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鶴岡市に段ボールベッドが1260基 導入されました!令和2年決算より。


鶴岡市に段ボールベッドが1260基 導入されました! 令和2年決算審議 市民文教委員会にて

令和2年度の決算において、災害対策費の中で、新型コロナウイルス感染症対策として、段ボールベッドとパーテーションが1250個、9,605,200円分導入されていたことがわかりました。新型コロナウイルス感染省対策の国の予算がついたために導入できたとのことで、指定避難所に配備したとのこと。ただし段ボールベッドはかさばるので、1箇所で保管し対応するとのこと。段ボールベッドについては、以下、一般質問でとりあげ求めて来たものであり、大いに評価したいと思います。今後は避難所対応として素早く1000台を超える段ボールベッドを並べることができるということです。パーテーションと一組ということですので、雑魚寝の風景が仕切りあり(個室)、ベッド対応という風景に、ガラリと変わるということです。ささやかながら提言が実りました。

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とりあげた一般質問はこちら

→2019年9月議会 一般質問より

、、、もう一つ質問を続けます。私は所属するNPO等を通じ、2004年中越地震の被災地支援からプライバシー確保、エコノミークラス症候群防止の観点でテントや簡易ベッドの普及の活動をおこない、熊本地震からはエコノミークラス症候群の日本の権威である新潟大学 榛澤和彦先生を代表理事とする避難所避難生活学会の先生方と「災害関連死ゼロを目指し、避難所の風景を変えよう」を掲げ簡易ベッドの普及の活動をおこなっております。今日お配りした参考資料は学会の先生方と共同執筆し5月発刊した書籍であります。今般大阪北部地震では茨木市職員用にキャンプ用ベッドを貸与し、避難所で段ボールベッドを並べました。

又西日本豪雨では、7月10日に倉敷市にキャンプ用ベッドを11台提供し13日に真備地区の避難所で段ボールベッドを搬入し、14日にその避難所 薗小の避難所ですけれど、約300名被災者全員をベッド生活に変える事ができました。

榛澤医師によれば避難所はゴミ、埃、衛生面を考慮したり、起き上がりやすさを考慮すれば、病院と同様にベッドが必需品を標準にしてほしい。ということであります。難民支援のための最低限の基準であるスフィア基準でもベッドは必需品になっています。

今般は、政府によるプッシュ型で配備したはずのベッドなのですが、自治体でかなり捉え方にばらつきがあり未だにならんでいないところもあるというのが現状でございます。

又、被災地で自治体職員は寝る暇もなく災害対応に追われるのが常でありますが、これまでの被災地で地べたに布団や寝袋で仮眠する光景も何度か目にしました。

こうした経験から提言をしたいんですが、私は当市では避難民全員にベッドを支給すること。職員には簡易ベッド等で仮眠を取る、を常識にしていただきたいと思います。 小規模災害の避難所対応、市役所職員用そういうことをとして50台〜100台程度のキャンプ用ベッド、コットを早期に備品として整備されることを提言します。
段ボールベッドも速やかに並べられるように、導入に際しての協定を結ぶことを提言します。

ドーム型のキャンプ用テントは体育館などの避難所で着替えやプライバシー確保に有用であり、少数からで結構ですので整備を提言します。又、車中泊の避難も十分想定されますのでエコノミークラス症候群対策として、弾性ストッキングが非常に有効とされております。これは市民の皆さんにぜひ呼びかけて頂きたい、これを提言をいたします。答弁を求めます。

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危機管理監 

次に職員用簡易ベッドの整備についてお応えします。被災地の自治体職員については、厳しい環境の中で災害に対応されていると伺っております。簡易ベッドの整備につきましては、配置場所の確保といった課題もあるかと思いますが、実際に導入している自治体の調査をするなど検討をしてまいります。

次に段ボールベッドにつきましては、最近では熊本地震や西日本豪雨災害における避難所で費用実績から簡易ベッドとともに被災者の疲労を軽減するものと認識しております。本市でも今年度検証用としてダンボ-ルベッド4台を購入いたしました。今月23日の鶴岡市総合防災訓練において使用し、実際に参加者から組み立てや寝心地を体験していただきます。こうした訓練での使用による検証の他、被災地での使用状況についても調査研究してまいります。

災害救助法に該当する大規模な災害になった場合は、国から救援物資として被災自治体に供給されますが、届くまでに日数を要しますので、避難所に速やかに供給できる体制作りとして、協定を締結することは有効であることから、段ボール製品の供給に関して協定を締結している他の自治体を参考に検討してまいります。

次に避難所におけるテントの整備についてお答えします。本市では、避難所のプライバシー確保対策として、避難所の施設内に更衣室を設け、着替えや妊婦授乳者などのスペースとして利用するほか、間仕切りを活用した居住スペースの確保を想定しております。しかし、長期間にわたる避難所生活において、被災者のプライベートな空間の確保として、テントも有効な手段の一つであると認識しております。今後被災自治体の使用例やスペース面の課題などを調査研究してまいります。

次に災害関連死ゼロを目指した必要な物資の整備についてお答えします。熊本地震では亡くなられた269名の内、災害関連死は214名にのぼり、避難生活の疲労や環境の悪化が大きく影響しているものと認識しております‘。避難所ではふだんどおりの生活ができず、被災者はさまざまなストレスを受け、災害関連死の原因となるエコノミークラス症候群や感染症が発生しやくなるため、避難所生活における災害関連死の予防策や被災者の移住空間の確保についても、さらに検討する必要があると考えております。議員ご紹介の弾性ストッキングは、下肢に圧力を加え、うっ血症状を改善するストッキングであり、主にエコノミークラス症候群を防止する効果を持つとお聞きしております。’

 本市では、発災後に不足するトイレや寒冷地の対策として、暖房器具の配備に取り組んでおりますが、弾性ストッキングなども含め今後更に被災自治体から避難所で必要とされた物資について、情報を収集し、被災者のケアについてもあわせて調査研究して参ります。以上です。

 

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2021年6月議会 ゼロカーボンシティとしての地球温暖化対策について


◆6番(草島進一議員) 質問いたします。

 ゼロカーボンシティとしての地球温暖化防止対策について質問いたします。

 市は、ゼロカーボンシティ宣言を4月17日に行いました。市は、同時にごみ焼却発電の3分の2をやまがた新電力を通じて市立小・中学校30校、市有施設6施設に供給すること、また3分の1環境価値を証書化して環境対策に取り組む企業に提供するなどの取組を行っていくことを表明されました。この施策については大変評価をするものであります。

 この間、米政府が主催する気候変動に関する首脳会議が4月22日に行われ、この会議に先立ち、主要国は2030年に向けた温暖化ガスの排出削減目標を相次いで打ち出し、日本はこれまで26%削減としていたものを、2013年度比で46%削減、さらに50%の高みに向け挑戦を続けることを表明いたしました。

 そして、5月26日には2050年までのカーボンニュートラルの実現を法律に明記することで脱炭素に向けた取組、投資やイノベーションを加速させるとともに、地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取組や企業の脱炭素経営の促進を図る地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案が国会で成立いたしました。

 2050年にゼロカーボンを実現するには、まず2030年までの行動が問われております。2050年までのゼロカーボンシティを宣言した市として、それの実質的な実現を果たすためにやらなければならないのは、政府が掲げた2030年46%削減に応えていくことだと考えます。

 今後、政府はこの46%削減を実現するエネルギー基本計画を策定していくことと思います。また、現在国・地方脱炭素実現会議が行われていますが、この6月9日に地域脱炭素ロードマップが示されました。これらを踏まえて、市の地球温暖化対策実行計画の2030年の目標値も変えて取り組まなければならないのではないかと考えます。

