解決をはかるには、児童生徒のコミュニケーション能力などを高める事が必要であります。セカンドステップなど東京都品川区などで実績のあるソーシャルスキルトレーニングを導入することにより、児童生徒の共感力などのコミュニケーション能力が高まることが知られております。こうした社会性と情動の学習(SEL)の研究では第一人者である山形大学 宮崎昭先生が身近にいらっしゃることもあり、今後の山形県の教育のカリキュラムの内外で、如何に導入し、展開すべきか、検討していただきたいと存じます。
● 県立博物館の充実について
博物館の学芸員の人員体制について それぞれの部門に正規の職員がいることは最低限確保すべきであり、山形県の博物館としてそれぞれの部門でテーマ性をもって独自の研究を充実していただきたいと存じます。
施設老朽化や時代のニーズに照らして、次の構想を考慮するべき時期にきていると考えます。今後の県立博物館の構想会議を県民参加型でオープンな場で行っていただきたいと考えます。
2014年4月に開催になった、三重県総合博物館が参考になるかと存じます。http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/about_MieMu.htm
5)エネルギー、省エネ政策について
●再生可能エネルギー政策について
地域の資源を使って流出したり植民地化という開発にならないように、以下の定義に基づき、地域の人々がオーナーシップをもって進める自然エネルギーの取り組みとしてのコミュニティパワーを優遇する政策を行う事を再度提言します。
1)地域の利害関係者がプロジェクトの大半もしくはすべてを所有している
2)プロジェクトの意思決定はコミュニティに基礎をおく組織によっておこなわれる。
3)社会的・経済的便益の多数もしくはすべては地域に分配される
(この3つの基準の内、少なくとも2つを満たすプロジェクトは 「コミュニティ・パワー」として定義されます)
現在、メガソーラーについては電力会社によって保留の状況でありますが、50kw未満の低圧については規制外であり、個人や民間でも取り組みやすいため、固定買い取り価格制度変更までの間、大いに情報提供、奨励していただくよう、提言するものです。
● 省エネ政策について
県のリフォーム補助金の活用は好調であると認識しております。山形県内の省エネ政策として最も課題なのは建築物、住宅の断熱性能であると認識しております。リフォーム補助金による省エネ改修が進んでいるとしても、これまでは明確な指標がないため、その効果は正確に把握できておりません。
2013年6月の予算特別委員会で提言したドイツ、EUの家の燃費制度(エネルギーパス)など、明確な指標をもって、インセンティブを高め、省エネ改修をより実質的に進める事が必要だと考えます。
2014年4月から長野県では、住宅を建てる前に「家の環境エネルギー性能や自然エネルギー設備の導入を検討すること」が義務付けられています。こうした制度を参考に山形の家づくりにも明確な省エネを促すエネルギー性能、再エネ導入を促すしくみづくりを検討していただきたく要望いたします。
6)福祉政策について
●共生型デイサービスについて、
赤ちゃんからお年寄りまで障がいの有無に関係なく地域密着のケアができる共生型デイサービスについては、富山県で20年以上の実績があり、国もその効果などを認め、被災地などでの普及を支援している実状があります。当初富山型福祉サービス推進特区」において適用された特例措置は、障害児(者)の通所サービス(生活介護)が平成22年6月に、宿泊サービスが平成23年6月に全国で実施できるようになり、平成25年10月には児童発達支援、放課後等デイサービス(旧児童デイサービス)が全国において実施できるようになりました。
富山県では中学校の範囲でこの共生型ケア施設が設置されることを目標に200件を目標に整備が進められています。静岡県、高知県、熊本県、長野県
などにも拡がっている取り組みであり、11月2日の国会でもとりあげられています。山形県でも一部基準該当での類似の取り組みが見られ、現場の声を聞いたところ、利用者にはとても好評とうかがっております。昨年度より取り組みの提案をしていますが、子供、障がい者、高齢者に渡る横断型の担当がいてはじめて取り組める施策ではないかと感じてもおります。今、全国に拡がりつつある地域密着型で互いに機能改善などの効果も認められている共生型デイサービスの普及について充実を求めます。
7) 最上小国川ダム事業について
流水型ダムでも環境に影響すること、ダムによらない治水は可能であり、より未来にわたり有利である事が複数の科学者によって立証されております。
これらはこれまでの検証や協議の中では明らかにされていなかった新たな知見であります。こうした知見に対してなんら説明責任も果たさずにダム事業を進めることはできないと考えます。これらの知見に対して説明責任を果たす場を設け、疑問をもつ科学者や県民に対して説明責任を果たされるよう要請いたします。
漁業補償締結について、小国川漁協の特別決議では、漁業行使権をもつ関係組合員に対する補償締結はおこなわれておりません。「漁業行使権」を財産権として認めないとする県の姿勢は漁業法143条と全く整合性がとれません。実際に現在、漁協行使権の侵害を訴えている者がいる中で、これを無視してのダム着工は法的に許されないことであります。漁業行使権者に対する協議の場を設定をし、漁業補償についての協議を行うことを要請いたします。
最後に「ダムをつくってもダムのない清流を目指す」とした漁業振興プランは今や科学的にあり得ないことであり、大きな矛盾を抱えております。又、森里海川連環をうたいサクラマスをシンボルに「豊かな海作り大会」を開催する当県において、サクラマスの重要な産卵場所である小国川の自然を改変する小国川ダム事業を行うことは、完全な矛盾ともとらえられる事であり、避けるべきであると考えます。
全国の屈指の清流として鮎釣りだけで年間3万人もの釣り人が来る清流。縄文の女神の時代からこれまで全国屈指の清流環境を活かして地域を営んできた先人の営みと、又、もしダム事業をおこなえば、この恵みが享受できずに大きな矛盾を抱え続ける流域の未来世代の事を考慮し、更に最新の科学的知見を熟考していただきたいと考えます。そして「時のアセス」として、今この時代での見直しを行っていただくよう要請いたします。
来年全国大会開催! グリーンツーリズムと食文化観光についてー12月商工労働観光常任委員会
草島
●鶴岡市は、12月1日にユネスコ創造都市ネットワークの食文化部門で、加盟が認定されました。食文化の加盟は、国内初、世界で6番目の快挙であります。食文化創造都市ということとなりました。
そのことと、山形DCでは鶴岡市は、加茂水族館と出羽三山、おかげさまで大活躍できたと思います。感謝申し上げます。
私は、観光立県というのは非常に大事というか、今、人口減少、地域消滅といわれているその課題を解決するのは、観光から、移住というものを促していく、そのスキームの中で、人口をとりもどしていくという流れが重要と考えています。
