鶴岡市議会平成30年9月議会一般質問
1)6月議会でとりあげた「ジロデ荘内、シュタットベルケについて」
先ず、冒頭6月にとりあげた9月9日、「ジロデ庄内」ご協力ありがとうございました。大雨の中でしたけれども200キロ、65キロ、76人エントリー、無事皆様完走。私も65kmサポートライダー完走してまいりました。来年度1000人規模にするためにぜひ市としても更なるご協力をお願い申し上げます。
また、シュタットベルケについてですが、本日、日本シュタットベルケネットワーク1周年の日独のシンポジウムが国連大学で開かれ170名超満員とのことです。人口減少する地域を如何に持続可能にするかという視点で全国の自治体が動き始めています。今般、関係者をを招いて学んだり、可能性を検討できる環境省補助金をお伝えしていますので、ぜひ前向きにに取り組んで頂きたい。これは提言にとどめます。
2)西日本豪雨を教訓とした水害、防災、避難所改善 対策等について
この6月18日には大阪北部地震、7月6日西日本豪雨水害をはじめ当地でも床上、床下浸水などの水害が頻発しました。西日本豪雨では、満杯になったダムが本体を守るために、ダムへの流入量をそのまま放水する以上洪水時防災操作が8つのダムでおこなわれました。愛媛県肱川では、野村ダムの緊急放流により、水害を大きくしてしまい、5名の犠牲をだしてしまいました。もはやダムがあるから安全というのは通用せず、逆に危険なのだということは先ず教訓とすべきと思います。
私は6月24日大阪茨木市、7月10日には倉敷市真備地区に入り、それ以降、岡山広島と現地いりし、8月7日には今本博健 元京大防災研所長や大熊孝新潟大学名誉教授、山崎誠衆議院議員、高井たかし衆議院議員 柚木道義衆議院議員 ら、国会議員の現地調査団に同行しました。そして真備地区の水害の教訓から、「ダム偏重で命を守る事ができない」日本の河川行政の転換を訴える」という主旨で8月23日、外国人特派員協会で、河川工学の権威である大熊孝新潟大名誉教授、前滋賀県知事、嘉田由紀子氏による記者会見をコーディネートいたしました。今般はそれと当市の水害等を踏まえて質問します。
岡山県倉敷市真備地域の水害は小田川や支流、末政(すえまさ)川、高馬(たかま)川が決壊し4600世帯が浸水し51名もの犠牲。その9割が高齢者であり自宅で2Fにあがれないで亡くなる。痛ましいケースでありました。
昭和50年代から、堤防の強化の研究を行ってきた大熊 孝 新潟大学教授は小田川の河道内に繁茂していた樹木が流下能力を下げていた事を指摘し、河川整備とともに「堤防の強化」の必要性を訴えました。日本の堤防は基本的に越流すると直ぐに決壊してしまう土堤で、脆弱なものであると指摘。堤防の強化については連続地中壁工法、TRD工法など様々な技術があり。それをおこなっていれば今般のような被害にならなかったと強調されました。それを踏まえ提言いたします。私は、赤川等の堤防の強化を国県に働きかける事を提言いたします。
又、嘉田前滋賀県知事は滋賀県で2014年に先例をつくった「地先の安全度マップ」と、ハードソフト両面で「どんな洪水であっても命だけは守る」流域治水政策を訴えました。
現在、市が市民に配布しているハザードマップは、大河川からの1000年に一度の洪水氾濫が想定であります。それに対して、川からの洪水だけではなく、豪雨により10年100年200年確率で浸水被害が地域によってどの程度出るか、用水路や下水道など内水氾濫などを加味し、その危険度を表したのが滋賀県が2014年に作成し公開した「地先の安全度マップ」です。 鶴岡市内でも駅前の床上浸水など、現在のハザードマップでは反映されない用水路や下水等の内水氾濫などによって今般床上床下浸水がありましたが、これを踏まえ、地先の安全度マップが我が市でも必要と感じました。
今般の100年に一度確立の豪雨で実際に浸水した箇所を書き込んだり、国や県の情報を共有し、早急に整備をされることを提言いたします。
危機管理監 佐藤利洋
一に地先の安全度マップの整備についてお答えします。
地先の安全度マップは、大河川だけでなく、中小河川や農業用水路、雨水、側溝があふれた場合、河川氾濫だけでなく、内水氾濫も考慮してシミュレーションした最大浸水深図であり、10年に1度の大雨が降った際にどこでアンダーパスの冠水や床上、床下浸水が発生するかを示すなど、さまざまな治水対策を検討する基礎資料として活用することを目的に滋賀県が独自に作成したものとお聞きしております。滋賀県はその結果を市内の各市町ごとに公表し、各市町はハザードマップに組みこんで活用しているものと伺っております。
山形県におきましては、今のところ地先安全度マップの作成の予定はないとお聞きしておりますが、この整備につきましては、大変な時間と労力が必要と伺っており、市レベルで単独での作成は困難なことから、県の動向を注視して参ります。以上です。
建設部長 増田 享
それでは建設部からは議員より提言がございました堤防の強化についてお答えいたします。国土交通省におきましては、昨今の激甚化が著しい水害などに対しまして、防災に対する住民理解を高める意識社会への転換を図りながら、ハード、そしてソフトを総動員いたしました防災、減災対策を推進するとうかがっております。国では、これまでも赤川の出水対策整備を行ってきております。今年度も洪水氾濫を未然に防ぐ対策として、河道掘削、そして聴き管理型ハードル対策としての堤防強化工事にこれから麹に着手するとのことでありますが、強化が必要な箇所は順次整備をする予定であると伺っております。提言いただきました内容につきましては、市としても重要な事項として受け止めておりますけれども、ただいま提言いただきました内容につきましては機会を捉えまして堤防強化についても要望活動などの際にお伝えしたいというふうに思います
草島
ありがとうございます。ぜひ前向きに捕らえて県、国にしっかりと提言をしていただきたいと要望していただきたいと思います。
防災について続けます。
災害時要支援者マップ これ要援護者マップと言う方もいらっしゃいますが、これは2004年の新潟水害で垂直避難ができないがたために高齢者が溺死したケースの教訓から全国で進められてきた取り組みなんです。残念ながら今回の倉敷真備では活かされませんでした。わが市の状況はいかがでしょうか。充実させていたくなどと答弁がありましたが、改めて今回の真備地域の教訓からきちっと学んで、全域整備状況を確認するとともにリスクの高井ところはしっかりと整備をしていくように、これはお願いしたいと思います。
次に防災士についてであります。市が把握されている防災士が現状19名ということでありますが、先般大阪北部地震の際に訪れた茨木市では、実際の避難所などの現場で地域防災のリーダーとして市が提供したベストを着用した防災士が大活躍しておりました。市に伺うと、年間6,7回市が主催する防災士部会の研修会などで研修を積み、防災訓練などでも役割を果たしているとうかがった。市も地域防災の講習等はさかんにおこなっておられるとおもいますけれども、研修した防災士も連動させ、実際の災害の際に役割を担う仕組みが必要と思うがいかがでしょうか。
またもう一つ質問を続けます。私は所属するNPO等を通じ、2004年中越地震の被災地支援からプライバシー確保、エコノミークラス症候群防止の観点でテントや簡易ベッドの普及の活動をおこない、熊本地震からはエコノミークラス症候群の日本の権威である新潟大学 榛澤和彦先生を代表理事とする避難所避難生活学会の先生方と「災害関連死ゼロを目指し、避難所の風景を変えよう」を掲げ簡易ベッドの普及の活動をおこなっております。。今日お配りした参考資料は学会の先生方と共同執筆し5月発刊した書籍であります。今般大阪北部地震では茨木市職員用にキャンプ用ベッドを貸与し避難所で段ボールベッドを並べました。