 長野県は、6月8日、地球温暖化対策と環境エネルギー政策を推進するための計画、長野県ゼロカーボン戦略、2050ゼロカーボン実現を目指した2030年度までのアクションを発表しました。2010年度比で温室効果ガス正味排出量を2030年度までに6割削減を目指すほか、再生可能エネルギー生産量を2030年度までに2倍増にするなどのアクションを掲げております。

 そこで質問をいたしますが、今後市の2030年までの実行計画をどうしていくのか、また対策をどうしていくのか考えを伺います。

 また、2050年に脱炭素を実現するためには、再エネ普及と省エネ対策に、より強力に力を注いでいかなければならないと考えます。再エネの普及方策としては、どのように考えているのか伺います。

 また、省エネ分野では住宅、公共建築物の省エネルギーの取組が重要と考えます。住宅の省エネでありますが、断熱性能や気密性能をいかに高めるかが重要であります。国では住宅の高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電などによりエネルギーをつくることで1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味でおおむねゼロ以下となる住宅、省エネと創エネを組み合わせたネット・ゼロ・エネルギー住宅を進めています。

 また、山形県では、国の省エネ基準よりも高い断熱性能を備えたやまがた健康住宅の普及を2018年から行っています。ヒートショックを避けるために、最も寒い時期の就寝前に暖房を切って翌朝暖房を稼働させない状況でも、室温が10度を下回らない断熱性能と気密性能を有する住宅であります。鶴岡市でのこのZEHややまがた健康住宅の普及状況はどのような状況かお伺いします。

 また、このやまがた健康住宅についてですが、山形市や飯豊町ではこのやまがた健康住宅の普及のために、30万円などの上乗せ助成を行っています。普及を促すために鶴岡市でも取り組んではどうかお伺いします。

 次に、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング、ZEBについて伺います。

 今建設すれば2050年まであり続ける今後の公共施設の取組が重要であります。公共施設の省エネの取組や、ゼロ・エネルギー・ビルディング、ZEBの認識はどうか、今後公共建築物として建てる建物は全てZEBにするぐらいの指針を持ってはいかがかと思うのですが、お伺いしたいと思います。

   

◎市民部長(五十嵐浩一) ゼロカーボンシティとしての地球温暖化防止対策について、初めに鶴岡市地球温暖化対策実行計画についてお答えをいたします。

 議員御紹介のとおり、本市は今年4月17日土曜日に公益社団法人鶴岡青年会議所と共に、かけがえのないふるさとを次の世代につないでいくため、豊富な地域資源の最大限の活用と市民や事業者など多様な主体との連携により、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティに挑戦することを宣言いたしました。

 市の取組といたしましては、議員の御発言にもございましたように、今年4月に稼働したごみ焼却施設での廃熱を利用して発電を行い、自家消費以外の余剰電力を売電し、その電力を市内小・中学校などの市有施設に供給する電力の地産地消事業に取り組んでおります。

 また、自家消費分に含まれる再生可能エネルギーの環境価値を電気そのものと切り離して、グリーン電力証書という形で必要とする企業に提供するという新しい取組を始めております。

 このグリーン電力証書につきましては、購入者が再生可能エネルギーによって発電されたグリーン電力を使用しているとみなすことができる仕組みとなっておりまして、再生可能エネルギーの発電設備を持たなくてもグリーン電力相当量の再生可能エネルギーの普及に貢献できる仕組みとなっております。

 さて、本市では平成30年に第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画を策定し、温暖化防止のための目標を定めており、温室効果ガスの排出量につきましては、基準年度の2013年度と比べて市全体を対象とした区域施策編では2030年までに26%減、2050年までに80%の削減、また市の事務事業を対象とした事務事業編では2030年までに40%の削減を目標としております。

 この削減目標につきましては、2016年に国が策定した地球温暖化対策計画に基づく目標でありますが、本年4月22日に開催された第45回地球温暖化対策推進本部において、菅総理が2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すと表明しており、本市の計画についてもこの方針に沿った形で見直す必要があると考えております。

 計画見直し手順といたしましては、現在策定中の第2次鶴岡市環境基本計画において、ゼロカーボンシティに向けた取組を重点施策と位置づけ、第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画でその具体的取組内容や削減目標を示せるよう進めてまいりたいと考えております。

 計画の見直しに当たって、今年5月に成立した改正地球温暖化対策推進法では、地域の脱炭素の促進が盛り込まれたところであり、その内容は、市町村の地球温暖化対策実行計画において、その区域の自然的、社会的条件に応じて再生可能エネルギー利用促進等の施策や実施目標、地域脱炭素化促進事業の促進区域等を定めることが努力義務とされております。

 また、今年6月9日に開催された国・地方脱炭素実現会議で公表されました地域脱炭素ロードマップでは、2030年度までに民生部門(家庭部門及び業務その他の部門)の電力消費に伴う二酸化炭素排出量を実質ゼロにする脱炭素先行地域づくりなどを行うことが示されており、このことについても今後の計画の見直しの中で検討してまいります。

 こうした状況を踏まえ、また鶴岡市の地域特性に配慮し、具体的に必要な対策や削減目標など、第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画については国・県の動向を見極めながら見直しを進めてまいります。

 次に、再生可能エネルギーの普及についてお答えをいたします。

 2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティを目指すためには、排出削減対策として再生可能エネルギーの普及を推進していかなければなりません。

 本市では、平成25年5月に鶴岡市地域エネルギービジョンを策定し、本市が誇る自然や歴史、文化に立脚し、地域に根差した再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいりました。これまで再生可能エネルギー設備を導入する方を対象とした国のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業や、山形県再生可能エネルギー設備等導入事業費補助金なども併せて活用できる再生可能エネルギー設備普及促進事業補助金を設けております。平成25年度以来、374件の利用がありまして、地域のエネルギー供給力を高めるほか、地域経済の活性化に効果が期待されているところでございます。

 また、国の補助事業を活用して、小・中学校の体育館など、災害時の拠点避難施設となる市有施設への太陽光発電設備や蓄電池などの導入を進めているところでありまして、これまで鶴岡第四中学校等19の施設に再生可能エネルギーの発電設備を設置しております。今年度も朝暘武道館、そして羽黒体育館の2か所に設置を予定しております。

 今後、ゼロカーボンシティを実現するためには、このような取組を検証した上で、さらに再生可能エネルギーの導入促進を図り、二酸化炭素等温室効果ガスの排出抑制に取り組む必要があります。

 2018年に公表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書」においては、二酸化炭素排出量を2050年頃に実質ゼロにするためには、社会のあらゆる側面において前例のない移行が必要であると示されております。また、このたびの改正地球温暖化対策推進法の趣旨や、現在国において策定が進められております地域脱炭素ロードマップ、この内容を十分に取り込み、国・県とも連携し、新たな手法も検討しながら再生可能エネルギーの普及に取り組んでまいります。

 なお、住宅の省エネにつきましては、建設部より答弁をさせていただきます。

   

◎建設部長(村上良一) 鶴岡市におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとやまがた健康住宅の補助制度と普及状況についてお答えいたします。

 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスは、高い断熱性能と太陽光発電等による創エネを組み合わせた住宅ですが、国では中小工務店が新築する場合に地域型住宅グリーン化事業の補助メニューとして上限140万円を補助する制度を用意しております。

 市内における普及状況は、令和2年度に新築された一戸建て住宅総戸数が382戸のうち、約10%がこのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス仕様の住宅となっております。