食と観光というところで、今、食を超えて、農的暮らしとか、農的体験、としてグリーンツーリズムがあるわけです。私は、このグリーンツーリズムの動きということでは例えば長野県飯田市ではワーキングホリデーの仕組みをつくって、長期滞在をしながら、体験をする。そして移住につなげるというところまでいっていまして、大変重要な政策であると思っております。
来年、庄内を主会場にグリーンツーリズムの全国大会がおこなわれるということを伺っておりますが、このグリーンツーリズムの動きについて伺いたいと思います。
武田観光交流課長
グリーンツーリズムのご質問ですけれども、
まず農山漁村では人口減少、高齢化ということにともなって、地域コミュニティの活力が低下しているという状況があります。その一方で都市部に生活している方々は農山漁村に癒しとか安らぎとかを求める。確かに農山漁村のもつ豊かな自然とか食、そして、その景観とか、いろんなものが安らぎや癒しにつながっているということがありますので、そういうものを活用して、都市と農産漁村が交流をすることで、お互いが共生していく。というグリーンツーリズムはより推進が求められていると認識しております。本県の場合ですけれども官と民とが一緒になって、山形県グリーンツーリズム推進協議会というのをつくっておりまして、それを核としてグリーンツーリズムの情報発信とか実践していく方々の向上とか組織作りとか、都市と農山漁村との交流活動、体験型活動の支援をしておりまして、直売、農家民宿、農家レストランとか、農業体験、観光農園など、いろんな取り組みが展開されております。近年の状況ですけれども25年度の全体のグリーンツーリズム関連の来場者数が推計して884万人ぐらいということで、グリーンツーリズムの交流人口は年々拡大してきているということであります。
こんな中でグリーンツーリズムのネットワークの全国大会が来年山形で開催されるということになりました。10月を予定しておりまして、全国大会としては14回目となります。この全国大会では、県内のグリーンツーリズムの実践者、関係市町村、県が組織する実行委員会が大会を主催しまして、食ということを大会テーマといたしまして、1日目は県内8箇所で在来作物の収穫体験とか、郷土料理の調理体験とかをしていただき、2日目は庄内に集まっていただいて、全体会を開催すると言う予定になっております。大会には全国から実践者とか行政関係者とか約500名の参加が見込まれておりまして、これを機会に全国の優れた先進事例を学ぶことができるとともに、食を通した参加者の交流、地域の活性化が大いに期待されると思っております。全国大会を契機として本県のグリーンツーリズムの推進をはかっていきたいと思っているところです。
草島
ありがとうございます。山形の基幹産業の農業と観光を結ぶということは極めて重要なところと思っておりまして、農業的にはコメの問題があって、この冬大変な思いをされている農家の方々がいらっしゃる。そして在来作物は、最近脚光はあびてますけれども、10年後にその姿があるのかというと、みんな生産者の方々は危機感をもっている。在来作物研究会の研究者の皆さんも「いつまでこの姿があるか」ということで危機感をもっている。
私は、それを単なる生産者と消費者という関係性を超えた関係というか、もっと交わりあって支え合うようなことがこのグリーンツーリズムなどを通じてできないものかと考えているのです。実際、都市生活者にとっては若い人達でも農的体験や農的暮らしのニーズは高まっている。それはやはり、一つ、提案をしたいんですけれども、
「次世代に残したい山形の食文化遺産」と銘打ってですね。一つ一つの在来作物が消えないように。また、私としては松原アユもその中にいれたいんだけど、実は、在来作物についてもっと危機感を持ちながら、向き合ってもらいたいと思うんですよ。米についても危機であるわけで。それを課題解決できるような絆というか、交流というものをそれをグリーンツーリズム等を通じて、築きあげていけたらいいんじゃないか。と改めて思うし、先ほどもうしあげた、移住のところまでつながる仕組みという事で飯田市というのは、全国でも注目されているグリーンツーリズムの取り組みなんですが、そういったことも踏まえつつですね。
高い目標をもって、まさに、山形ならではのグリーンツーリズムのカタチを展開していただきたいと思うんです。いかがでしょうか。
武田観光交流課長
本件のグリーンツーリズムの特徴として。農林水産の生産物があるそれも高品質ものがある。ということ、農山漁村にある景観文化、温泉、宿泊施設など多用な地域資源を使った体験ができるということとともに、おもてなし力というのが高い。高いからといっても安住するわけではなく、更に高見を目指して取り組みをすすめているわけですが、まさに顔が見れる人と人との交流であり、心から受け入れるそういう風なおもてなしをしている。というのが本県のグリーンツーリズムの特徴であろうと。これが、本県の山形的グリーンツーリズムとして情報発信しておりますし、しっかりと受け入れてリピーター増につなげている、とらえております。これは海外の方ですけれども台湾の方が、飯豊の中津川の宿舎にいって、2泊するうちに本当に家族のように受け入れていただいて、別れがたくて、涙ながらに帰って行く。それがまた、話題を呼んで、旅行商品をつくっていくところは、台湾で賞をもらいましたし、中津川は受け入れ側としてこのあいだ賞をもらうということでそういう風にメリットもあり、お互いの心が通った交流ができているというところが評価されていると思います。このようにやはり心の通ったおもてなしができて、本当の意味での交流ができるというということが、消費者と生産者をむすびつけていくということにもつながっていくと思いますので、そこのところは今後もしっかりととらえてグリーンツーリズムの推進をはかっていきたいと考えております。
また、次世代のための食文化遺産、伝統野菜につきましては、農林水産部の所管でありますので、そういうところとも連携をしてとりくみをしていければ、と。観光面でできるところはやっていきたいと思っております。
ありがとうございます。ぜひ来年の全国大会含めてですね。ランクの高いグリーンツーリズムといったらいいのかな、いろいろ今まで取り組みはあったのだけれど、民宿ありますよ。ということろでとどまっていると思うんですよ。それはやはり、この地域の農業を支えるための非常に重要な政策なんだということを、ふまえていただきながら展開していただけたらいいのかと思います。
今、課長おっしゃったような、人とのつながり、感動すること。グリーンツーリズムには2つのつながりがあって、一つはいい農産をつくる人、生産者とのつながりというのがありますよね。それと体験によって自然とつながる。これはまさに都市生活者は自然欠乏症のようになっている方々がそこで救われるわけですよね心が。そして生産者側はファンになってくれた方々が支えてくれる。いつも消費してくれる。そんな関係を結ぶことによってお互い、いのちが喜ぶ暮らしといったらいいか、そういうものにつながっていくんじゃないか。と思っているんです。僕は観光というのは「感じる、幸せ」と書いた「感幸」にしたいとずっと提唱してきておりますけれども、幸せづくりというのを来る人といる人とで一緒につくっていくみたいな、山形のグリーンツーリズムというのは、そういう事ができるんじゃないかと思いますので、ぜひ今後とも取り組んでいただきたいと思います。