又西日本豪雨では、7月10日に倉敷市にキャンプ用ベッドを11台提供し13日に真備地区の避難所で段ボールベッドを搬入し、14日にその避難所 薗省の避難所ですけれど、約300名被災者全員をベッド生活に変える事ができました。
榛澤医師によれば避難所はゴミ、埃、衛生面を考慮したり、起き上がりやすさを考慮すれば、病院と同様にベッドが必需品を標準にしてほしい。ということであります。難民支援のための最低限の基準であるスフィア基準でもベッドは必需品になっています。
今般は、政府によるプッシュ型で配備したはずのベッドなのですが、自治体でかなり捉え方にばらつきがあり未だにならんでいないところもあるというのが現状でございます。
又、被災地で自治体職員は寝る暇もなく災害対応に追われるのが常でありますが、これまでの被災地で地べたに布団や寝袋で仮眠する光景も何度か目にしました。
こうした経験から提言をしたいんですが、私は当市では避難民全員にベッドを支給すること。職員には簡易ベッド等で仮眠を取る、を常識にしていただきたいと思います。 小規模災害の避難所対応、市役所職員用そういうことをとして50台〜100台程度のキャンプ用ベッド、コットを早期に備品として整備されることを提言します。
段ボールベッドも速やかに並べられるように、導入に際しての協定を結ぶことを提言します。
ドーム型のキャンプ用テントは体育館などの避難所で着替えやプライバシー確保に有用であり、少数からで結構ですので整備を提言します。又、車中泊の避難も十分想定されますのでエコノミークラス症候群対策として、弾性ストッキングが非常に有効とされております。これは市民の皆さんにぜひ呼びかけて頂きたい、これを提言をいたします。答弁を求めます。
危機管理監 佐藤利洋
それでは最初に防災士の連動についてお答えいたします。
防災士は認定特定非営利法人日本防災士気候が認証する民間資格であり、山形県では平成27年度からの地域の自主防災力強化のため、自主防災組織における訓練の企画、指導や防災知識の普及活動、災害発生時における応急対策活動に当たられる人材の育成を目的に、防災士の養成事業にとりくんでおります。本市でもその事業を活用し、受講を希望された19名の方が市の推薦を受け、地域における防災活動や避難所の開設運営、災害発生時の仕組み、災害に関する情報などについて研修し、防災士の資格を習得されております。個人の資格であるため、県外や他機関で習得された方につきましては、把握できておりませんが、県の事業で所得した10名につきましては、自主防災組織や消防団など各自所属する地域や組織で習得、研修で言えた知識を活用し、積極的に活動に当たられ、それぞれの立場で市と連動して、本市の防災力の向上に貢献していただいているものと認識しております。
次に職員用簡易ベッドの整備についてお応えします。被災地の自治体職員については、厳しい環境の中で災害に対応されていると伺っております。簡易ベッドの整備につきましては、配置場所の確保といった課題もあるかと思いますが、実際に導入している自治体の調査をするなど検討をしてまいります。
次に段ボールベッドにつきましては、最近では熊本地震や西日本豪雨災害における避難所で費用実績から簡易ベッドとともに被災者の疲労を軽減するものと認識しております。本市でも今年度検証用としてダンボ0-ルベッド4台を購入いたしました。今月23日の鶴岡市総合防災訓練において使用し、実際に参加者から組み立てや寝心地を体験していただきます。こうした訓練での使用による検証の他、被災地での使用状況についても調査研究してまいります。
災害救助法に該当sする大規模な災害になった場合は、国から救援物資として被災自治体に供給されますが、届くまでに日数を要しますので、避難所に速やかに供給できる体制作りとして、協定を締結することは有効であることから、段ボール製品の供給に関して協定を締結している他の自治体を参考に検討してまいります。
次に避難所におけるテントの整備についてお答えします。本市では、避難所のプライバシー確保対策として、避難所の施設内に更衣室を設け、着替えや妊婦授乳者などのスペースとして利用するほか、間仕切りを活用した居住スペースの確保を想定しております。しかし、長期間にわたる避難所生活において、被災者のプライベートな空間の確保として、テントも有効な手段の一つであると認識しております。今後被災自治体の使用例やスペース面の課題などを調査研究してまいります。
次に災害関連死ゼロを目指した必要な物資の整備についてお答えします。熊本地震では亡くなられた269名の内、災害関連死は214名にのぼり、避難生活の疲労や環境の悪化が大きく影響しているものと認識しております‘。避難所ではふだんどおりの生活ができず、被災者はさまざまなストレスを受け、災害関連死の原因となるエコノミークラス症候群や感染症が発生しやくなるため、避難所生活における災害関連死の予防策や被災者の移住空間の確保についても、さらに検討する必要があると考えております。議員ご紹介の弾性ストッキングは、下肢に圧力を加え、うっ血症状を改善するストッキングであり、主にエコノミークラス症候群を防止する効果を持つとお聞きしております。’
本市では、発災後に不足するトイレや寒冷地の対策として、暖房器具の配備に取り組んでおりますが、弾性ストッキングなども含め今後更に被災自治体から避難所で必要とされた物資について、情報を収集し、被災者のケアについてもあわせて調査研究して参ります。以上です。
草島 ありがとうございます。
難民支援のためのスフィア基準では一人あたり3.5m2 最低畳2畳の確保が必要。女性用トイレは男性用の3倍必要。イタリアの被災地では24時間以内にベッドが並び、あたたかい食糧が振る舞われ、ストレスなく使えるトレイラー型のトイレが配備される。74時間以内には家族だけのスペースが確保できるエアコン付きのテントが支給される。それを基準に備蓄すべしと言うことは学会で掲げて国に提言をしているが、鶴岡市でも災害関連死ゼロを目指し必要な物資を整備しておくことを提言いたします。
3)ソーラーシェアリングについて
次にソーラーシェアリングの導入検討について質問いたします。
先日、千葉県の匝瑳市とともに、秋田県の井川町を訪れ、米づくりと太陽光発電による売電事業を並行して実施しているソーラーシェアリング実証事業の実例を見てきました。昨年の5月から事業を開始しており、稲作を行っている水田内約4Mの高さに細型のソーラーパネル70キロワットを設置しているもので、昨年の米の収量の実績は480㎏で、平年収量の540㎏に対し約1割の減収であったのに対して、売電実績は想定計画より7%ほど多い、年間の売電額では162万円ほどの実績との事でした。
また、架台やソーラーパネルの設置費用は約1,500万円程で、再生可能エネルギー固定価格買取制度による現在の売電価格による償還は11年程度で完了し、その後は利益が出るとの試算であると伺いました。今、若手農業者の支援として地元の信用金庫も融資メニューを組み立て、更に井川町では利子補給をおこなう事を検討する等、地域をあげての取り組みをおこなう姿勢がみられました。
こういった取り組みは、農業者の所得向上につながり、農業を持続可能にする道かと思います。ぜひ本市でも水田を活用したソーラーシェアリング導入に向けて実証実験などを進めては思いますがいかがでしょうか。市の所見を伺います。
農林水産部長
まず最初に、本市において農地を転用し、発電だけを目的に太陽光発電施設を世知している件数につきましては、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が開始された平成24年度から29年度までの6年間で11件、面積にしますと1.8ヘクタールとなっております。一報で、ご質問のソーラーシェアリング、いわゆる営農型太陽光発電はm、農作物を作付けしているほ場の上に、発電パネルを設置して農産物の生産と売電を同時におこなう営農形態であり、農業所得の向上につながることが期待されますが、本市においては、これまで導入している実績がないのが現状でございます。