 次に、県が認証制度を行っているやまがた健康住宅についてです。

 県の支援制度では、10年間で最大約70万円の利子補給を実施しており、本市における認証戸数は平成30年度から令和2年度まで累計28戸となっております。山形県では、やまがた健康住宅に対する支援に関して、議員御紹介のとおり山形市は今年度から、また飯豊町は令和元年度からそれぞれ30万円上乗せの補助を実施しており、昨年度の飯豊町の補助実績は3件というふうに伺っております。

 次に、本市の支援制度について申し上げます。

 本市では、山形県との協調補助による鶴岡市住宅リフォーム補助事業を実施しており、平成23年度から令和2年度までの10年間の累計で約4,000件の実績がございます。リフォーム内容としましては、窓や外壁の断熱化、省エネ機器への交換などの工事が全体の約52%、2,083件と最も多く実施されており、これにより、既存住宅の省エネルギー化において一定の効果があったものと考えております。

 今後、本市の取組としましては、鶴岡市住宅リフォーム補助事業による既存住宅の省エネルギー化を推進するとともに、新築住宅に対する山形市、飯豊町の取組による効果の検証、県内の他市町村の動向も注視しながら新築住宅に対する支援の在り方を検討してまいりたいと考えております。

 次に、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの取組についてお答えいたします。

 ネット・ゼロ・エネルギー・ビルは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスと同様に建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物ですけれども、平成30年7月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、地球温暖化対策やエネルギー供給の安定化のためにもネット・ゼロ・エネルギー・ビルの普及を進め、2030年度までに新築建物の平均でエネルギー収支をゼロにすることを目指していると伺っております。

 本市の公共施設の省エネの取組状況は昨年建設された学校、コミュニティセンターなど、新築工事の場合、設計の段階からイニシャルコスト、ランニングコストを比較検討し、建物の用途を考慮した上で、省エネルギー化を実施しております。

 具体的な内容としては、自然換気と自然光を多く取り入れる断面計画、室内外の間で熱損失が大きい屋根と外壁を高断熱化するとともに、断熱サッシやLow-Eガラスの採用による開口部の高断熱・高気密化を行っています。

 建築設備においては、LED等、高効率の省エネ機器を積極的に採用することで、省エネルギー化を図っております。

 また、既存建物の改修工事においても、新たに内窓を設けることで、開口部の高気密化や既存の蛍光灯をLEDに交換、空調を省エネタイプのエアコンに更新することなど、様々な対策を行っております。

 今年4月には、建築物省エネ法が改正されるなど、国は建築物のゼロカーボン化に向けた動きを加速しておりますので、本市としても国の動向を注視するとともに、山形県とも協調しながら住宅、また市の市有施設をはじめとする建築物の省エネルギー化に向けた取組を一層進めてまいりたいと考えておるところでございます。以上です。

   

◆6番(草島進一議員) お話にもありましたように、6月9日に示された政府の地域脱炭素ロードマップでは、2030年までに少なくとも100か所の脱炭素先行地域を創出する目標を掲げ、先行して国による支援を集中的に進めていく、特に今後2025年までの5年の周知期間に政策総動員すると掲げられております。

 今後、それを踏まえて支援メニューがいろいろ国から出てくると思います。市もこの先行地域として推進していけるように努力されてはと思いますが、当局の見解をお伺いしたいと思います。

 また、ZEB、ZEHについてですけれども、お伝えした長野県のゼロカーボン戦略では、30年までに全ての新築建築物のZEH、ZEB化を実現となっておりました。市でも今後ZEH、またやまがた健康住宅、そしてZEBを省エネの指標として目標を定め、積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、見解をお伺いします。

   

◎市民部長(五十嵐浩一) 再質問の1点目につきまして、地域脱炭素ロードマップで示されております先行地域として脱炭素に取り組んではどうかという御提言をいただいたと思います。

 この先行地域につきましては、基本的な要件、定義と累計が示されております。これによりまして、取り組むべき事業、またその対象区域につきましても市全域ということではなく、地理の特性などによって区域の設定が必要になるということになっております。また、支援メニューなど、まだ具体的な内容については示されておりませんので、その辺、確認をしながら検討を進めさせていただきたいと考えております。

   

◎建設部長(村上良一) ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとやまがた健康住宅、そしてネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングの省エネの指標、推進についてお答えいたします。

 先ほど御紹介したとおり、政府はネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及を推進し、2030年には新築住宅、建築物のエネルギー消費量を平均でゼロにする目標を掲げております。あわせて、国交省でも建築物省エネルギー法の誘導基準を政府のネット・ゼロ・エネルギー・ハウスやネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングに相当する水準まで段階的に引き上げたいという考えを持っていると聞いております。

 今後、国から示される基準を注視しながら、それに対応する形で進めてまいりたいというふうに考えておりますのでよろしくお願いいたします。

   

◆6番(草島進一議員) ぜひこの2050年、脱炭素をできるように発想を変えて積極的に取り組んでいただきたいと思います。終わります。

 

 


2021年3月議会 1)慶応先端研とバイオクラスターについて 2)食文化について(豊かな食の郷土づくり研究会 FOODEVERについて)


◆6番(草島進一議員) 通告に従い質問いたします。

 慶應先端研とバイオクラスターについてであります。

 まず初めに、来年度予算に約6億4,000万円計上されている拡張計画について伺いたいと思います。

 次に、毎年の市からの補助金額3億5,000万円についてですが、合併10年間は財源的に優遇されてきたこともあり3億5,000万円の多額の研究補助金が投資できたと思いますが、来年度、令和3年度からは交付税が一本算定となり、さらに財政的に厳しくなり、より一般財源から研究補助金を投資する負担が大きくなることが想定されます。

 今、バイオベンチャー企業の発展が注目され、多額の資金調達があると思いますし、関連団体を含めた収入があると思いますが、そうした関連企業の成長を見据え、そこからの還元によって研究所を支えることなどはできないものか。3億5,000万円の補助金について、私はどこかで見直し、段階的に補助金を削減し、自立化に向けてのスキームを検討しなければならないのではないかと感じていますが、当局の見解をお伺いします。

   

◎企画部長(阿部真一) 慶應先端研とバイオクラスターに関わる2点の御質問についてお答え申し上げます。

 初めに、今期の鶴岡市先端研究産業支援センターの拡張計画の御質問についてお答え申し上げます。

 同センターの拡張工事につきましては、国の地方創生拠点整備交付金の採択を受け、新たにレンタルラボ棟の増設を行うもので、今年度、建設予定地の地質調査と基本・実施設計を行っております。来年度は、年度初めに業者選定の手続を行いまして、7月以降から本体工事に着手し、令和4年の夏頃の竣工と供用開始を予定しているところでございます。

 この新棟は、鉄骨造2階建ての延べ床面積約2,200平米を想定しており、1階、2階それぞれに10室ずつ、計20室のレンタルラボを配置するほか、会議室、打合せスペースなどを設け、研究機関をはじめ創業を志す若い人材やスタートアップ企業、成長段階にあるベンチャー企業等を支援したいと考えております。また、サイエンスパークに関わる方々が集まり、分野を超えた交流を図ることで新たなイノベーションの種を生み出すため、コミュニケーションラウンジを配置する予定でございます。このスペースは、新棟の新たな特徴として、自由な会話や創造的な打合せなどができる空間として整備していきたいと考えております。

 総事業費は、令和2年度から4年度までの3か年で約11億円を見込んでおりますが、来年度は本体工事として約5億8,300万円、外構工事で約4,200万円、そして工事監理業務委託料で約1,100万円など、合計で6億4,000万円の予算を計上しているところでございます。