もう一つ、食ツーリズムについてですけれど、価値を高めるというところも大事なところだと思います。今、先ほどもおいしいものがいろいろあるよとお話されていました。ここで提案したいのは、1万円ランチ。これ北海道でやりました。はじめはバカにされていたようですけれども実際には大変成功しました。やはりそれからお手本にしたいのは能登丼ですね。3000円ぐらいの丼ぶりが地域いろんなところにあるんですよ。それも3000円ぐらいです。だから生産者が本当に手をかけたものを、いろんな一級のシェフたちが山形でつくったもの。これがメニューに並んでて、行ったら絶対間違いないというものを山形のキラーコンテンツとしてもってもらいたいんですよね。これは、今回ユネスコの創造都市ネットワークで日本ではじめて、食文化創造都市として登録された。それも日本の食「和食」が世界遺産登録されていますから、世界的に今注目されているわけです。そこで、より鶴岡市だけではなく山形県として、しっかりとしたコンテンツを発信してもらいたいんです。1万円ランチというのは一つの参考にしていただいて展開していただきたいと思いますが、価値を高めることによって裾野がひろがっていく。これまでよくB級グルメという話があったわけですけれど、今ちがうんですよ。A級グルメのところ、島根県邑生町などがそうなんですが、そうしたところが地域活性化しているのです。山形でやるならA級グルメでトップ目指して食のツーリズムを展開していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
観光
食についてですけれども、食のレベルは高い、それを更に高めると、いう風なことで観光素材としても更に魅力をアップするというお話と思います。さきほど羽黒山に若い女性がいっぱい来ていると言うお話のときにご縁年で、しかも蜂子の皇子のご開扉がありましたけれども、更に「東の奥参り」として若い人をターゲットとして特別に合祭殿の前の神聖な鏡池に願いを込めた鏡を奉納できるという儀式を特別に、昔あった神事を更に特別に再現をするということではじめた。そのときには、山伏さんに案内をしていただいて、奉納して、それから正式参拝をして、更に精進料理を食べるというところまでついている。その精進料理も、いろんなランクがありますけれども、結構高級なものでも人気を集めて、しっかりとお客さんにおいでいただいているというものがあります。また、庄内のほうでは来年ポストDCで、フレンチということですけれどもそれぞれ地元の市町村の方、飲食店の方、今回のユネスコの食文化都市の認定の関係を受けても地元でもいろんな事を考えていらっしゃると思いますので、観光面の県といたしましても、しっかりと、いいものをつないでいく。情報発信するなどする観点で支援をしていきたいと思っています。
草島
ありがとうございます。では次にうつります。
商工労働観光常任委員会12月 公衆無線LANの整備についてーインバウンドを見据えて
草島
最後に。来年日台湾のイベントもありますし、出羽三山の観光、インバウンドでどうするかということも含めてなんですけれども、やはりWIFIの環境が課題だと思います。山形県内のいろんな観光地。まず、いろんなところで使えるようになっていることと、どこで使えますということがわかることや、あと、これは、神戸WIFIとか京都WIFIなど、簡単にパスワードをいれると全域でどの企業であっても、つながるように、自治体とNTTなどで連携してシステムをつくりあげているわけですよね。実は台湾、香港では当たり前であって、日本はかなり出遅れているということで総務省のほうも危機感をもって対応しているらしいのですが、山形県でのWIFIの実状、まずどういう風に把握しているか。で、今後、ぜひともやっておかなくてはいけない事と思いますがどういう風にとりくまれるのか。伺います。
武田観光課長
WIFI FREE、無料公衆無線LANですけれども、NTTのものが情報として公開されていますけが、光ステーション。ですが、県内1900箇所ぐらいあります。レストラン、医療、ファッション関係、ショッピング関係、宿泊施設、コンビニエンス施設。などで1900箇所ということであります。ホテルなどでは使える状況になっておりますが、温泉旅館のほうでは全くないところとか、ロビーだけあるところだけというところがあって、そういうところに設置をすすめていかなければということで9月補正でお願いをいたしまして、順次支援もしながら整備を進めるということでやっております。来年度以降につきましても日台観光サミットもございますし、外国人の方の使い勝手ということを考えまして、更に拡大していけるようにしていきたいと思っております。また市町村のほうでもいろんな海外の大会などを機に公衆無線ランを入れているということで順次整備は進んできているということだと思いますが、まだまだ足りないので、行政民間みなさんと一緒に整備を進めていかねばととらえております。
さらにご紹介いただいた事で、外国人の方がどこでも旅行期間中使えるようにということでは、カードでパスワードをお渡しして県内各地でつかっていただけるように、県内で10箇所程度で配布もしております。
それがどこで配布しているかとか、どこで使えるかという情報もネットでは出しておりますが、まだまだ十分に行き届いていないのではないかと思っておりますので、どこで使えるか、どこでカードをもらえるか、まずは設置をクリアするかとか。の周知を更に強化しかなきゃならないと考えております。また、さきほど、自販機の話をさせていただきましたけれども設置費用も維持費もかからないということでメリットがあると考えております。ただ一定の販売量がないといけないとか、設置場所にも制約があるとか、条件が整えばと言うことになるかと思いますが、例えば道の駅、であれば県土整備とタイアップして推進をはかっているということでございます。
草島
ICTを観光に活用していくかと言うことになると思うんですが例えば出羽三山、今回12月31日、ぜひ皆さんおいでいただきたいのですが、今年重要無形文化財にも指定された松例祭あります。この中身。なかなか外国人の人達になんでこういう事やっているのか伝えるのがとても難しいんですよ。こういうコンテンツをもしWIFIが整備されていたらスマホで流すことができるし、変な看板つくらないで済むわけですよね。そういうことを考えるとそれぞれのコンテンツをしっかりと掌握していただいたり、いろんなかたちで活かせると。それからWIFIがないと本当に動けない外国人の方々がやってくるんですよね。で、やはり京都の取り組みのように、実に参考にしていただきたいんですが、面的にどうカバーできるか。それと、観光で行く場所。出羽三山神社。仏閣、観光で訪れそうなところにあるのか。無線lan、無料で簡単に使えるもの。是非チェックしていただきたいと思います。今、おっしゃっているのは点でしかないんですよ。点で使えるのはもちろん増えることが望ましいのですが、面としてどうカバーできるかということがこれからとても重要だと思いますし、来年サミットに向けて私は一番やっておかきゃないけない基盤整備づくりだと思いますので、ぜひお踏まえいただきたいと思いますけれども、これ部長いかがでしょうか。