議員からご紹介がありました事例を含めまして、ソーラーシェアリングの取り組みは平成28年度までに全国でみますと1269件になっておりますが、いずれもまだ小規模の実証段階のものになっているようでございます。また、太陽光発電施設を設置する際の課題の一つとして、優良農地は設置できないことや近隣の農地への影響を及ぼさないことのほか、農地からの収穫量を地域平均の8割異常に確保する必要があることなどが農地法上の制限がございます。さらに、発電施設の導入費用についても、一般的に10アール辺りで1000万円か2000万程度を要し、高額なものになりますと、そのほかにもパネルや支柱の設置により防除や草刈りなどの農作業が煩雑になるとの課題もございます。県でも一部実証してございまして、その中でワラビやミョウガでの実証実験では、売電単価によっては設備の耐用年数内に導入費用を回収できないおそれがあるとの結果もありますことから、採算性を十分に検討した上で導入を進めていく必要があるというふうに考えてございます。
ソーラーシェアリングにつきましては、これまで申しあげましたように、課題も多くありますが、これからの本市の農業振興、さらには再生可能エネルギーの導入拡大にとりましても、大切な視点の一つでありますので、引き続き情報収集をおこないながら、県をはじめとしする研究機関やJA等とも連携し、どのようなカタチで実証が可能か検討を進めて参りたいという風に考えてございます。以上です。
草島 ありがとうございます。ぜひ部長、現場を見に行って、どんな状況なのかを確認をして、ぜひ来年も実証実験、国のお金つきそうですからぜひ検討していただきたいと思います。
4)慶応大学先端研究所について
次に慶応先端研の質問をおこないます。
今般第四期の最終年になります。今年度まで18年間、市は補助金、出資金、施設整備合わせて69億2100万円。県や周辺町村と合わせると171億7500万円税を投入してまいりました。これまで170億円の税の投入をもとに先生方や研究者のみなさまも頑張って頂いて、上場するベンチャー企業も産み出し、また地域開発にも着手でき、一定の成果を産み出したものと私は捉えています。しかしながら、当初計画を立てた平成13年のころはまだ今後は人口は微増するかもしれないと当局が答えていた時代でございまして、1200人ずつ人口減少している今は、全く環境が異なっております。今後も年間3億5000万円の市の税金を固定費のように注ぎ続けるべきか、私は今全ての課に最大5%シーリングをかけざるを得ない財政の現状を踏まえれば、限界に達しているんじゃないかなと思うんです。
提案をします。今必要なのは 、経済波及効果を500万円かけてそれを県の検証にかけるということではありません。今、必要なのは、オンブズマンの視点でこの3億5千万円の税の投入を現状600億しかない市財政でおこなうことが公共投資として適切かどうかを忖度抜きで、客観的に観ることができる有識者を集め、市が主体となって検討する第三者委員会屋事業仕分けのような手法で、できる限り市民にオープンなかたちで検証すべきではないかと私は考えますけれども如何でしょうか。
企画部長 高坂信司
慶応先端研の補助金についてオンブズマンの視点で検討する第三者委員会などをつくり、そういったカタチで検証すべきではないかという主旨のご質問かとうふうに思います。
慶応先端研の取り組みへの支援につきましては、現在県が中心となって慶応先端研の研究成果などの評価会議を設置し、第四期協定における評価検証作業を進めているところでございます。また、市では独自に取り組んでいる経済波及効果分析の中で、地域の経済波及効果の将来予測やサイエンスパークの取り組みをのばしていくための課題の分析をおこなうなどして、これまでの政策の評価検証をおこない、新たな協定の締結や支援のあり方について検討することとしております。
評価会議の評価結果は、県のホームページで公表されることになっております。県の評価会議は
研究成果、地域貢献度、人材育成などに精通した専門家で構成されており、きゃっkン的かつ公平、厚生な視点で評価がなされておりますので、新たに第三者委員会が必要とは考えておらないところでございます。なお、研究教育活動に対する市の補助金3億5000万円につきましては、支援内容やその使途について、市民への透明性を高め、幅広い理解が得られるよう情報提供につとめてまいりたいというふうに考えております。
草島
今、お答え頂きました。県の検証というのは、県の財政6000億円で3億5千万円の当市が適切かという、そういう検証にならざるをえないんです。私どもは600億の財政で3億5千万円、適切なのか、これ極めて高度那政治判断が必要だと思いますけれども、それをやるにあたってのいろんな素材が必要だと思うんです。それと、今、透明性を確保すると入ったけれども、透明性確保されていません。ほとんど何やっているかわかんないし、どういうチェックをして毎年慶応側からていじされているもの、この研究だったら適切かということをきちっとやっているか。今回、宇宙生物学の研究とか、何か最近バドミントンの話もでていますけれども、何か、たがが外れているんじゃないかと思うんです。きちっとちぇっくする仕組みが、今の時代にふさわしいチェックの仕組みが必要だと思いますけれど、市長いかがですか。このままいきますか。
市長 皆川治
慶応先端研への取り組みの支援につきましては、先ほど企画部長から答弁もうしあげましたとおり、県の評価委員会の中で評価をおこなう事としております。その上で、この補助金、市としても3億5000万円という額は非常に大きな額でございますので、透明性を高めて市民に情報提供していく必要性があるということは、ご指摘のとおりだというふうに思っております。補助の実績につきましては、毎年度実績報告所というものも頂戴しております。‘こうしたものももう少し市民の方に分かり易く情報を提供できるようなしくみづくりについて検討してまいります。
草島
千葉県ではかずさDNA研究所というのがあるんですが、補助金の削減スキームを今組んでいます。自治体の補助金依存体質から段階的に独立させることは、持続可能な研究所の畝井としても重要であることが述べられておりまして、今、研究所からスピンアウトした企業で上場しているところもあります。そうした企業が自分たちを育ててくれた研究所を支援していく、基礎研究を支えていく、これは一私企業として当たり前のことなんです。こういうカタチのことをスキームとして加えて、段階的に市、県の補助金を削減する。来年は5000万円削減するとか、一億円削減するとか、削減のスキームをあわせてぜひご検討頂きたいとおもいます。そしてあくまで市が主体です。
6000億もっている県は主体ではありません。あくまで600億円しかない財政の中で、3億5千万円本当に出していいのか、これ、市民がきちっとわかって出すならいいけど、これまでの不透明な前、市政、前前市政かわかりませんが、そこから不透明なかたちで、誰も何も言えない。そういったかたちで進んできた。これはやっぱり変えていただきたいと思います。
以上で終わります。
鶴岡市議会平成30年6月議会 議事録
◆6番(草島進一議員) 草島進一です。通告の順番を若干変更しまして質問させていただきます。
