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月別ア―カイブ: 3月 2014

平成26年度山形県一般会計予算 討論


草島進一です。

今議会に提案されている議39号、平成26年度山形県一般会計予算の一部に対して、又、請願58号についての不採択について反対の立場で討論します。

 

請願58号 の意見書の提出について不採択とすることについてであります

特定秘密保護法については昨年末 数万を超える市民の抗議デモの中、国会で与党の強行採決という目にあまる暴挙によって成立したものであります。現「特定秘密保護法」は国民の「知る権利」表現の自由、取材報道の自由を侵害し、民主主義、市民社会の根底を揺るがしかねないものであり廃案にすべきと考えます。よって請願主旨は妥当であり、意見書の提出に大いに賛同するものです。

 

議第39号 平成26年度山形県一般会計予算の一部についてであります。

●慶應先端生命科学研究所支援に対し、更に年3億5千万円の補助金を投入するその金額の根拠は未だ説明責任が果たされておりません。その金額の妥当性について疑問があり反対します。

 

次に、最上小国川ダム関連予算2億4千5百万円とダム本体工事の債務負担行為(36億2千万円)の認定について反対します。

 

森は海の恋人、そして川はその仲人であります。

「川の力が失われたら真実の漁業振興にならない」という信念の下、「県産鮎 放流事業」を全国に先駆けておこない、又 全国的な釣り大会を誘致し「ダムのない小国川」こそ観光資源。と漁業振興につとめてきた、小国川漁協 沼澤勝善組合長が2月10日、自死されました。

 

昨年末の漁業権更新時に、漁業権を楯にとり、ダム計画の協議に着かせるという、我が国の水産行政史上「前代未聞」の強引なやり方で漁協を恐怖と不安に陥(おとしい)れた県の手法は、違法性も指摘されており、行政の姿勢として絶対に許されるものではありません。

この不当な圧力行為については、先週末、全国500名を超える弁護士が参画する環境法律家連盟からも厳しく抗議する内容の決議文が寄せられました。

 

一昨年にはダム事業の違法性を指摘し執行を差し止める行政訴訟が提訴されています。又この1月に河川工学者ら150名の科学者から成る「ダム検証のあり方を問う科学者の会」からは「治水対策は河道改修で十分であり「流水型(りゅうすいがた)ダムでは、むしろ流域住民の安全を守ることができない。清流環境にも大きな影響を与えかねない」として治水計画の根本からの見直しの訴えがありました。

 

こうしたダム治水に異論を唱える数多くの科学者の知見を無視したまま、ダムのプロパガンダを続け、更に、漁協も求め続ける「ダムによらない治水」を今後一切協議する必要がないといった県の姿勢は、対話の県政を逸脱し、まるで3.11以前の原子力行政と同類であります。

 

ダム建設は、流水型とて環境を破壊し、知事が掲げる「自然と文明が調和する理想郷」と完全に矛盾します。清流小国川のほとりで、縄文の女神の時代から育みつづけてきた、独自の経済の姿を、知事は今、破壊しようとしているのではないですか。

 

最上川河口から小国川源流域まで約100キロのダムのない流域としての、いのちのゆりかご。生物多様性と共生する漁業振興。こうした価値こそ、私は次世代に伝えるべき宝と考えます。

 

又、赤倉温泉は、中心の旅館が倒産し、温泉街の老朽化が課題です。河道の拡幅などとともに旅館群をコンパクトに再生するなど、ダムに依らない河川改修事業は、老朽化した赤倉温泉街を再生させる絶好の機会であり、それこそ全国から人を呼び込む話題をつくります。

山形DCもおこなわれ、山形の観光 まちづくりの本質が問われる今、今一度 立ち止まって考えて頂きたい。

 

このダム事業が、今この時代に本当に流域地域から求められている事業なのか。と。

 

以上、持続可能な流域のため、ダムに依らない治水事業への転換を求め、反対討論といたします。

 



平成25年度一般会計補正予算第六号 最上小国川ダム関連予算について反対討論


議第120号 平成25年度一般会計補正予算第六号のうち。

最上小国川ダム関連予算について反対の立場で討論します。

 

県は最上小国川ダムの環境影響ついて「流水型ダムならば鮎などの生態に対して影響は小さい」等と流域に喧伝(けんでん)をしてきました。

●しかし大規模なダム事業には変わりなく、河道改修に比べれば環境影響は甚大であります。

又 昨年10月、京都大学防災研究所、水資源 環境研究センターの竹門康弘(たけもんやすひろ)氏は、実際に流水型ダムの先例である島根県益田川ダムを調査した結果、濁りの影響について、ダムの下流では平常時でも低レベルの濁りが継続した。流水型ダムであっても実際には透き通った本来の清流には戻りにくい。

●更に、ダムによる洪水のピークカットによる攪乱(かくらん)規模の減少により河川の生態は変化するが、小国川ダムは洪水調整量が大きく、鮎の産卵床や生息環境への影響や、鮎の品質を低下させる可能性は否定できない。として、長期的な観点から経済損失を検討し、事業計画の経済効果の計算に組み入れることが必要であると結論しています。

 これが最新の知見であります。県の最上小国川環境保全協議会には、この攪乱(かくらん)の減少による生態系の影響が検討されていないという重大な欠陥が指摘されています。

 県は改めて、これまで無視し続けてきた環境悪化による経済損失を踏まえ、ダム事業を再検討すべきであります。

 

 更にいえばこれまで流水型ダムがつくられた益田川は工場廃液が流れる漁業権を放棄した河川であり、石川県辰巳ダムの犀川も、上流に大型ダムがあります。年3万人釣り人が訪れ年21.8億円の経済効果。鮎だけで1億3千万円もの生産額がある、最上小国川ほどの「ダムがない清流環境」に、流水型ダムがつくられた先例はなく、環境悪化による社会的な影響は計り知れないのであります。

又、昨年 国の準絶滅危惧種に指定された県魚、サクラマスにとってはダムサイトを含め小国川全体が重要な産卵場 であります。

「生物多様性の損失を止める事を目標とする「生物多様性戦略の愛知目標に照らしても このダム事業は逆行するものであります。

 

治水対策にはダム以外にも代替策(だいたいさく)がありますがこの清流からなる河川生態系の恵みには、代替はありません。

 

先般、豊かな海づくり大会がおこなわれた熊本県では荒瀬ダムの撤去工事がおこなわれ、球磨川の清流が再生しはじめています。

 

その時代に,山形県では全国屈指の清流を、ダムの実験台にするのでしょうか。あまりにも乱暴な判断であり、環境悪化の経済損失を含め、様々な議論がないがしろにされているとしか思えません。

 

以上、ダムに依らない治水対策への転換を求め反対の討論とします