大沢部長
先ほど以来、武田課長がお応えしているように、この問題の重要性というのは私どもも認識しておりますので、今年度の補正、来年度の予算も含めて、有効な基盤整備ができるように、しっかりと検討してやっていきたいと考えております。
商工労働観光常任委員会12月 山形DCの効果の評価と出羽三山、加茂水族館の振興策について
草島
次にDCの関係の効果ですが。先日発表会もいかせていただいて、課題の中で、やはり観光地にいっても隣接の市町村で波及がなかったということだとか、周遊させる仕組みのようなところが課題となっていますけれども、そうした課題については今後どういう風に展開していくのか。伺います。
武田交流
やはりものすごく人気が高い。例えば加茂水族館。あれだけ多くのお客様が来ていただいているわけですので、そこから更に山形のちがう魅力を感じていただきたいというふうなことで、例えばDC期間中でも加茂水族館の半券を」持って行くと致道博物館の割引になるということなどを考えてできるだけ波及効果が及ぶようにというような取り組みを進めてきたところです。そうはいってもものすごく、絶対的にアップしておりますが、その中でもアップしたところとアップ率が低かったところがありますので、できるだけ、多くのお客様においでいただいたら、そこからいかに山形の魅力をもっと考えて周遊していただけるかということをポストDCにむけてはおこなっていこうと。いう風に考えているところです。例えばその、今回のDCあった中で、テーマ、ターゲットをもってやったような企画というのはしっかり周遊もしていただけて、お客様もおいでいただいた。一つの例でいうと、国宝の同時展示。三寺参り。ですね。山寺、慈恩寺、じゃくしょうじ。をまわっていただく若い女性をターゲットをしっかりしてつないでいったものについては周遊ができているととらえておりまして。テーマ性をしっかりともってお客様を周遊していただけるようにすると言うことで、市町村内でつなぐのはまず市町村でご検討いただき、市町村と市町村をつなぐのは総合支庁のほうで、またそれをつなぐのは、県のほうでということで、今、そういう方向でポストDCにむけて、様々な産業観光ですとか縁結びですとか、美術館、博物館ですとかそういうテーマ性をもって準備を進めるということで、民間の皆さんとともに進めていきたいと思っております。
委員長 成果が発表されて、経済波及効果125億円。と、それはわかります。。とありますが、ただしこれだけみても、次の戦略につながらない気がしてて、よりですね。さきほど石黒さんもおたずねになった、何歳ぐらいの方が来ているとか、どこから来ている人が実際に多いのかとか。実は庄内支庁のほうでとりくみがあって、例えばモニタリング9月にやっているわけですよね。県外客88%占めていて、首都圏が最も多くて、隣県だと秋田県、宮城県、、とあるわけですけれどこうした詳細があって、僕らこれを見ないと、どうしたらいいかわかんないと思うんですよ。これは全県的にまとめたり、サンプリングとったりされているんでしょうか。この委員会でも今までにないような統計の取り方しましょうよ。と前回も言ったと思うんですがそういうのはどうなんですか。
武田
サンプリング調査は実施しておりますが、業者に委託しておりまして、その結果はまだできておりませんで、別にDCだけということではなく、定期的に3ヶ月に1回、とかアンケート調査を実施しております。庄内のほうでは、独自に職員の方が10地点ほどでやったということ、で県外客が、庄内のほうは県外客が多かったということでこれは、県内全体での統計というよりは、傾向が見えるところがありまして、隣県から来る方が多い施設とか、それから50代以上のシニア層がきている、若い人が来ている。どういう企画をしたかに対してどういう方がおいでいただいているかということは、まとめてしまうとぼやっと見えなくなってしまう。それは施設ごと、あるいは地域ごとの分析ということに成ろうかと思いますので、それはそれぞれの地域で分析しているところがあって、さきほどざっくりお話しましたけれども、、、それぞれ各地域でも DCの成果を踏まえて、課題とか分析について地域委員会を実施しておりますので、そういう結果を踏まえて、更にそれぞれの地域でもポストDCに向けてどういう風にやっていくかというのを考えていくという状況でございます。
草島
加茂水族館、出羽三山。加茂水族館63万人いっている。出羽三山も特に蜂子の皇子のご開扉が大変人気で18万人とも伺っている。来年度こうした資源をどういう風に活かしていくか。県としてどのように考えているか。伺う。
武田観光交流課長
まず、加茂水族館も出羽三山もそれぞれどちらも地元でどのような取り組みをしようとしているかを踏まえて支援をしていきたいと考えております。加茂水族館のほうでも今年もウエディングをやってみたりとか、湯野浜温泉とタイアップして閉館してから、ナイトツアーとかいろんな企画も、このままではということで考えていらっしゃって取り組みを進めていらしたみたいですので来年度もいろんなアイデアをだされてくるものと思っております。加茂水族館にいらしていただいた方を更にいろんなところに周遊していただくまた他のところに来ていただいた方に加茂水族館の情報をお伝えしていくということも県としてはしっかりと発信をしたいと考えています。
出羽三山ですけれども、蜂子の皇子のご尊像ご開扉はやはりこの年、午年ご縁年というのは今年限りとなりますが、来年も羽黒山五重塔ライトアップは考えていらっしゃるということでありましたし、先ほど申し上げた東の奥参り、若い女性をターゲットにした。これは引き続き、今年の成果を踏まえて更にPRをしていくということでお聞きしております。特別の羽黒山について、ご縁年というのはないですが、羽黒山は、杉並木、ミシュラングリーンガイドジャポンの三つ星という価値をもっているところでありますので、しっかりとPRをして国内外からお客さんを呼んでこれるようにと、言うふうなところかと思います。月山神社ですけれども、20年に一回の式年遷宮が今年おこなわれて、来年の開山祭で一般にお披露目するということでもありますし、湯殿山のほうでは、大日坊と注連寺で、表が丑年ご縁年、裏が羊年ご縁年ということで来年裏年のご縁年でご尊象をご開帳するということもお聞きしておりまして、ガイドブックとかホームページをつかって積極的にPRしていきたいと考えておるところです。
草島