まず、地球温暖化対策と庁舎エコ改修について。皆様にお配りさせていただいております4月1日発刊しました岩波書店「世界:再エネ革命」というものに、日本の自治体を持続可能にするためにというシュタットベルケの論考と取材記事を書かせていただきました。そして、この4月、議会本会議と重なって大変申しわけございませんでしたけれども、在ドイツ日本大使館、川又参事官様がコーディネートされたシュタットベルケワークショップとして小田原市長様、新電力会社、ガス会社の方々30名とともに17万人のオスナブルック市、またフライブルク市を訪れ、市やシュタットベルケの幹部の方々、シュタットベルケ連合、ヴッパタール研究所、そうした方々と意見交換をしてまいりました。ドイツで私が見てきたものは、パリ協定の温暖化対策で加速するドイツのエネルギーヴェンデ、エネルギー転換としての省エネ、再エネの普及という投資事業の現場、多数の風車、10分ごとにやってくるトラム、どこでも乗り捨て可能な電気自動車のカーシェアリングなどであり、まさに第4の産業革命といった現場でありました。そして、人口減少で破綻しかねない水道事業やバス事業などの公共サービスを再エネの収益で包括的に運営する自治体出資のエネルギー公社、シュタットベルケでありました。それを踏まえて質問行います。
まず、温暖化対策であります。ドイツ政府は、2050年までにCO280%から95%削減するため、再エネ電力の割合を80%に高め、1次エネルギー消費量を50%に半減させるというエネルギー転換を明示し、2022年には脱原発、さらに脱化石燃料へと政策を強力に推進をしております。2017年には再エネ率35%を実現しています。エネルギー転換は、新たなビジネス分野を開拓し、イノベーションを刺激し、経済成長や雇用を創出するものであり、エネルギー自給を高め、持続可能な地域社会づくりに貢献するものとしておられました。私が訪れた17万人の都市、オスナブルック市は、こうした国の方針を受けて、2050年までに電力を再生可能エネルギー100%とすること、暖房や冷房のエネルギーを再生可能エネルギー90%にすること、交通体系のエネルギーを再生可能エネルギー60%にすることを目標にしていました。そのため役所や学校、公共建築物の省エネ改修の投資事業を行い、自治体100%の出資の地域電力会社、シュタットベルケが電力事業とともに水道、下水道、公共交通、ガス、ごみ焼却プラントなど公共サービスの運営を900名のスタッフ、そして年間600億円の予算で行っておりました。実感したのは、自治体の温暖化政策というのは省エネ、再エネの投資などのエネルギー転換政策、産業政策と一体で進めるものだということであります。
さて、当市のパリ協定後の温暖化対策ですが、2050年の目標をどのように掲げておられますでしょうか。温暖化指針を見ても、鶴岡市のエネルギービジョンを見ても、具体的な目標が見当たらないのでございます。再生可能エネルギー利用、また省エネ投資の目標についてお示しください。
◎市民部長(白幡俊) 本市の地域温暖化対策における2050年の目標についてお答えします。
国ではパリ協定を踏まえ、平成28年5月13日に閣議決定された地球温暖化対策計画において、2013年を基準として2050年までに温室効果ガスの排出量を80%削減することを目標に掲げております。本市におきましても今年度4月に策定いたしました第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画において、温室効果ガスの排出削減目標を国の計画に準じて2050年までに80%削減を目標としております。このような大幅な排出削減目標の実現には、省エネのさらなる推進と再生可能エネルギーの普及、拡大が重要であると認識しております。また、鶴岡市エネルギービジョンにつきましては地球温暖化対策実行計画と密接に関連する本市の将来を見据えたエネルギー政策の指針であります。議員御指摘のとおりエネルギービジョンには目標は定めておりませんが、再生可能エネルギーの推進に取り組んでおり、これまでの導入実績といたしましては市の補助金制度を活用して市民や事業者が導入した太陽光発電設備が265件、再生可能エネルギー設備を整備した小中学校などの公共施設が28施設ございます。本市といたしましては、今後ともエネルギービジョンに基づき、多様な地域資源を生かした新たなエネルギーの創出を目指して引き続き着実な推進に努めてまいりたいと存じます。
以上です。
◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。一連の取り組み、本当に御苦労様です。しかし、国も2050年に再生可能エネルギーどれだけにするかと示していない。自治体も示していないのは当然のことかと思いますけれども、しかしながらこの我が国の政策については環境政策のシンクタンク、ジャーマン・ウオッチ2018レポートによれば、日本の温暖化対策というのはG20の中でも16位、世界の主要国と比べますと50位であり、石炭火力をさらに48基も新増設するという姿勢が世界の環境NGOから非難されている状況だということであります。
再生可能エネルギーの状況ですけれども、世界の実情は2017年末で原発が約400基、392ギガワットあるんですが、それに対して風力発電544ギガワット、太陽光発電402ギガワット等、ほぼそれぞれ単独でもう追い抜いているんです。物すごいスピードで普及し、投資や技術革新が進化しているのが世界の情勢でございます。SDGsでは、2030年まで再エネの拡大を掲げております。そして、今国よりも先に企業や自治体でRE100%、利用する電力を再生可能エネルギー100%にするという国際イニシアチブが2014年から始まっておりまして、アップル、グーグルなど100社を超える多国籍企業を初め日本でもリコー、積水ハウスなど、また先週末には我が国の環境省が利用電力のRE100%を上げ、取り組みを始めました。自治体では世界中で約1,000地域の自治体が再生可能エネルギー100%を掲げ、昨年9月に行われた地域再生可能エネルギー国際会議2017では長野県、小田原市など2県6市が再生可能エネルギー100%地域宣言を表明しております。目指すべきゴールを掲げ、バックキャスティングで向かうRE100%宣言。市民にもわかりやすく温暖化やエネルギー転換を伝えるにも大変有効だと思います。
そこで、鶴岡でも再生可能エネルギー100%地域を掲げ、再生可能エネルギー導入と省エネ改修にはずみをつけてはいかがでしょうか。これお伺いしたいと思います。
また、温暖化対策とエネルギーシフトで最も効果的と言われているのが省エネ、断熱改修の社会的投資であります。我が市とも森林文化都市で関係のあるフライブルク市で、エネルギー転換の最前線と紹介されたのが市営住宅の断熱改修でありました。また、フライブルクには新市庁舎が建設されたんですけれども、ゼロエネルギー建築を超えたエネルギープラスの建築でありました。今日本の政府、環境省、経産省、国交省連携してネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ZEHと呼びます。それから、ネット・ゼロ・ビルディング、ZEBと呼びますが、そうした政策を推進しているようです。私たちの市の庁舎ですけれども、ぜひ今後計画していると伺っている耐震改修とともに、こうしたネット・ゼロ・ビルディング改修として徹底した断熱改修の投資事業を行い、投資の温暖化対策の先駆例にされてはいかがかと提案をするものです。伺います。
◎市民部長(白幡俊) 私のほうからRE100につきまして、先ほど議員御紹介のとおりRE100につきましては事業運営を100%再生可能エネルギーで調達するということを目的に掲げる企業が参加する国際的なプロジェクト。現在RE100には参加している企業は全世界で136社、日本企業ではイオンなど7社というふうに承知しております。また、国内自治体におきましても平成29年9月に長野県で再生可能エネルギーに関する国際会議が開かれた際、再生可能エネルギー100%地域を目指すという2県6市の長野宣言が採択されております。このような動向を鑑みますと、RE100%を目標に掲げることは意識啓発として意義あることだと存じます。今後さらなる再生可能エネルギーの活用推進につきましては、先進事例を参考にしながら調査研究してまいりたいと存じます。