 次に、補助金の見直しについての御質問についてお答え申し上げます。

 慶應先端研の支援につきましては、慶應義塾大学の研究教育活動による地域活性化を目指し、慶應義塾、山形県、そして本市による3者協定に基づく慶應先端研を核としたプロジェクトの一環として、県と連携し補助金を交付しているものでございます。現在、令和5年までの第5期協定期間であり、来年度は中間年次となることから、県が中心となり評価委員会を設置し、市も委員として参画しながら慶應先端研の研究成果等に関わる中間評価を実施する予定でございます。また、最終年度にも同様の評価を行うことを想定しており、これらの検証を通して中長期の視野に立った政策のプライオリティー、財政的な観点から支援水準を判断し、議会にお諮りするものと認識しているところでございます。

 議員御案内のとおり、慶應先端研の研究成果を生かしたバイオベンチャー企業が次々と立ち上げられ、多様な資金調達を駆使し、数十億円から数百億円の調達に成功した企業も出てきております。また、サイエンスパーク内で働く人は現在560名を超えるなど、雇用創出に加え、年間約31億円の地域経済への波及効果にもつながっております。議員からは、慶應先端研の補助金の見直しに当たり、これらバイオベンチャー企業の成長を見据え、そこからの還元によって慶應先端研を支える御提案をいただいたところでございますが、資金調達は企業成長や毎年度の事業活動の状況、世界的な景気動向に左右されるものであります。また、ベンチャー企業から慶應先端研への補助金等の支出については、当然ながら各企業の同意が必要であり、それぞれの判断に委ねられているものでございます。

 一方で、協定に基づく慶應先端研支援につきましては、安定的に研究教育活動の展開を支えるもので、これがベンチャー企業を生むなど、サイエンスパーク発展の源泉になってきたものと考えております。そのため、ベンチャー企業の資金調達や収入等の一部を協定に基づく慶應先端研支援の見直しに充てることにつきましては、現時点では難しい面があると考えているところでございます。

 慶應先端研の研究教育活動の取組や成果が拡大している中で、研究活動に必要な研究所の運営規模や補助金による支援の水準については、今後も協定期間ごとの評価検証などを踏まえて検討し、3者で協議されるべきものと考えているところでございます。以上です。

   

◆6番(草島進一議員) 人口減少や一本算定など財政が厳しくなっていく中で、3億5,000万円の補助金というのはこれからも大きな負担となっていくと思います。市民の税金の考え方として、生命科学の研究は住民福祉の増進を図る一地方自治体がすることには限界があると考えるものです。これは今後も説明責任を求めていきたいと思います。

 次に、食文化の取組についてお伺いしたいと思います。

 まず初めに、豊かな食の郷土づくり研究会についてお伺いします。

 当市が新潟市、神戸市などと発起自治体となって呼びかけ、令和元年10月に設立した研究会でありますが、代表幹事となっているようですが、どのような活動状況か、お伺いしたいと思います。

 次に、FOODEVERについてお伺いします。

 駅前商店街の飲食店も軒並みコロナ禍で苦戦していることを伺っております。そこで、FOODEVERの経営状況はどうか。以前問題となっていた未払いなどは解消されているか、お伺いしたいと思います。

   

◎企画部長(阿部真一) 食文化の取組のうち、豊かな食の郷土づくり研究会についての御質問にお答え申し上げます。

 和食をはじめ、日本の食文化について国際的にも関心が高まる中、本市のみならず、多くの自治体や関係団体等が地域の食や食文化に着目して地域活性化に取り組んでおります。そうした中、志を共にする自治体や関係団体が連携し、情報共有等を図ることにより、効果的な地域振興策につなげることを目的に、鶴岡市が代表幹事となり令和元年10月に立ち上げたのが豊かな食の郷土づくり研究会でございます。幹事都市には、本市と縁がある鹿児島市、新潟市に加え、神戸市、志摩市など7市が名前を連ねております。

 また、文化庁、農林水産省、和食文化学会からも賛同を得てアドバイザーとして参画いただいており、現在の会員数は、北は北海道滝川市から南は沖縄県豊見城市まで、自治体を中心に91団体になっております。

 設立2年目を迎えた研究会の活動内容でございますが、運営面につきましては、コロナ禍に配慮し、総会や幹事会をリモートや書面による決議を併用しながら協議等を行っております。

 事業といたしましては、会員自治体が持ち回りで有識者や実践者を招くなどして食文化による郷土づくりカンファレンスを開催することとしており、今年度は11月に神戸市で、また本年2月には大分県佐伯市で開催されました。新型コロナウイルス感染症が拡大しつつある厳しい状況でございましたが、神戸市では、シンポジウムやエクスカーションを規模を縮小して実施するとともに、オンラインによる配信も併用して開催したところでございます。また、佐伯市では、市外からの参加をオンラインに限定しつつアーカイブでも配信するなど、両市ともコロナ禍におきましても工夫を凝らして実施いただき、食や食文化の価値や可能性を共有する機会となりました。

 また、会員間ではメーリングリストによる情報共有を図っており、事務局を担っている本市が起点となりコロナ禍における飲食店等への支援策など複数の情報が共有されたほか、各団体が取り組んでいる特徴的な事例を収集して取組事例集を作成、提供しております。さらに、国の食文化関連施策に関わる関係省庁からの情報を共有したほか、文化庁が取り組む法改正に当たっては、食文化の振興に資する改正内容となるよう幹事団体とともに要望書をまとめ提出するなど、会員団体と連携を図りながら活動を行っている状況でございます。

 こうした食や食文化を共通の切り口にした全国規模のネットワークはこれまで例がございませんでしたので、ユネスコ食文化創造都市として、引き続き活発な活動をリードしてまいりたいと考えております。以上でございます。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) 続きまして、商工観光部よりFOODEVERの経営状況及び未払いなどは解消されているかという点についてお答えをさせていただきます。

 FOODEVERに入居しております各飲食店の売上額など、個別事業者の経営状況についてはお答えを差し控えさせていただきますが、新型コロナウイルス感染症によりまして地元飲食店などへの影響につきましては、議員御案内のとおり、深刻な状況となっております。鶴岡商工会議所、出羽商工会、鶴岡市が5月と7月、1月に共同で実施をいたしましたコロナウイルス感染症の影響に関する調査におきましても、第3波の影響によりまして年末に再び人の流れが停止したことから、12月から1月にかけての宿泊業、飲食業の売上げの低下が顕著であるという結果となっております。FOODEVERや駅前商店街を含む市内の飲食店についても、厳しい状況が継続していると認識をしておるところでございます。

 FOODEVERに入居している各店舗では、国・県・市などの支援策、これを十分に活用いたしまして、さらにはそれぞれの個店において、営業形態の絞り込みやテークアウトメニューの新設など、営業継続に向けた工夫を重ねていると伺っているところでございます。

 また、株式会社Fu-Doの未払い金の解消についてでございますが、これはFu-Do社から市に提出されました納付計画書、これに基づきまして、分割納付が計画どおり履行されておる状況となっております。以上です。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 豊かな食の郷土づくり研究会については、当市のホームページを見てもなかなか最近の活動状況がよく分からない現状にあります。アーカイブをつくるなどホームページの充実をしてはどうかと思います。

 また、今後の活動の方向性についてもお伺いしたいと思います。

   

◎企画部長(阿部真一) 情報不足というような御指摘でございました。

 研究会の今後の方向性でありますけれども、発足後間もないということ、またコロナ禍という特殊な事情もございました。まずは幹事市及び関係する団体の意向をよく聞きながら、食や食文化で地域を盛り上げていけるよう連携強化を図ってまいりたいと考えております。その上で、本市では食を通じた人材育成、鶴岡型ESDを構築したいと考えておりますことから、カンファレンス等を通じて、参考事例の収集や会員団体等の知見をお借りする機会を企画できればと考えております。