ありがとうございます。加茂水族館については、今どうなっているかというと、一日200人ぐらいの来場だそうです。だから、ゆっくり観れる。ただ、アシカショーはありません。ということですけれども、ゆっくり観れて、もう一つの魅力は、あそこに非常に優秀な板前がいるんですよ。夏は忙しすぎてあまり活躍できなかったかもしれませんが、今じっくりですね。庄内のあそこで泳いでいるお魚、もちろんそのまま使うわけではありませんが、同じ種類の魚の料理を提供していると。これから寒だらも出すようなので、逆にPRしていただきたいと。これは、実は水族館でまた100万円かけてテレビに宣伝うったらしいんですね。こうした柔軟なやり方というのが館長の腕だと思うんです。で、加茂水族館でいうと、いろんな山形県内のミュージアム、観光施設あるわけですが、ああいう機動力で動けるような仕組みをいかにつくれるかだとおもうんです。加茂水族館のように自由に動く事を奨励できるようなしくみは実はなくて、いろんなかたちで独自に努力している あの運営スタイルがあるから、これだけの成果があがっているんだということを改めて掌握していただきながら、じゃ、県内の施設を活性化するにはどうしたらいいかということで活かしていただきたいと思うんです。そこをぜひこれは観光サイドだけではなく教育委員会の話になるかもしれませんけれどもぜひお願いしたいと思います。
出羽三山、羽黒山でいうと、今年は、NHKの海外放送で修験の体験そのものが発表されました。1週間の秋の峰という他に、3日間の体験が毎週おこなっているんですが、若い人、女性も相当訪れている。これをしっかりと把握していただきながらですね。これからの発信に役立てていただきたいと思います。
26年度一般会計補正予算の内、最上小国川ダム関連事業について反対討論
議199号平成26年一般会計補正予算の内、最上小国川ダム建設事業関連について 反対の立場で討論いたします。
人口減少、地域消滅と言われる時代になりました。
この時代に私が最も大切にすべきことは、
山形にしかない価値や魅力を絶対に失ってはならないという事であると考えます。
なぜならそれが、今後の観光立県を目指す上での観光客をひきつける。また、都市生活者の移住を促す必然性だからであります。
最上小国川。
縄文の女神の時代から現在まで、小国川上流部のブナ原生林から日本海まで、100キロの森里海をつなぐダムのないこの天然河川は、まさに生物多様性のいのちのゆりかごであります。これこそ山形県の自然遺産であり次世代に手渡さなければならない宝であると考えます。
今年になって、流水型ダムでも環境が悪化し、流域のアユやサクラマスの生態に影響を与えうる事が最新の実例などによって明らかになりました。
そして、流域の安全安心の確保は、赤倉温泉街の河道改修によって十分に可能であり、ダムよりも有効な治水ができるということが立証されています。そしてそれにともない温泉街の再生をおこなうことこそ、持続可能な流域に貢献しうることが提言されています。
県は、こうした重要な科学的知見を排除し続けてきたことが確認できました。
更に県の、「漁協組合員には財産権などの権利がない」という姿勢は、「漁業を営む組合員の権利は物権的性格を有する。として143条をもつ漁業法に照らせば 漁業法の精神から完全に逸脱した違法行為であります。
「ダムをつくってもダムのない川以上の清流をつくる」とした県の漁業振興策は、これまで営々とつちかわれてきた、川の力を活かした漁業振興の歴史にピリオドをうつものであります。
そしてその振興策は、本当に小国川を愛する川漁師や釣り人、そして川で遊ぶ子供達には、詭弁でしかありません。
ダム撤去や流域治水を実践し、天然河川をとりもどそうとする世界の潮流とも矛盾するものです。
今、山形の価値を更に高め、世界に発信していかねばならないこの時代に、そして2年後、「森は海の恋人」をうたって「豊かな海づくり大会」を開催するのであれば、時代に逆行し、山形ならではの自然資本を破壊するダム開発は見直しすべきであります。
以上、反対討論とします。
商工労働観光常任委員会12月 バイオの安全管理とDIOジャパン問題について
草島
●バイオ関連施設の安全管理について以前、立ち入り調査ができるような安全管理の仕組みが必要なんじゃないか。となげかけておきました。検討するという話でしたが、その後の状況を伺います。
● バイオの安全管理でございますけれどもスパイバーの昨年11月に試作研究棟が完成し、その地、今年9月にはいりまして、第2試作研究棟に着手しています。バイオの安全管理につきましては、鶴岡市、スパイバー株式会社、小島プレス株式会社との3者で環境に関する覚え書きを今年度5月30日に締結しています。その中の申し合わせ事項の中で、専門知識者をともなった立ち入り確認をすることができるとの申し合わせがありまして、それは3者で申し合わせが確認できている状況でございます。その立ち入り確認にいたしましては、スパイバー、業者の事業進捗の状況 今ちょうど第2件目が建設中で、その建て屋の完成が来期に移設する試作研究装置類が完成する予定の年度末までには立ち入り確認を行う方向です。県は立ち入り確認に協力するかたちで立ち入り調査の際、一員として確認します。
● 素晴らしい研究なのは承知しております。ただ、LS1の遺伝子組替えの大量の微生物を扱う施設であることを意識し。バイオセイフティーはきちんと行政的に管理していただきたいと思います。
DIOジャパンの関連。雇用関係はどのようにカバーできていますか。
▽ DIOジャパンのコールセンター 問題。鶴岡コールセンターにつきましては、本園の7月をもって閉鎖ということで、元従業員の方々の就職問題が生じたということ。閉鎖にともなって解雇された方々は21名いらしたわけですが、そのうち、求職者としてハローワーク登録された方は20名いらっしゃいます。11月8日現在ですがそのうち13名の方々が再就職された。とお聞きしております。未払い賃金などの問題については、国の制度によって8割については立て替え払いの申請者に対して支払いがなされた。ということで2割は親会社に対してDIOジャパンに他は申請している。と。
それからですね、13人の他の方も、残りの方も就職活動されており、10月22日鶴岡市主催の求職面接会ワークチャンスがおこなわれた。求職者全員に対して事前に声がけをおこなった。とお聞きしております。22日の参加の関係者の参加は2名と伺っております。
● まだ就職できていない方もいらっしゃいますので、引き続きしっかりフォローアップお願いします。
山形県内に影響を及ぼしうる放射性廃棄物処分場問題と原発再稼働について
草島
3.11のもう一つ大事な教訓は、日本国内に第三の被爆をもたらした「福島第一原発事故、原発政策であります。福島からの避難者の立場に立ち「卒原発」を滋賀県のかだ元知事とともに当初から掲げ、再生可能エネルギー政策に邁進されてきた吉村知事の姿勢は大変評価するものです。そこで、この関連を質問します。
●ここで、この関連を伺います。
2 原発事故で発生した放射性廃棄物の処分と原発再稼働に関する考え方について
(知事)
山形県境から1.4キロメートルの宮城県加美町に、東日本大震災に伴う原発事故で宮城県内に発生した8,000ベクレルを超える指定廃棄物及び稲わら等の農林業系副産物を焼却したことにより8,000ベクレルを超える指定廃棄物 8,700トンを最終処分する候補地が環境省によって検討され、現地で大きな反対運動が起きております。
現地に参り、加美町長にも実状を伺いに参りましたが、県境には分水嶺があり、また、強風が吹くところであり、もしも福島県鮫川村などで起きた事故などが発生したりすれば、風向きによっては、汚染は最上町や尾花沢市など県内隣接地に、さらに、水系を伝って広範囲にも及ぶことが想定されます。