以上です。
◎総務部長(高橋健彦) 続きまして、今後計画している市役所本庁舎の耐震改修とともに、徹底した断熱改修工事をしてはどうかとの御提言についてお答えいたします。
現在の市役所本庁舎は、昭和56年に竣工した建物でございまして、災害時には防災活動の拠点として機能しなければならない施設ということで、耐震診断では震度6強から震度7程度の地震動で倒壊する危険があると判定されております。このため山形県の耐震指針に基づきまして、平成31年度、32年度の2カ年度で国の緊急防災・減災事業債を活用いたしまして、総事業費約13億円を見込んでの耐震補強工事を行う予定といたしております。この改修工事によりまして、熊本地震のような繰り返しの地震動でも倒壊しない耐震性能を持った建物とするものでございます。この耐震補強工事が本庁舎にとって喫緊の課題というふうになっているわけでありますが、このほかにも本庁舎については電気設備や衛生設備が老朽化しておりまして、それらの改修等も順次行っていくということで、一度にこれらを実施することは財政的にも非常に難しく、優先順位を定めて順次実施している状況であります。議員のお話にございました温暖化対策としての庁舎のエコ改修を図ること、これは大変意義のあることと存じます。しかし、庁舎改修を取り巻きます今申し上げたような状況からしますと、温暖化対策としての改修ということでありましてもその改修による費用対効果、これについては見きわめざるを得ないということで、庁舎改修全体としての優先順位を定めまして、計画的に実施していかなければならないものと考えております。
費用対効果に関してですが、例えば断熱改修としては一般的に窓ガラスの複層化や二重窓にする方法、外壁や屋上に断熱材を取りつける外断熱改修、こういったものが考えられますが、いずれも相当の費用を想定する必要がございます。仮に本所の窓ガラスを全てペアガラスとした場合の概算でございますが、約2億円以上の工事費が見込まれます。ペアガラスにした場合の一般的な省エネ効率と費用対効果、こういったことで概算いたしますと消費電気換算で投資回収まで計算上ですが、50年以上かかるというようなことで試算になります。こうした改修事業の費用対効果の見きわめに加えまして、今回の耐震補強工事自体が現在の庁舎を使いながらの改修工事ということになる関係で、工事エリアをそれぞれ区分しながら施工エリア、施工期間を短縮しながら設定していく必要がありまして、また予定している有利な財源を活用するためには平成32年度までに完了する必要があります。こうした状況を総合的に考慮すれば、耐震補強工事とあわせて徹底した断熱改修工事を実施するというのは難しいというふうに捉えております。第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画の目標達成に向けて、庁舎の省エネ化につきましては引き続き研究、検討してまいりたいと存じます。
◆6番(草島進一議員) RE100については、ぜひ実践をしていただきたいと思います。
それから、ネット・ゼロ・ビルディングについてですけども、環境省メニューに来年度も補助メニューがあるようです。ぜひ自前でやらなきゃいけないから、だめだというふうに決めつけないで、せっかく足場組まれるわけですから、それの足場を使って、耐震改修とともに断熱改修をやる窓を、今ダブルガラスとか言ったけど、LOW―Eガラスですから。LOW―Eガラスに切りかえなかったら断熱改修できませんから。ぜひ今政府も打ち出しているZEBというこのビルディングについては、ぜひ建築課、建築担当の方々もぜひ学んでいただいて、この補助メニューも含めて、ぜひしっかりと御検討いただきたいというふうに思います。
それでは、次にシュタットベルケと自治体電力についてお伺いします。資料もう一枚配付させていただいております。シュタットベルケについては、5月6日の日経新聞1面で家庭の太陽光19年問題という記事の中、ドイツの先行例として掲載されております。それで紹介しますと、地域エネルギー公社、シュタットベルケが地方都市など約1,000カ所に拡大、太陽光や風力を使い、地元の企業や個人がつくった電気を買い取り、地域に再供給する。その収益で交通機関や生活サービスを運用し、30万人雇用も生んだと紹介されております。国会でも5月16日、山崎誠衆議院議員がシュタットベルケを紹介し、その質問に対して世耕経産大臣も有意義であると理解は示しておられました。私は、この本に日本版シュタットベルケこそ日本の自治体を持続可能にする鍵だと書き、ドイツ現地に行ってさらに確信を深めました。
そして、質問します。シュタットベルケについては勉強会から一歩踏み込んで、有識者とともに市役所として事業可能性を調査研究する組織をつくり、検討を始めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎市民部長(白幡俊) シュタットベルケと自治体電力についてお答えします。
一般社団法人日本エネルギー経済研究所の調査によりますと、自治体電力について自治体からの出資、または支援と捉えた場合現在国内において32の事例がございます。うちシュタットベルケに最も近い事例といたしまして、福岡県みやま市のみやまスマートエネルギーと千葉県睦沢町のCHIBAむつざわエナジーの2つの事例が紹介されております。それぞれ再生可能エネルギーを活用し、成果を上げていると評価される一方、電力の調達、発電設備等の整備、送電線容量、安定した事業経営、そして市民、企業のエネルギー転換への理解と協力など課題として指摘されているところもございます。このような課題もありますことから、エネルギーをめぐる情勢の変化や国、県の動向などを注視しながら、当面関係課において調査研究してまいりたいと存じます。
以上です。
◆6番(草島進一議員) ぜひ研究を進めていただきたいと思いますし、きょう山田議員も紹介されておりましたけども、明治33年に水力発電を始めた鶴岡水力発電所、東田川郡営電気事業というのがありまして、加藤議員が書籍にまとめてくださいました。後にこれ東田川町村組合運営となりますけれども、そこで電力の収益から育英事業の強化など、公益事業を営んでおられました。まさにこれシュタットベルケだと思います。こうした歴史のあるところでもありますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
それから、1つ情報提供したいと思いますけれども、鶴岡市内でのエネルギー消費支出という統計があります。これ灯油だけで55億円で、ガスや電力含めると年間415億円が地域、外から購入することでお金が流出しているという、そういう資料であります。これを地域で生み出すエネルギーにかえることで400億円のお金が地域に回ることになる。そういうことを踏まえていただいて、このシュタットベルケやまたエネルギーシフト、ぜひしっかりと政策として御検討いただきたいと思います。
次に、月山ジオパークについてお伺いします。月山ジオパークについては、6月7日、総会もあったとのことであります。現在検証が行われているようですが、前回の登録に至らなかった理由はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。また、現状月山ジオパークのサイトに旧鶴岡市域などが入っていないようですけれども、理由をお尋ねします。