 議員御指摘の情報発信につきましては課題と認識しておりますので、費用負担の在り方、それからプラットフォームの構築について、研究会の内部で議論を深めてまいりたいと思います。研究会の知名度向上や活動内容の周知をさらに図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 次に、FOODEVERについてですけれども、今後の見通しについてはどうか、お伺いしたいと思います。

 食文化の情報発信拠点としてさらに活用してはどうかと思いますけれども、お伺いしたいと思います。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) 今後の見通しに関しましては、全国的にも新型コロナウイルス感染症による経済への影響が懸念される状況が続いておりますことから、FOODEVERや駅前商店街を含む市内の飲食店の経営状況についても注意する必要があると考えております。市内事業者に対する影響調査を継続しつつ、国や県の動向も確認しながら、支援制度の活用促進や市内事業者向けの支援策の充実を検討してまいりたいと存じます。

 また、FOODEVERを食文化の発信拠点としてさらに活用を図っていくという点につきましては、議員御指摘のとおりでございます。4月よりまた開始されます東北DCや今後の観光需要回復などに備えて、食文化発信拠点としてさらなる活用を図っていくことが肝要であると認識をしておるところでございます。

 今年度は、料理人と連携いたしました市民向け講座の開催など、食に関するイベント実施や食文化に関するパネルの企画展示などを実施しましたほか、新年度においても、食文化情報のコンテンツの整備と充実によりまして、情報発信の強化と来館者の満足度向上を図ることとしております。関係機関とも連携いたしまして、食文化情報発信拠点施設として、機能充実とにぎわい創出に取り組んでまいりたいと存じます。

   

◆6番(草島進一議員) いずれにしても、コロナ禍の中大変だと思いますけれども、施設のさらなる検討と充実を求めたいと思います。ありがとうございました。終わります。


2020年12月議会 1)市立図書館について 2)新型コロナウイルス感染症の市民生活への影響について


◆6番(草島進一議員) 通告に基づき質問いたします。

 まず、市立図書館について質問します。

 鶴岡市立図書館は、郷土資料館と併設で、昭和60年に建設された蔵書数は40万4,515冊、年間入館者数は約18万9,000名、1日平均約631名の市民に親しまれている図書館であります。

 建設から35年経過し、以前はエアコンの故障がありましたし、建物も老朽化が進んでいるようです。蔵書数の割に、開架図書は約7万5,000冊と閉架図書の割合が多くなっていること、また館内が手狭となっており、併設する郷土資料館の資料は、廃校になった旧小学校などに分散保管されているとも伺っております。

 また、私はこれまでリニューアルした山形県立図書館をはじめ、米沢市立図書館「ナセBA」、秋田県立図書館、武蔵野プレイス、日比谷図書文化館、富山市立図書館「TOYAMAキラリ」、守山市立図書館などを訪れたり、図書館総合展などを訪れたりしました。

 今、全国的にも、県内にも新しいタイプの図書館が建設されています。その中には、開架図書を増やしたり、新しいまちづくりの市民ニーズを満たすようなWi-Fi環境や電源が整備されているワーキングスペースやカフェ併設型、また美術館併設型やスタジオ併設型であるような快適な滞在環境を整えた複合施設としての図書館が増えてきています。こうして新しい図書館を訪れたり、全国を見渡してみますと、人が集う図書館として、図書館に求める市民のニーズも変容していると思われます。

 こうした現状を踏まえて、現在の市立図書館が抱えている課題をどう捉えているか、まずお伺いしたいと思います。

   

◎教育部長(石塚健) それでは、現在の市立図書館の課題についてお答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、図書館本館は昭和60年3月に竣工した施設で、今年で35年が経過しております。これまで、経年劣化等により不具合が生じた際は、その都度修繕等を実施してまいりましたが、平成22年頃からは、電気設備や空調設備など大規模な改修工事を実施している状況にございます。

 今年度も、消雪設備のポンプの更新工事を実施しておりますし、今後も高圧変電設備の更新工事、屋根の防水改良工事や外壁改良工事、エレベーターの更新など、施設を安全で良好に維持していくための大規模修繕工事を実施していかなければならないと認識しているところでございます。

 次に、資料保存機能につきまして、当館は本館と5つの分館、そして本館に併設している郷土資料館が一体となって運営されており、現在合わせて約40万冊の蔵書と、郷土資料として約二十数万点の古文書も所蔵しております。

 本館の収蔵スペースの確保のためには、現在まで3階部分には移動式の書架を設置してまいりましたし、開架部分にも新たな書架を配置するなどいたしまして、収容能力の増強を図ってまいりました。

 しかしながら、本館内にこれ以上の収蔵スペースは見込めないことから、今後は他の施設内に収蔵スペースを確保し、分館、郷土資料館を含めた資料を適切に保管するための資料センター的な役割を担う場所を確保していかなければならないと考えております。

 また、利用者が図書館に求める機能が多様化しておりますのは、議員御指摘のとおりだと思います。資料の提供だけでなく、様々な情報を求められること、また憩いの場所としてのニーズも高まっており、現在の施設では、その提供が難しい部分も多いと認識しているところでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 聞くところによりますと、2年後にはエレベーターの大規模修繕が必要とのことであります。

 また、総合計画の中では、この10年間で再整備を行うとなってきているわけですけれども、現代に求められる機能ですとか、場所の問題ですとか、十分な検討が必要と思われます。そこで、再整備の検討をし始めてはどうかと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。

   

◎教育部長(石塚健) 図書館本館の再整備につきましては、第2次鶴岡市総合計画の中で再整備を検討すると明記しておりまして、この計画期間中に現在の施設の利用の仕方も含めまして、今後の進め方を整理していく必要があるものでございます。

 進め方といたしましては、現在図書館に求められていること、例えばゆっくりとした読書スペースが欲しいとか、図書資料だけでなく、様々な情報を求めることができる図書館であってほしいなど、市民のニーズを集約することから始めていくことが必要であると認識しております。その上で、新しい図書館に求められる機能に合った施設の再整備の検討を進めてまいりたいと思います。

 御指摘のとおり、近年再整備されております図書館は、本来の図書館機能だけでなく、様々な機能を持ちまして、まちのにぎわい創出を担うような図書館もございます。市民が求める図書館の姿が変わってきていると認識しております。そのような中でも、図書館は誰もが日常的に利用する施設でありますことから、ユニバーサルデザインを目指した施設にすることも大切であると考えております。

 本市といたしましては、様々な方が日常的に利用する施設といたしまして、市民が望むのはどのような施設であるのかを集約するとともに、本市にふさわしい図書館の在り方について、その先進事例なども参考にしながら検討を進めてまいりたいと思います。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 今、令和の藩校が打ち出されている城下のまち鶴岡将来構想策定委員会でも、図書館について一部触れられていました。現在、現状抱える図書館の課題を共有して、一緒に検討し始めてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

   

◎教育部長(石塚健) 城下のまち鶴岡将来構想策定委員会におきましては、現在までに委員の皆様から様々な意見が出されており、その中には図書館に対する御意見も頂戴しているとお聞きしているところでございます。

 図書館の将来構想につきましては、このような様々な機会を捉えまして、市民ニーズの把握に努めてまいりたいと思います。またその際には、城下のまち鶴岡将来構想策定委員会の事務局でございます建設部とも情報を共有しつつ、庁内関係各課と横断的に連携を深めながら、検討を進めてまいります。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 ぜひこの図書館、文化施設として重要な施設であると思います。十分な機能を発揮する図書館として、検討のほどよろしくお願いします。