また、県内にも少量でありますが2.7トンの指定廃棄物が保管されており、これは山形県内で処分する計画と伺っております。
こうした廃棄物の処分については、国際的な基本としても排出者責任が大原則であり、国の循環型社会形成推進基本法第11条1項にも、排出者(国、東電)が自らの責任でその排出した廃棄物等について適正に循環的な利用又は処分等をすべきであるとの責務を規定しています。
県内への影響を未然に防ぐためにも、福島県の東電敷地内へ戻すことを求め、国の特別措置法に基づく基本方針の見直しを県として働きかけるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
知事
福島第一原発の事故では、ひとたび原発事故が起こればその影響は風評被害を含め、極めて広範囲に、そしてこれからの将来の幾世代にも及ぶということがわかりました。福島第一原発の事故で発生した、放射性物質濃度が1KGあたり8000ベクレルを超える指定廃棄物の処理につきましては、放射性物質汚染対象特別措置法に基づく政府の基本方針において、指定廃棄物が排出された都道府県内で行う事とされております。大量に発生している宮城県など5県につきましては、環境省による最終処分場設置に向けた検討、調整がおこなわれております。そのことに対して、地元の強い反対があり、調整が進んでいない状況にあると言うことを認識をいたしております。宮城県におきましては、栗原市、加美町、大和町の3箇所が候補地となっておりまして、加美町に設置された場合の場所は本県の県境の最も近いところでわずか約2キロメートルほどであります。処分計画では仮焼却炉での稲わらなどの焼却も含まれておりますので、隣接する尾花沢市において、風評による影響を懸念し、議会で反対する旨の意見書が採択されておりまして、私としましても懸念をしているところであります。政府においては候補地をはじめ、こうした不安の声を受け止め、設置場所の検討だけでなく、処分方法の安全性の確保と説明をしっかりとおこない、本県の周辺自治体の理解も得ることが不可欠であります。県としましては、県内の指定廃棄物の処理も含め、政府における検討調整の動向を把握し、関係市町と情報を共有しながら、その考えを十分に踏まえて対応して参りたいと考えております。
草島
ありがとうございました。ぜひ排出者責任が大原則。こういった事を踏まえていただき、毅然とした態度で向かっていただきたいと思います。
(原発再稼働について)
現在、政府は、鹿児島県川内(せんだい)原発をはじめ原発再稼働を着々と進める意向ですが、北欧などで常識であるコアキャッチャーや二重隔壁の整備はなされておらず、核のゴミの問題は未解決のままであります。このまま再稼働することは絶対に許されないことと思います。
山形県は、福島原発、柏崎原発、女川原発のいずれも半径250キロメートル圏の被害想定区域であることを踏まえ、原発再稼働に関する知事の考え方を伺います。
知事
原発の再稼働についてでありますが、私は、我が国は地震国であります。福島第一原発事故の検証をしっかりと行った上で、国民の不安を払拭していくことは重要であり、安全を第一に慎重にも慎重を期す必要があると申し上げて参りました。せんだい原発の再稼働につきましては、原子力規制委員会の審査や地元薩摩川内市と鹿児島県の同意の下、再稼働にむけた準備が進められているわけでありますが、再稼働に慎重な県民や周辺自治体の意見もあると承知をしております。政府においては責任をもって最終判断をおこなうとともに国民に対して十分な説明をつくしていただきたいと考えております。
また、原発の安全性に対する国民の不安が払拭されていない現状と高レベル放射性廃棄物の処分の困難性を踏まえますと、政府においては次世代のためにも再生可能エネルギーの導入を着実に増やしていって、卒原発ということで卒原発に向けたエネルギー政策を進めていただきたいと考えております。
草島
ありがとうございました。卒原発の吉村知事の姿勢、これからもしっかりと貫いていただきたいと思います。これは再稼働についてもですね、やはり私が先ほど懸念した材料ありますので、しっかりとお踏まえいただき、今後もしっかりとした姿勢を保ち続けていただきたいと強く要望いたします。
山形県ー漁業行使権の侵害は刑罰の対象とする143条を如何に解釈するか?に回答なし。
(最上小国川における治水対策について)
① ダム建設に係る漁業補償に関する考え方について(農林水産部長)
草島進一委員
今般、9月28日の総代会の特別決議がなされました。しかしながら、漁業補償の締結について、県の姿勢に重大な問題があると考え、質問します。
漁業法第8条第1項に定められている、漁業協同組合の組合員がもつ権利である漁業行使権について、浜本幸「水協法・漁業法の解説」によれば、漁業行使権の性格は、物権たる漁業権に基盤を置く権利として物権的性格を有し、物権的請求権を派生できる権利である。すなわち、漁業行使権の権利の目的である漁業利益の実現が妨害され、又は妨害されるおそれがある場合には、妨害者に対し、妨害の排除又はその予防を請求しうる権利である、とあります。漁業行使権の侵害は親告罪として刑罰の対象ともなります。(第143条)とあり、
漁業法143条には、「漁業権または漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は、20万円以下の罰金に処する」とあります。
これを踏まえた上で、質問します。
県は、9月28日の小国川漁協の総代会決議の結果より、漁業権をもつ漁協が同意したとしてダムに着工しようとしています。しかし、漁協総代会の決議以降も、小国川漁協組合員有志の反対する声はとどまらず、違法性をとなえております。
去る10月31日、組合員有志はダム本体着工に全く同意しておらず、このままのダム着工は財産権の侵害行為であることを断言した上で、漁業補償等の算定根拠などの説明を求め、知事に対して協議を要請しています。
10月10日には、水産庁から県に対して、「話合いに応ずべき」と指導助言を行ったと伺っています。しかしながら、11月4日の記者会見で、知事は、「協議の必要なし」と言う旨の発言を行いました。さらに、要請をもって意見を伺ったなどとする担当課長の発言が報道にありました。
その後も、その姿勢が不当だとして、漁協組合員有志は、11月21日に再度同様の要請をおこなっています。
そこで質問します。
① まず、漁業補償の考え方でありますが、県は、臨時総代会の際に組合員から出された「漁業補償の締結については、関係組合員全員の同意が必要ではないか」との質問に対して、その必要はないと指導したようですが、これは、昭和47年9月22日漁政部長通知にある、「埋立事業等に伴う漁業補償契約の締結にあたっては、組合は関係する組合員全員の同意をとって臨むよう指導されたい。」に反しています。関係組合員全員の同意は必要ないと言える法的論拠を伺います。
② 県と漁協の間で締結した「小国川漁協は、漁業補償を自主的に放棄する」という趣旨の覚書は、漁業行使権をもつ組合員の権利を侵害する無効な協定であると考えますが、これに対する見解を伺います。
③ 財産権を侵害するには補償が必ず必要であり、補償なくして侵害することは違法であると考えますが、これに対する見解を伺います。