◎羽黒庁舎支所長(國井儀昭) それでは、ただいま2つの御質問でございましたので、初めに前回の登録に至らなかった理由について御答弁させていただきます。初めに、平成29年度より月山ジオパーク推進協議会の事務局を担当しておりますので、羽黒庁舎からお答えするということで御了解いただきたいと思います。
まず、日本ジオパークネットワークへの登録に至らなかった理由でございますが、まず月山ジオパーク推進協議会の設立経過としては平成25年度に西川町の呼びかけによりまして月山周辺の鶴岡市、庄内町、戸沢村、大蔵村の5市町村の協力のもと、日本ジオパークネットワークへの加盟、認定に向けて取り組むことの合意形成が図られまして、平成27年3月に月山ジオパーク推進協議会が設立されたものであります。この協議会の目的とするところは、月山周辺地域の地質、自然環境、歴史、文化等生かした観光交流の推進、自然科学への認識の向上及び郷土への愛着や誇りの醸成を図り、地域の持続的な発展に寄与することであります。登録に向けた具体的活動としては、平成28年4月に加盟申請書を提出し、5月にプレゼン、8月には現地審査に対応しておりますが、残念ながら結果としては認定見送りとなり、現在は準会員として活動をしております。
審査の際に日本ジオパーク委員会から示されました総合評価におきまして、月山ならではのジオストーリーが十分にでき上がっていないことや強力なコーディネーターの確保及び開設板やパンフレット類など、受け入れ面の整備など10項目につきまして今後改善すべき事項として指摘を受けたところであります。また、全体的に申請までの準備期間の不足や地域住民のジオパークに対する関心の低さも指摘事項の一つでございまして、いま一度具体的な戦略と計画のもとに活動の積み重ねが必要という理由であるというふうに認識をしております。
もう一つですが、月山ジオパークのサイトに旧鶴岡市が入っていない理由でございます。これは、月山ジオパーク構想が立ち上げされる以前におきましても月山サミットや月山アルカディア構想など、月山を取り巻く西川町初め旧羽黒町、旧櫛引町、旧朝日村、旧立川町、戸沢村及び大蔵村の7町村で月山を観光資源として広域観光振興や地域の活性化を目指した施策が展開された経過がございます。したがいまして、こうした経過を踏まえまして、鶴岡市の中では月山ジオパークのエリアとして位置づけられている地域は羽黒、櫛引及び朝日地域でございまして、庄内町につきましては旧余目町の余目油田をジオサイト候補に入れたため、旧余目町もエリアに入ってはおりますが、基本的には過去の活動の延長に立ったエリア設定になっているためと理解しております。
以上です。
◆6番(草島進一議員) 観光庁観光カリスマの一人、山田桂一郎氏は、持続可能な観光としてジオパークの重要性が増していることを指摘しております。私も現在SDGsを総集した持続可能な地域を目指すための持続可能な観光を支える要素として、大変重要な施策と考えております。ジオパークは、地質、水系、気候、植生などさまざまな面で出羽三山や食文化に関する取り組みを根底で支える学術的なデータの蓄積につながることも期待されます。また、昨年魚類研究で知られる研究者、岡部さんの標本が小田原市の県立博物館に譲渡され、大変もったいないと感じたんですけど、地域の民間研究者が取り組んでいる自然に関する写真、岩石、昆虫や植物標本などが今後散逸する懸念もあり、その保存や継承を担う研究の基盤としてのジオパークとして捉えることもできると考えます。ラムサール条約指定湿地、有数の地すべり地帯の月山ダム周辺の蓄積した地質データ、赤川扇状地の地下水資源のデータなど、こうした科学的なデータをつなぐ総合的なデータベースを構築できるプラットホームであり、自然、歴史、文化遺産にわたり、大学の研究者と民間研究者、自然保護団体、地域住民が交わることによって新たな価値をつくり出すことにつながっていくものと考えます。
先般お隣の鳥海山・飛島ジオパークを視察し、お話も伺ってきましたが、協議会には関係市町が管理職クラスの職員を専従職員として派遣し、研究者を専門職員として雇用し、日本地質学会、日本地理学会など5つの学会に参画し、研究を深め、発表を続けています。また、市民に対してジオパークのガイド養成も行い、自然を案内する新たなガイド事業を展開するなど非常に力を入れた取り組みとなっておりました。鶴岡市の現在の取り組みは、実態は職員は皆兼務で、専従の職員がおらず、研究者と非正規職員の1名の体制で、学術研究員すら満足に動けていないというのが現状ではないかと思います。また、地元住民が参加する仕組みも不十分で、地元の関心が高まっていないのではないかと思います。
御提言をしたいと思いますけれども、まずは鶴岡市、これ温海地域とか加茂水族館なんかも入れて新市全域をサイトに入れて、市職員の専従スタッフ少なくとも2名は確保して、地域の市民をどんどん参加していただくような仕組みをつくって積極的に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。お答えお伺いします。
◎羽黒庁舎支所長(國井儀昭) 御指摘のとおりでございますが、現在の取り組み状況を踏まえますと、今年度につきましては先ほど御案内のとおりジオパーク認定の可能性を初め経済波及効果とその戦略的取り組み、指摘事項等に対する課題の整理及び地域住民の意識の醸成等の観点から改めて検証作業を行い、合理的で客観的な分析や見解に基づいて今後の方向性を判断したいと考えているものでございます。したがいまして、ただいま議員から御提言いただきましたことにつきましては、検証結果を踏まえて構成町村とともに判断してまいる課題であると考えております。
以上です。
◆6番(草島進一議員) これは、市長が会長ですので、ぜひ鶴岡市全域を入れてしっかりとした取り組みになるようにお願いしたいと思います。
それでは、4番目の質問、自転車政策についてですけれども、ジロ・デ・庄内というイベント、9月9日にあると伺っております。今後、今回は100人規模でのサイクリストが集うイベントと伺っております。来年度は1,000人規模ということを伺っているんですが、小真木原を主会場として認めていただいて、定着させたいという要望もあると伺っておりますけれども、市としてどのようにサポートしようとしているのかお伺いしたいと思います。
◎教育部長(石塚健) ジロ・デ・庄内についてお答えいたします。
ジロ・デ・庄内は、庄内一円を自転車で駆け巡るというサイクリングイベントをイタリア語であらわしたもので、庄内の景色や食、人などの魅力を多くの人に知っていただき、またサイクリングの普及を図りたいとの趣旨で自転車を愛好する有志の方々が実行委員会を立ち上げ、実現に取り組んでいるものでございます。開催内容は、議員さん御紹介のとおりでございますが、それで実行委員会のほうから市教育委員会でもイベントの開催の御相談を受ける中で、今回スタート、ゴール地点として小真木原公園の施設を利用したいと依頼を受けたところでございますけれども、開催当日は各種大会等で全施設の利用予定が既に入っておりまして、これに伴い相当数の駐車の利用も見込まれますことから、駐車場をどの程度まで貸し出し可能かを今調整しているところでございます。何分にも庄内全体の広範なエリアを対象とするイベントであり、また参加者が多く集うものでもありますことから、実施に関しては安全、安心、参加運営できるようする必要がありまして、関係機関の協力が不可欠と考えます。市といたしましても今後も実行委員会のかたがたと情報交換しながら、この会場の貸し出しも含めまして行政としてできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
◆6番(草島進一議員) 自転車政策というのは……
(持ち時間終了ブザー)