 次に、新型コロナウイルス感染症の市民生活への影響についてお伺いしたいと思います。

 まず、雇用の状況・維持についてお伺いします。

 新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響について、全国的には失業や雇い止めの情報が報道されておりますが、本市においては、大きな混乱を招くような失業や雇い止めはなかったとお伺いしております。

 この間、国では雇用調整助成金などに取り組んできたと思いますが、市としては雇用政策としてどのような取組を行い、その成果はどうだったのか、状況を伺います。また、今後の対応策についてお伺いしたいと思います。

 次に、生活困窮者の支援の状況についてお伺いしたいと思います。

 この間、市の受付件数をお伺いしましたが、緊急小口資金の受付件数は281件、総合支援資金は91件、市の追加貸付けは157件とのことでありました。

 また、今回生活困窮者自立支援体制強化事業、7月補正で増員された、くらしスの相談件数は247件とのことでした。

 そこでお伺いします。

 この相談件数247件とありますが、この相談の内容からはどのような傾向が見られるのか。市として、生活困窮者の状況についてどのように把握されているのか、お伺いをしたいと思います。

 また、米を支給する食の支援がありますけれども、この実態はどうか、お伺いしたいと思います。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) 新型コロナの市民生活への影響について、初めに新型コロナウイルス感染症に起因します雇用への影響について、商工観光部よりお答えをいたします。

 厚生労働省では、各都道府県の労働局の聞き取り情報や公共職業安定所に寄せられた相談・報告などを基に、雇用調整の可能性がある事業所数と解雇等見込み労働者数を集計し、公表しております。

 11月27日現在の全国の集計分では、雇用調整の可能性がある事業所数は11万7,002事業所、解雇などの見込み労働者数が7万4,055人となっており、そのうち山形県は3,120事業所、503人となっております。

 本市においては、5月以降、新型コロナウイルス感染症の影響による倒産や閉店の情報もございましたが、解雇となった従業員へのハローワーク鶴岡の早期の支援によりまして、再就職につながったと伺っておりますし、その後もコロナの影響に伴う就職相談については減少傾向にあると伺っております。

 また、12月1日に公表されましたハローワーク鶴岡管内の10月の有効求人倍率は1.40倍と、9月の1.36倍よりも上昇しております。25番議員の総括質問に対する市長答弁のとおり、管内の雇用情勢については回復基調も見られるというところでございます。

 御質問の雇用の施策についてでありますが、国では、企業の雇用維持のために従業員を休業させた場合に、休業手当に対して助成を行う雇用調整助成金が実施されております。助成率の拡充や上限額の引上げといった特例措置が4月の休業分から設けられ、対応期間についても、12月末までの期限が令和3年2月まで延長されることが11月27日に厚生労働省から発表されております。

 その間、本市において、5月から8月末まで鶴岡地区雇用対策協議会が主体となりまして、山形県社会保険労務士会庄内支部から御協力をいただきながら、専門家による無料相談窓口を開設いたしております。

 市内企業の雇用維持に向けた雇用調整助成金の積極的な活用とハローワークでの円滑な申請を支援するための窓口として、4か月間で121件の相談を受付しております。その後、助成金申請に必要な書類の簡素化や助成金の算定方法の簡略化などによりまして、7月中旬から相談件数も落ち着いてきましたために、窓口は8月末をもって終了いたしまして、その後、県との協調で雇用調整助成金申請代行補助事業を実施しております。

 この事業は、7月22日の臨時議会で御可決をいただきまして、予算額5,200万円を措置し、助成金申請代行に係る手数料に対しまして、1事業所当たり40万円を上限に補助をする内容となっております。令和3年2月12日まで受付をしております。11月末現在の実績といたしましては、40事業所からの申請を受理いたしまして、678万8,000円の補助金を交付しております。

 また、今年度で3年目となりますが、新型コロナによる雇用調整の影響を最も受けやすい非正規労働者の正社員への転換を支援する鶴岡市正社員化促進事業を行っております。初年度となる平成30年度の正社員の転換人数は7名、令和元年度は24名、今年度は11月末現在で25名と、年々増加傾向にございます。非正規労働者の雇用安定と優秀な人材確保と定着に資する事業として評価をしているところでございます。

 現在、全国的な感染拡大の第3波が続いておりまして、山形県内、特に庄内でも感染者数が増えている状況にございます。市といたしましても、引き続きハローワーク鶴岡と管内の雇用に関する情報交換を密にしながら、経済対策会議の開催等を通じまして、関係機関との情報共有により、市内の雇用情勢を的確に把握するとともに、国や県が実施する事業とも連携を取りながら、市内事業所の雇用維持に向けた事業を展開してまいりたいと考えております。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) 生活困窮者の状況について3点ほど御質問をいただいておりますので、順次お答えを申し上げます。

 まず、生活困窮者自立支援体制強化事業の内容について御質問いただきましたので、お答えいたします。

 生活困窮者自立支援体制強化事業は、生活困窮相談を受け付けております鶴岡市地域生活自立支援センター、通称くらしスにおきまして、本年4月から6月における相談件数の累計が前年比で2.5倍と急増いたしましたことから、相談支援員4名体制で行っていたところ、7月から1名増員し、5名体制に強化したというものでございます。

 相談内容の傾向といたしましては、生活困窮相談における本年4月から10月末現在での新規相談件数は247件となってございますが、約半数の112件が住居確保給付金と総合支援資金の相談件数となっております。昨年度、1年間でゼロ件であり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて増加したものと考えております。

 住居確保給付金は、収入等の減少により家賃の支払いが困難な方に、家賃相当分を最長9か月間支給する国の制度でございますが、支給実績といたしましては、10月末時点で74件となっております。

 給付相談される職業分類といたしましては、無職という方が一番多く、31件43%となっております。次に多いのが飲食業で7件9%、順に運転代行業5件、旅館業5件、理美容業4件などとなっております。

 無職の方につきましては、ハローワークと連携した、くらしスの就労支援も行っており、生活の状況をお伺いし、就労や増収の希望等についても相談をお受けすることとなりますが、状況に応じ同行するなど、伴走型やアウトリーチの支援も行っているところでございます。

 次に、2点目の市として困窮者の状況についてどのように把握しているのかという点でございますが、この点につきましては、緊急小口資金貸付の状況について御報告申し上げます。

 緊急小口資金貸付は、国の制度で、山形県社会福祉協議会が実施主体となりまして、収入の減少により緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合、10万円または20万円を上限といたしまして無利子貸付けを行うというものでございます。

 当市において、11月15日現在、281件の貸付けを受けられた世帯のうち、単身世帯が93世帯、2人以上の世帯が188世帯となっておりまして、2人以上の世帯が約7割を占めておりますことから、家族と同居されている世帯への貸付けが多い状況となっております。

 緊急小口資金貸付は、世帯単位での貸付けになりますが、申請者の年代別では40代の方の申請が75件と多く、50代60件、30代43件、60代43件などとなっております。働き盛りの40代の申請が多いことから、就労等の収入が減った世帯が多くいるものと見ているところでございます。

 また、もう一つ、困窮者の状況把握といたしまして、生活保護の申請数について御報告いたします。

 生活保護の申請数は、本年4月から10月までの累計で96件となってございまして、昨年の同時期113件より17件少ない状況となっております。これは、新型コロナウイルス感染症対策で臨時特別給付金や緊急小口資金貸付などの施策を講じた影響があるものと分析いたしておりますが、経済活動の停滞が長引くことによる生活保護申請数の変化など、今後も動向を注視してまいりたいと存じます。