④ 113万円の補償に関する漁協の意思決定(理事会や総代会での決定・決議)は無権代理行為に過ぎず、財産権を侵害される者の追認がないと無効であると考えますが、これに対する見解を伺います。
以上4点について、農林水産部長に伺います
農林水産部長
漁業補償につきましては、漁業法では公益上の必要があって、行政庁が漁業 経営を制限するような場合をのぞきまして、特に規定することはございません。漁業補償を求める求めないにかかわらず、漁業補償契約は、県と漁業権を有する小国川漁協と私法上の契約でありまして、その結果、今回漁業補償を求めないことを含んだ、覚え書き案が、9月28日の臨時総代会において、特別決議として議決され、これを踏まえ、県と漁業との間で正式に覚え書きの締結にいたったものであります。また、ただいま議員のほうからお話がありましたけれども昭和47年の漁政部長の通達でございますけれども関係する組合員全員の同意をとってのぞむよう指導されたいという風にされておりますけれども、これは海面における第一種共同漁業権についての行政姿勢でありまして、紹介に対する実例というのが、ひとつなっております。
また、漁業補償契約の締結に関連しましては、すべての種類の漁業権につきまして、平成14年の政府答弁がありまして、その中で統一見解としまして、組合運営の円滑な実践のため、組合員の同意を事前にとっておくことがのぞましい。と考えるとされております。これは、水産庁としての行政庁としての技術的助言という位置づけとなってまいります。そういう意味で必ずしも事前の同意が法的に必要であるという風なものには考えていないところであります。
草島
今、おっしゃった、全員の同意をとらなくてもいい、。まず、第五種共同漁業権ですね。河川の漁業権にはならないというのは、水産庁に聞いてきた物と完全に異なっています。水産庁は種別に関係なく適応になるとうかがっておりますが、ちがいますか。
若松農林水産部長
この件に関しましては農林水産部でも7月に確認しまして、昭和47年の法についておっしゃっているのでしょうけれどもこれについては改めて確認なり、勉強させていただきます。ただ後段のほうの先ほど申しました望ましいというふうな指導については水産庁に確認しております。
あと次の、先ほどの2点目でございますが、覚え書き締結の法的効力についてでございます。
まず、小国川漁業に付与しております、第五種共同漁業権の設定につきましては、漁業法127条の規定によりまして、ひとつは当該内水面が養殖に適していること、二つ目は、かつ免許をうけたものが増殖をおこなうこと。のこの2つの条件を満たすことが必要となっております。この条件を満たすことができるというものは、組合員ではなく漁協という風なことになってまいります。また、平成14年に閣議決定された政府見解におきまして、漁業法においては第10条、第14条、第8項の規定によりまして、漁業共同漁業権を有する者は組合、または漁業共同組合連合会に限られるというふうにされております。‘これを踏まえますと、最上小国川を漁場区域とする漁業権は、小国川漁協が有しておりまして、漁業法第8条第1項の規定によりまして、組合員は漁業法を有する漁協が定める漁業権行使規則の範囲内において漁業を営む権利を有しているというふうなことになっております。今般の漁業補償にかかります、覚え書きは、県とただいま申し上げましたように漁業権を有する小国川漁協との間で協議を重ねた上で締結に至った物でありまして適切になされたものと考えております。
次に三番目のご質問でありますけれども漁業補償請求権の放棄と財産権の侵害についてでございます。漁業権の性質は、漁業法第23条によりまして、物権とみなし、土地に関する規定を準用するとされております。一般論といたしましては、物権である漁業権を侵害したものは、その侵害について損害賠償責任を負うことになります。具体的な取り扱いはとうしゅかんの話合いで決まるということになってまいります。県と漁協が締結いたしました、覚え書きの第七条、漁業法などの締結にいたしましては、漁業補償を要求しないとされておりますが、覚え書き第6条、漁場環境の担保の規定におきましては、将来に向かっては漁場環境への影響が発生したと考えられる場合、必要な調査、対策及び補償を求めることができるとしておりますので、内部的には適切であると考えております。
4番目もお応えさせていただきますが、
漁業補償にかかる漁協の意志決定につきましては、漁業権を有している小国川漁協が、定款に基づいて臨時総代会の特別決議で意志決定されておりまして、無権代理にはあたらないものと考えております。なお、補償に関する漁協の意志決定の過程で漁協においては、役員、支部長合同会議や各支部の総会などを通しまして総代や組合員に説明周知をはかりながら、適正な手続きのもとで手続きがされたものとしております。
草島
今の答えで行くと、漁業行使権というのは、物権つまり財産権には値しないということをのべていらっしゃるのか。と思います。とんでもない間違いだとおもいますよ。先ほど解説を引用しましたけれども、漁業行使権の性格は、物権的性格を有し、物権的請求権を派生できる権利である。そして、漁業行使権の侵害は、親告罪として刑罰の対象ともなりますともあります。これは今の説明でどう解釈するんですか。わたくしは、事前に委任をとるとか、魚種に関係なくおこなわなければいけないことであると水産庁からうかがっております。組合の指導として水産庁が望ましいを全くやらなくてもいいとこれは、改めて皆さんの努力不足というか曲解という感じもします。
この143条というのは、立法趣旨について、明治43年にですね、証明している文章があるんですけれど、漁業行使権が物権的権利であり財産権であることを証明しているものです。ということがあります。‘
私は補償もなくダム着工するならば、漁業行使権の侵害になって、143条の刑罰に処せられる可能性があると考えますがいかがですか。‘
若松農林水産部長
ただいま漁業行使権のお話がありまして、冒頭委員の質問の中で、逐条解説ですか、水協法、漁業法の解説ですか。その中で説明がありました。ただ、その中でご紹介ありましたようにその中におきましては法律上、漁業権のようにまず物権であると規定されていませんが、今おっしゃったように物権的性格を有すると。いうことで派生できる権利であるというふうなことであると、それにこの解説の中におきましては、どういう風なものを想定されるか。と言う風なことで、妨害か妨害される恐れがある場合には排除●●というふうなことで主分を守るというような意味会いの中身のものが罰則とともに規定されると言うことだろうと思います。一つでございます。あともう一つのほうは、同意をすべて求める必要がある。おっしゃられましたけれども、基本的には技術的指導ということでのぞましいということでありますので、それを完全に無視しているということではなくてですね。最終的には先ほどもうしあげましたけれども、漁業権という漁協そのものに帰属するということが明確でありまして、そこがやはり最終的に漁協としての総合的な判断として対処していると理解しているところであります。‘
草島
今ですね。漁業者で生計を営んでいる方が、権利の侵害を訴えているんですよ。これを無視したまま進めていいのかっていう問題なんです。漁業行使権を侵害するかたちでこの事業を進めていいのか。‘ということです。こうなったら、漁業権の侵害になって143条の刑罰に処せられる可能性は十分にあると思いますよ’今の解釈ですが、財産権は漁協にもあるんですが、漁業行使権者にも認められているんです。だから143条があるのではありませんか。この解釈は水産庁に紹介をしていただきたい。絶対におかしいと思います
人口減少、地方消滅回避策、最も重要視すべきは、地域ならではの価値を失わないこと。
今般の質問を振り返り、特にお伝えしたいこと。
人口減少、地方消滅が叫ばれる中、地方創世という時、私が最も大切にすべきは、地域ならではの価値や魅力を絶対に失っては成らないということであるということです。特に自然の環境や景観は、人の手ではつくれないし、一度破壊したら元に戻りません。
このポリシーに基づいて、私は小国川ダム問題に取り組んできました。
縄文の女神の時代からほぼ変わらない、ハコネサンショウウオがいる小国川上流部のブナ原生林から日本海までのダムのない100キロの森里海の連環をとどめる天然河川は、まさに生物多様性のいのちのゆりかごであります。
これこそ山形県の自然遺産であり次世代に手渡さなければならない宝ではないかということです。
今般の質疑では、県がずっと無視排除し続けてきた、アユ研究55年の研究者 川那部浩哉 京都大学名誉教授をはじめ先生方の最新の知見を紹介しつつ、結局、県の進める流水型ダムは小国川の屈指の清流にアユやサクラマスの生息環境や品質に悪影響を与えるといことをご紹介もうしあげました。
年間3万人の釣り人が全国から集う、ダムのない小国川の清流は、年間22億円の経済効果をもたらしている。これは3年前に近畿大有路研究室に試算していただいた自然資本の評価です。ダムで環境悪化すれば年間10億円ずつの損失につながるのです。
釣り人にとっては「ダムのない清流」はブランドであり、ダムができた川はその価値を完全に失います。
釣り人や、食通はすぐにウソを見破ります。本来の清流環境や、松原アユの味を失えば、瀬見、赤倉の旅館は更に衰退し、人口減少、地域消滅に更に拍車をかけることになります。
国際的な絶滅危惧種のウナギも、国内準絶滅危惧種の県魚 サクラマスも、その減少の最大の原因は、ダムで川を分断した事にありました。
今、熊本では荒瀬ダムを撤去している現状であり、米国では700以上のダムを撤去し、本来の川の力を取り戻し、漁業を再生させている。これが世界の潮流なのです。
先般「森は海の恋人」運動を京都大学森里海連環学講座の筆頭研究者である田中克(たなかまさる)先生とシンポジウム京都のパネラーとしてご一緒する機会に恵まれましたが、豊かな海を再生するためにも、川と海を分断するダム、防潮堤というコンクリート文明から、森里海の連環を取り戻し自然と共生する文明への転換こそ必要であることを共有しました
平成28年開催予定の「全国豊かな海づくり大会」は森と川から海へとつなぐ 生命(いのち)のリレー」のテーマでサクラマスがシンボルとなっていますが、最上小国川ダム建設で川を分断し、特にサクラマスの貴重な産卵場所をダムサイトとして破壊することは、この森里海連環の動きと完全に逆行、矛盾していると考えます。
今、岐阜県では、上流にダムのない「清流長良川とアユ」が世界農業遺産の候補地になっています。島根県ではダムのない清流 高津川で「森里海連環 高津川流域ふるさと構想」特区として地域振興が図られています。
流水型とて、清流環境を破壊する小国川ダム建設と「自然と文明が調和した理想郷」とか「海は森の恋人運動」は完全に矛盾しているし、「ダムをつくってもダムのない清流を目標として、ダムを前提とし川の力を失った上での「最上小国川清流未来振興図」は「本来の清流や川の力を活かす漁業振興」の時代に完全に逆行し、これからの時代に全く未来が描けないと思うのです。
もう一つ、環境影響の課題とともに排除され続けてきた、もう一点の不都合な真実があります。ダムに拠らない治水は可能だ。ということです。
現在、知事の裁量権を問う住民訴訟の裁判が行われています。その中で、以前県の河川改修工事で湯温の低下があり賠償がおこなわれた「金山荘事件」について、県提出の資料により温泉湯脈の温度低下と河道改修の時期が完全にずれており、関連性がないことが立証されました。さらに県は「できない」と主張してきた河床掘削などについて、湯脈に影響なく掘削は可能という事が、複数の温泉研究者により立証されています。
以前は住民が木組みでつくり、洪水時には土砂と共に流出していた堰を、県が今つくれば河川構造例違反に成るコンクリート堰にして土砂をせき止め河床が上がっている。この河床が高い状態では内水氾濫は根本解決できず、ダムがもし上流にできても危険であります。
そして今、赤倉温泉街は、中心部の旅館が倒産して1年半になり、全体的に老朽化しています。流域の旅館主からは、「今でさえも護岸が危険なところがあると以前から訴えてきた。でも全く県は対処しない。本当に安全安心を考えているのか。という声があります。
また他の経営者は、「息子」の代に継がすにも、現在のような規模では維持しきれない。河川改修に絡め規模縮小の改修工事ができるならば、それほどうれしいことはない。と言う声があります。
以前吉村知事は「歴史的な景観を守るために」ダムだと言及していたことがありました。それは違うのです。実態は、これからの時代にふさわしい旅館の改修を必要としているのです。
ダムによらない、河道改修による治水は、赤倉温泉再生の絶好の機会となります。
これによって洪水による被害を防げる流下能力が高まると同時に、内水被害の根本解決ができ、「ダムがない清流」というブランドを守り、老朽化で悩む温泉街を再生できる。
これが今年5月全国から集った科学者の総意でした。これこそ、今の時代のニーズに応え未来を見据えた価値を創造する公共事業であり、地域再生の千載一遇の機会ではないか。と考えるのです。
故沼沢組合長は「川本来の力を失ったら、漁業振興にならない」とダムに拠らない治水を訴え続けていました。
人口減少、地域消滅の危機が迫る現在。そして、川を破壊し本来の川の力を失い続けてきた20世紀の反省にたって、生物多様性や森里海連環を地域経営に活かすべきとされる21世紀型の公共事業のあり方として、ダムに拠らないまちづくり治水への政策転換について、断固として私は求め続けていきます。
県民の税を使って、ムダであり、更に言えば地域消滅に拍車をかける公共事業など、絶対に進めてはならないのです。
これは鶴岡で市議会で1999年冒頭から取り組み、2000年住民投票の直接請求署名運動をしたにもかかわらず市民の願いが叶わず、2001年の秋から使えなくなってしまった、食の都・鶴岡を支え続けてきた地下水100%の「おいしい水」水道水の教訓でもあります。
時代の判断を誤り、地域の価値を高めるどころか価値を下げ、住民負担を増やす結果になってしまっている「水」の問題です。
無論、この鶴岡の地下水資源の保全、現在無秩序な取水の秩序化については、3年前の県議会の議員活動の冒頭から、はたらきかけ続けています。