 それから、3点目でございますが、米を支給する食の支援の実態についてお答え申し上げます。

 米を支給する食の支援事業は、県の補助事業でございますが、対象世帯は先ほど御説明いたしました緊急小口資金貸付を利用され、市に食の支援事業の申請を行った世帯が対象となっております。その内容といたしましては、60キログラムの山形県産米はえぬきについて、20キログラムずつ3回に分けて無料でお配りするという事業でございます。

 事業実施に当たりましては、鶴岡市農協と庄内たがわ農協の御協力を得て、11月15日現在になりますが、107世帯にはえぬきを配送しているというものでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 生活困窮者の対策、状況として、報道などでは女性の雇用や生活がより厳しい状況に置かれているという報道がよくありますけれども、市としてはどんな状況でしょうか。1点お伺いしたいと思います。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) 特に女性に限定したとか、そのような傾向は私どもとしては伺っていないところでございます。

   

◆6番(草島進一議員) いずれにしても、生活困窮者の対策として、十分にお一人お一人に寄り添った対策に努めていただきたいと思いますけれども、今後の対策についてはどのように考えているか、お伺いしたいと思います。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) 今後の生活困窮者対策につきましては、引き続き生活困窮者の動向を見極めながらでございますが、国からもいろいろな対策が出ておりますので、そのようなものも活用しながら必要な対策を講じてまいりますが、まずは制度周知に努めるとともに、必要に応じ、こちらから訪問して相談に応じるなど丁寧に対応してまいりたいと存じます。

   

◆6番(草島進一議員) 市政の在り方として、誰一人として取り残さない十分な支援を求めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

 以上で終わります。


2020年9月議会 1)山形県鶴岡市風力発電事業について 2)荘内病院の経営について


◆6番(草島進一議員)

 1番目、(仮称)山形県鶴岡市風力発電事業について伺います。

 出羽三山の周辺に前田建設工業によるローター直径120メーター、最大40基建設予定の風力発電開発について、現在の計画段階環境配慮書についての縦覧が行われています。

 この計画では、月山の中腹、出羽三山神社の近くに風車がずらりと並ぶ景観になる可能性があります。建設予定地は、出羽三山地域の神域であります。日本遺産に登録された羽黒山伏の修験道の聖地であり、訪れる方々の心のよりどころであり、そのかけがえのない祈りの風景が破壊されかねないこと。自然生態系が厳しく管理されてきた磐梯朝日国立公園の隣接地であること。予定地南端の黒森山などの建設予定地は、標高500メートル以上にあり、工事搬出用道路を新たに造り、林道を拡幅するためには、一度失うと再生できない貴重なブナ林などの伐採が避けられないこと。事業地域は近年豪雨水害が頻発している藤島川、今野川、京田川の上流部であり、上流部の開発行為が中・下流域へ波及する。土地の改変により、川への水の流入量が変化する可能性があること。また、地域によるオーナーシップ、地域による意思決定、地域への利益還元を規定したコミュニティパワーの3原則というのがありますが、この事業がコミュニティパワー原則から見れば、それに完全に反する植民地型開発行為であること。以上などの点から、私はこの事業に断固反対し、風車を一本たりとも建設を許さない、絶対に阻止しなければならないと考えるものです。

 そこで質問します。

 市長は、重大な懸念、取り下げてほしいなど撤回を表明されておりますが、改めて市の姿勢、問題認識を伺います。

 また、月山山麓では、南部黒森山の周辺で他業者であるユーラスエナジーホールディングスが風車の風況調査を行っています。今のままでは、風力発電銀座になりかねないと考えます。

 月山、出羽三山の地域は、全体で禁止区域を設定するなど、ガイドラインや景観条例などで規制することはできないか伺います。以上です。

 

 

◎市民部長(五十嵐浩一) それでは、風力発電開発について、2点ほど質問をいただいたと思っております。

 今議会でも答弁をした内容もございますので重複するかもしれませんけれども、順次お答えをさせていただきます。

 このたび、前田建設工業株式会社が計画しております(仮称)山形県鶴岡市風力発電事業につきましては、これまで8月21日の定例記者会見、また、26番本間議員の一般質問に対する答弁でも市長が考え方を述べておりますが、市といたしましては、このたびの事業計画は日本遺産に認定された出羽三山に近接しており、山岳信仰の聖地であるとともに、市の観光振興にとっても重要な場所における計画となっておりますことから、事業の推進には重大な懸念を持っているところでございます。

 また、この事業計画につきましては、現在反対の署名活動が行われるなど、市民の間に混乱が起きていること、また、地元との合意形成などに問題があると思われることから、この段階で事業者からの事業の取下げを望むものではありますが、まずは書面では本日まで、またホームページでは9月14日まで配慮書を縦覧されておりますので、これに対して県より9月28日まで意見書を提出するように求められておりますので、今月17日には景観審議会、18日には環境審議会、文化財保護審議会を開催する予定でおりますので、専門家の方々からも御意見を伺いながら、市の意見書を提出してまいりたいと考えております。

 続いて、出羽三山に関わる地域、景観条例などによる規制についてということでお答えをさせていただきます。

 景観法及び本市景観条例では、その対象を全市域とし、一定以上の建築物及び工作物の新築等の際には、事前の届出が義務づけられており、このたびの事業での風車建設についても届出の対象となるものです。

 他自治体の環境分野における規制の例といたしましては、秋田県にかほ市や岩手県盛岡市などでは、景観計画において風力発電設備等の立地を制限する区域を定め、景観条例に基づく届出に対する審査、指導等を行うことで、良好な景観を維持することとしている事例もございます。

 また、環境省では、風力発電事業は、地球温暖化対策を推進する上で重要な事業と位置づける一方、騒音、バードストライク等の環境への影響や住民等の反対が顕在化するとして、平成28年度から地方公共団体の協力を得て、風力発電に係るゾーニング導入可能性検討モデル事業を実施し、平成31年3月にはモデル事業の成果を踏まえ、風力発電に係る地方公共団体によるゾーニングマニュアルを取りまとめております。

 このマニュアルでは、環境保全と風力発電の導入促進を両立するため、関係者間で協議しながら環境保全、事業性、社会的調整に係る情報の重ね合わせを行い、総合的に評価をした上で区域を設定し、活用することとされております。

 市といたしましては、先日の5番加藤議員の一般質問への答弁のとおり、良好な景観を保存するため、ゾーニングを含めたガイドラインの改定を検討してまいりたいと考えております。

 また、この区域設定に当たりましては、環境省のマニュアルですとか、他都市の先進事例を研究するとともに、専門家の方々の意見もお聞きしながら検討を進めてまいりたいと考えております。以上です。

 

 

◆6番(草島進一議員) これに関しては、現在、意見書の提出や署名活動が行われております。

 この開発を止めるにはどうしたらいいか。まずは市としても市民も、この業者の環境影響評価報告書の作成の前に徹底的、また効果的な意思表明をすることだと思います。

 今、ゾーニングのこともありましたけれども、ぜひこれは効果的に、止めることに作用するように検討していただいて、意思表明などを行っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

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 次に、荘内病院の経営についてお伺いします。

 令和元年度決算書から分かることは、約17億5,200万円が一般会計から繰り出しが行われていること、また収支差引きが2億6,071万円の純損失となり、前年度に比べ2億307万7,000円の損失増加となったということ。累積欠損金は128億9,679万2,000円となったと、前年に比べて増加しているということでありました。赤字体質となっているのではないか。この状況についてお伺いします。また、今後の見通しはどうなっているのか教えていただきたいと思います。

 また、元年度稼働病床利用率が76.9%となっていました。100床以上空いているということであります。その要因は何か、今後の見通しはどうかお伺いします。

 

 

◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 荘内病院の経営についての御質問に順次お答えいたします。

 初めに、議員御案内の累積欠損金について申し上げますと、これは過去の単年度損益が積み上がった結果であり、資金の収支とは異なるとともに、借入金の累積を表すものではないものでございます。

 赤字体質となっていないかという御質問ですが、単年度の損益計算には、長期前受金戻入や減価償却費など現金を伴わない収入、費用が含まれております。そのため、議員御案内のとおり令和元年度決算では、万円単位で申し上げますと、2億6,071万円の純損失のうち荘内病院の純損失は2億4,866万円でありますが、現金を伴うものだけで計算する実質的収支は約3,800万円の黒字となっており、資金不足によって赤字経営に陥っているというものではございません。

 次に、実質的収支の状況についてでありますが、近年の状況を申し上げますと、平成25年度から平成29年度までの5年間は赤字の決算となっており、資金が減るという状況でありましたが、平成30年度は約7,200万円、令和元年度は約3,800万円の黒字となっており、改善傾向にあります。

 実質的収支の赤字が直接的な病院経営における資金不足に影響するため、まずは実質的収支の黒字化を目指し、資金確保に努めてまいりたいと存じます。

 なお、近年続けての消費税率引上げに伴い、医業外費用のうち控除対象外消費税の負担が増えており、実質的収支の結果に影響していると捉えております。

 次に、今後の経営見通しでありますが、令和2年度の現状については、11番議員の総括質問、25番議員の一般質問の答弁で申し上げたとおり、新型コロナ感染症の影響もあり、4月、5月の収益は大きく減収しました。6月以降、入院の診療単価が上がったこと、また病床稼働率や患者数がやや回復してきているものの、第2波も懸念されるため、収支を大きく改善させることは大変厳しいものとなっております。まずは、院内の感染対策を強化して、一般患者診療の維持に努め、併せて診療報酬の加算の取得や経費の見直しに取り組むとともに、国からのコロナ感染症専用病床に対する空床補償料なども申請し、財源の確保に努めてまいります。

 次に、令和元年度の病床稼働率が低下した要因についてでありますが、令和元年度の11月から3月までの入院患者数を見てみますと、対前年度同期に比べ1万575人減少し、年度全体の減少の約9割に相当します。これは、インフルエンザ等の季節性感染症の患者が少なかったことや、国内で新型コロナ感染症が発生したことが受診行動に影響を与え、結果として病床稼働率の低下につながったものと捉えております。

 今後の見通しについて申し上げますと、コロナ禍の影響を強く受けた今年4月から7月までの入院延べ患者数は3万9,898人で、前年度同期に比べ8,962人、約18.3%の減少となっており、これは不急の手術・検査を延期したり、患者自身が受診を控えたことによるものと考えております。

 このような影響は今後も続くと予想されますが、手術前等の患者のスクリーニング検査を行うなど、感染防止対策を強化し、一般診療を維持できるよう努めてまいりたいと考えております。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。

 再質問ですが、経営面の今後の見通しについて、病院建設の償還ですとか、医業収益の見通しですとか、繰出金の見通しですとか、令和2年までの中期経営計画ではどうなっているのか。また、その後の計画策定、見通しはどうかお伺いしたいと思います。

 

 

◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 再質問いただきました令和2年度を最終年度とする中期経営計画の状況と今後の見通しについてお答えいたします。

 今年度の元利償還額は総額で約13億4,300万円、このうち新病院建設に係る償還額は約10億500万円となっております。この新病院建設に伴う償還額は、令和12年度より順次減少し、令和15年度が最終の返済となっております。

 医業収益の見通しについてでありますが、先ほど申し上げたとおり、今年度はコロナ禍の影響により、中期経営計画で目標にしていた黒字化は大変厳しいものと捉えておりますが、今年度以降、現金を伴わない支出である減価償却費はかなり減少し、収支の改善に作用していくと見込まれます。まずは、先ほど申し上げたような対策に全力で取り組んでまいります。

 一般会計の繰出金については、20番議員の総括質問への答弁のとおり、総務省の基準により整理され、市と病院事業会計の状況により金額が決められております。なお、その金額は借入金の償還に対する部分が大きく影響するものであり、看護学校への繰出金を除く荘内病院への繰出金は、令和2年度は約16億7,800万円となっておりますが、繰出金の約六、七割は後年度に交付税措置されるものであります。

 コロナ禍による今年度の収支状況を踏まえ、今後とも病院経営の継続に必要な繰入れについて、市と協議が必要になるものと考えております。

 令和3年度以降の中期経営計画については、引き続き収入の確保、投資の規模、償還の平準化などを加味した新たな計画を策定し、経営基盤の安定化を目指してまいりたいと存じます。以上でございます。

 

 

◆6番(草島進一議員) 令和2年度以降の中期計画についても今お話しされていましたけれども、地域医療構想で掲げている2025年、大幅な人口減少、また患者数の減少、庄内二次医療圏の病床数が600床過剰となることが見込まれているわけですけれども、そうしたことを踏まえた見通しというのはどういうふうになっているのでしょうか。

 

 

◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 今、議員がおっしゃられました地域医療構想における病床数の余剰につきましては、次に計画する経営計画につきまして、今般のコロナ禍における専用病床の確保ですとか状況を見ますと、今すぐ余剰を減らすという状況については、慎重を期す必要があると思います。

 一方で、人口の減少ということは続いていくと思われますので、当地域の人口、そして急性期、回復期、慢性期、そうした病院の役割ごとに必要な病床というものをよく見極めて、慎重に対応、検討を行ってまいりたいと考えております。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 この地域医療構想を考えると、これまでの延長線上で考えることだけではなくて、鶴岡と酒田の連携だとか、あとは統合だとか病院再編なども視野に入れて踏まえていかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

 

 

◎病院事業管理者(三科武) なかなか難しい問題だと思っておりますけど、地域医療構想で示された病床数が果たして本当にちょうどいい病床かどうか。鶴岡地区におきましては、当院が新たに病院を建設したときに、我々のところは30床ぐらい減らしているんですね。今回、この地域医療構想が明らかになって、昨年あたりまでにこの地域としての入院病床はかなり減りました。それは、うち以外の病院ではあるんですけど、減っているわけです。全体として鶴岡地区の病床数は減少しております。

 今回のコロナのときに、我々のところに専用病床を確保しました。じゃあ、そこを空けるために患者移動が必要になりますと。どこへ行くかといったときに、かなり転院先が限られるというか、少なくなって大変であるというふうに思います。

 地域医療構想で適切な病床数を今後2025年までに決めなければいけない、あるいはそれを達成する必要があると言われますけど、果たして今回の災難を考えますと、本当にそれがちょうどいいのかどうかというのは、ちょっと疑問に思うところがあります。

 あと、この地域における病院の機能、確かに人口は減りますけど、お年寄りが増えてくるのは確かです。失礼ながら団塊の世代が今後どんどん増えていくんです。お年寄りが増えていって、患者数、有病率が増えますので、疾病構造が変化するとは思いますけど、ということで、病院の機能をある程度変化する必要はありますけど、全体としての病床数をどうするのかというのは、もう少し考えていかなければならないなと私は思っているところです。

 それに備えて病院の機能をどう変化するかについては、詳細に考えていきたいなというふうに考えております。以上です。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 コロナ禍の中で経営は大変だと思いますけれども、今後ともしっかりとやっていただきたいと思います。

 終わります。