◆6番(草島進一議員) 温暖化対策などでも大変有効な政策だと思いますので、ぜひしっかり支援していただきたいと思います。ありがとうございました。
鶴岡市議会 2018年3月議会 一般質問
鶴岡市議会 平成30年3月議会 一般質問 質疑 議事録です。
◆6番(草島進一議員) 草島進一です。質問させていただきます。
まずはオリンピック・パラリンピックでかなえるレガシーについてから質問させていただきます。東京オリンピックまで2年半、あれから7年たつのに、いまだ収束しない福島原発のことを思うと、いささか気が引けますが、もう目をつむってはいられません。オリンピック、こういった際に、大前提として開催国が世界からまず問われるのが、持続可能な開発であります。今世界が目指す持続可能な社会には、明確な定義があります。きょう資料を御用意しました。資料にありますように、持続可能な社会とは、この4つの条件を満たすことであるというフレームワークがあります。これ大事ですので、ちょっと読み上げます。自然の中で地殻から掘り出した物質の濃度がふえ続けない。同じく、自然の中で人間社会がつくり出した物質の濃度がふえ続けない。自然が物理的な方法で劣化しない。そして4番目、人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げない。これが大原則であります。
そして、今2030年を目標とする持続可能な開発のゴール、SDGsの17項目が提示されております。私たちの何ちゃらかんちゃらは、全てのゴールとつながっています。ここに鶴岡市は全てのゴールとつながっていますとして、目標を掲げ、邁進しなければいけないということが課せられているということであります。今皆川市長のもと、新たな総合計画の策定作業が始まっているところでありますが、計画策定の期間は、計画期間はオリンピック開催を挟むものとなります。新たな総合計画には、まさにこの持続可能な社会への意識づけ、持続可能な開発ということはまさに必然であるというふうに考えます。
さて、ここから質問してまいります。市長は、先般2月12日、オーガニックミーティングでオリンピックのレガシーとして、食文化創造都市の鶴岡ではオーガニックとしたいと明言されました。大変有意義なことだと思います。具体的施策として、早速来年度、有機米を学校給食に提供する、これは確かにすばらしいことです。しかしながら、私は有機農産物の違いがわかりやすいのはニンジンや大根などの根菜類、それからトマトなどだと思います。
そこで質問いたします。私が以前何度か訪れました愛媛県今治市では、学校菜園でJAS有機認証を取得したオーガニックのニンジン、サツマイモ、大根、ジャガイモなどをつくり、子供たちが給食で食べる体験を重ねています。地元の有機農業者の方々が学校菜園を指導し、市内にある認証機関が連携してJAS認証を認定する、こうして子供たちが農園でぱくぱく食べれる、オーガニックを体験できるエディブルスクールヤード、これを実践しておりました。ぜひ鶴岡でもこのような取り組みを始めてはいかがでしょうか。この1点、まず質問いたします。
◎農林水産部長(渡邊雅彦) 学校での園芸作物を中心としたオーガニック体験についての御質問だと思います。農林水産部のほうからお答えいたします。
本市でも藤島地域では学校田において有機栽培と生き物調査を行いまして、安全安心な有機農産物と生物多様性について学ぶ特徴的な取り組みを行っておりますけども、議員から事例として御紹介ありました愛媛県今治市については、市独自の有機農業振興計画を策定して、学校給食に根菜類などの有機農産物を積極的に使用するなど、先駆的な取り組みとして大変参考になるものだというふうに私たちも認識しております。本市の有機農産物の生産を見ますと、米がほとんどでありまして、他の品目では大豆と枝豆がごくわずかにあるといった状況でございます。御提案のありました根菜類初め、野菜の有機栽培技術については本市ではまだまだ十分に確立されておらず、量的にも品目的にもまだまだ学校給食に提供するような段階には至っていないというのが現状でございます。こうした課題につきましては、県全体としても同様でございまして、県の園芸試験場等で園芸品目の有機栽培技術確立の取り組みを強化していくという方針を出しております。
このようなことから、学校での園芸品目のオーガニック体験は大変意義深いというふうに認識しておりますけども、本市としましてはまず量、品目数が充実している有機栽培米を学校給食に提供し、有機農業や農産物に対する農業者や子供を含めた市民の意識、関心を高めるとともに、園芸品目の栽培技術の向上を優先事項として、県や鶴岡市有機農業推進協議会とともに連携して進めてまいりたいというふうに考えております。
◆6番(草島進一議員) 御丁寧に答弁ありがとうございます。
「未来の食卓」というフランスの映画があります。100%オーガニックの給食、私、あれがゴールイメージだと思うんです。市長もごらんいただいていると伺っております。ゴールを明確にして、バックキャスティング的に進化前進を続けていただきたいと思います。よろしくお願いします。
次に、ボッチャについて伺います。市はドイツのボッチャ競技のホストタウンとして、この3月ボッチャ競技の事前合宿を行うと伺っております。ところで、皆さん、ボッチャって御存じですか。ここに道具も御用意いただきました。どうぞごらんください。この球を使って、この白い球に別の球を近づけるというカーリングのような競技なんです。結構難しそうですけども、楽しそう。障害者と健常者も垣根を取り払ってスポーツするにはうってつけの競技なんじゃないでしょうか。ボッチャ競技者は、車椅子利用者も多く、受け入れのインフラ整備はユニバーサルデザインに対応したまちづくりにもつながります。
では、質問します。市のオリパラのレガシーとしてボッチャ競技の普及を求めますが、いかがですか、質問します。
◎教育部長(石塚健) ボッチャにつきまして回答いたします。
前回のリオパラリンピックで日本のボッチャチームが銀メダルを獲得し、国内でも注目を浴びている競技であると認識しております。今回のドイツチームの事前合宿につきましては、今月22日から27日まで、ドイツ選手4名とスタッフ5名が来鶴するもので、その移動、宿泊などにつきまして、温泉旅館や交通機関、福祉介護用具などの民間企業の皆さんや社会福祉協議会から御協力をいただきながら準備をしております。その間、25日には日本ボッチャ協会から選手を2名派遣いただき、藤島体育館で公開試合を行いますが、その際には市民の皆さんとドイツ選手が一緒にボッチャを体験する機会も設けたいと考えております。議員御紹介のとおり、ボッチャは障害があってもなくても楽しめる競技ですので、公開試合は市民の皆様から楽しんでいただき、競技への理解を深めるよい機会だと認識しているところでございます。
次に、ボッチャ競技の普及についてですが、本市では老人クラブ連合会や鶴岡身体障害者福祉団体連合会が参加しております福祉体育祭で、競技の一つとして既に行われております。また、スポーツ課では、ボッチャの競技用具2セットを購入しまして貸し出しを行っておりますし、昨年11月には障害者スポーツ指導員の方にも御参加いただきながら、市民向けのボッチャ体験会を開催し、30名の方より参加いただきました。さらにことし1月には、鶴岡市スポーツ推進委員会の研修会でも委員の皆さん50名から体験していただきまして、ルール等の勉強もしていただいたところでございます。本市といたしましては、このたびのドイツのボッチャチームの受け入れをきっかけといたしまして、今後とも体験会等を行いながら競技の普及を促すとともに、障害者スポーツに対する市民の理解が深まりますよう、情報の発信に努めてまいりたいと考えております。
◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。今回受け入れる施設の方にお伺いしても、やったことないという方が大半なんです。ぜひ機会をふやしていただく。それから、今2セットという御紹介ありましたけれども、1セット、何とこれ10万円と聞いております。10万円ですが、ぜひ10セット100万円ぐらいはそろえて、補正でぜひ普及に努めていただきたいと、これはお願いします。提案をいたします。
次、質問いたします。ごみ焼却プラントについてです。先般福岡県みやま市のバイオガスプラント、これ建設中ですけれども、視察をしてまいりました。みやま市では、市民が生ごみを分別し、生ごみはバイオガスプラント、可燃ごみは隣接する柳川市との共同の焼却プラントで処分されるという方式でした。説明をいただいた御担当者からは、今この方式で最も進んでいるのは東京都町田市のプラントだよと御紹介をいただきました。町田市では回収方法は鶴岡と余り変わらないんですが、生ごみがプラントの中で分別され、併設するバイオガスプラントへ回されます。バイオガスと焼却プラントのハイブリッド型なんです。恐らくこれが持続可能な社会のごみプラントのトレンドではないかと思います。これと比べると、今回入札しました鶴岡のプラントは、残念ながら時代おくれと感じました。
お伺いしますが、今般入札されましたが、DBOの運営の中で、どれだけこうしたトレンドを受けとめて、またさまざま御提言したい外部有識者の声を入れて現行のプラントの改善ができるんでしょうか。また、今後シュタットベルケなどを想定した電力や熱のエネルギーの利活用などにどのように対応できるのでしょうか、お伺いします。
◎市民部長(佐藤茂巳) それでは、ただいま御質問ございましたごみ焼却プラントとシュタットベルケの関係につきましてお答えをいたします。
まず、質問の1点目でございますが、DBO方式による事業運営の中で、どれだけただいま議員から御紹介のありましたトレンドなどを受けて改善ができるかという御質問でございますが、本市の新しいごみ焼却施設につきましては、DBO方式により事業運営を行うというものでございますが、その中で熱エネルギーの有効活用につきましては、今回事業の落札者の余剰電力の売電について、小売電気事業者が電力の地産地消を行うということで有効活用をするということといたしております。現在計画中のプラントを改善するとした場合、新たな設備投資が必要となりますことから、容易に改修改善をできるものではございませんが、議員より御紹介のありました事例なども参考にし、ごみ焼却施設のトレンド等も捉えながら、事業内容の改善を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、御質問の2点目、シュタットベルケを想定した電力や熱エネルギーの利活用についてのお尋ねでございますが、新しいごみ償却施設はエネルギープラントとしてエネルギーの利活用を求められる施設でもございますので、現在のところは発電をするということでの活用を考えているところでございますが、シュタットベルケの手法も参考にしながら、今後の環境省と国による新たな事業、補助金の創設などの動向も踏まえまして、熱エネルギーの発電以外の活用方法がないかなど、熱エネルギーの利活用について調査検討をしてまいりたいと考えております。
以上です。
◆6番(草島進一議員) いろいろ柔軟に考えていただいて、本当ありがとうございます。
今回みやま市では、市が半分出資している日本のシュタットベルケの筆頭モデルであるみやまスマートエネルギーの取材をしてまいりました。みやまスマートエネルギーは、地域の再生可能エネルギーの電気を売電するとともに、電力利用者に対して地元商工会議所所属の企業の物品のみをタブレット端末で販売する買い物サービス、それから高齢者の見守りサービスを行うなど、地域課題を解決する公益的エネルギー会社というものでありました。スタッフ57名、役所並みの給料で、全員地元の採用社員が頑張っておられました。本場ドイツのシュタットベルケは、水道事業や公共交通も包含し、総合サービスを展開し、約1,000地域で成功事例がございます。私は、これ人口減少時代の地方自治体を持続可能にする重要な政策ではないかと捉えております。
提案をいたします。民間業者も含め、市が主体となってシュタットベルケの勉強会、これを立ち上げることを提案をいたします。これぜひ市長の御見解をお伺いします。よろしくお願いします。
◎市長(皆川治) ただいまシュタットベルケについての御提案があったわけですけども、議員からも以前御紹介いただいておりました京都大学大学院の諸富徹教授の著作については、例えば私も「再生可能エネルギーと地域再生」といった著書を読ませていただいております。地域エネルギー経営を公社形態で営んでいく可能性について、もっと真剣に考えていくべきだというふうに諸富先生述べておられますけれども、戦前幾つもの都市におきまして電気事業を公営企業形態で営んでいた歴史もあるというふうに承知しております。ドイツとは自然環境、また地域経済の状況も異なる面もございますけれども、熱エネルギーの自家消費、あるいは売電によるエネルギーの地産地消ということは非常に重要な考え方だというふうに考えておりますので、今の御指摘も踏まえまして、よく検討してまいりたいというふうに考えております。
◆6番(草島進一議員) 市長、しっかりとした御答弁、本当にありがとうございます。ぜひ議員の皆さんとも、それから当局の皆さんとも、そして市民の皆さんとも一緒になって、この新しい社会をつくり出すシュタットベルケ勉強会をぜひ立ち上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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次に、文化会館についてお伺いします。まずもって、椅子のことについては、まず先般提案をしていただいた1列全面改修、まことにありがとうございました。今回のテーマは、社会的包摂でございます。先般視察してきました大分市のホルトホールは、駅をおりた車椅子利用者がホールの座席まで一つも段差がないとか、体育館には車椅子専用のシャワールームがあるなど、ユニバーサルデザインが徹底されておられました。10以上の役所の担当課がかかわり、文化、教育、福祉、健康、産業、情報、にぎわい、こうした総合拠点でございました。そして、岐阜県可児市の文化創造センター、alaは、「芸術の殿堂より人間の家」とし、alaまち元気プロジェクトとして、不登校の子供たち、障害者や高齢者の福祉施設などと連携して、年間400回を超える多様なプログラムが行われております。約300億円の一般会計の2%弱、約5億円を会館のソフト事業に投資する、まさにあっぱれな施設でございます。これらが文化庁文化芸術の振興に関する第4次基本方針で打ち出されている社会包摂の機能の戦略的投資と考えます。
さて、質問です。この社会包摂の戦略的投資、タクト鶴岡でどのように具現化していくのかをお伺いします。
◎教育部長(石塚健) それでは、荘銀タクト鶴岡における社会包摂的な運営につきましてお答えさせていただきます。
文化芸術の振興に向けた基本理念などを定めた法律といたしまして、文化芸術振興基本法が昨年16年ぶりに改正されまして、法律名も文化芸術基本法と改められました。この法律の基本理念といたしまして幾つかの方針が加えられましたが、その一つには、年齢、障害の有無または経済的な状況にかかわらず、ひとしく文化芸術の鑑賞等ができる環境の整備をすることがうたわれております。つまり、これからの文化芸術活動は、子供や若者、高齢者、障害者の方なども含めた全ての市民に開かれていくことが求められるものと認識しております。また、議員御案内の平成27年5月に策定されました第4次基本方針に文化芸術の社会包摂の機能が盛り込まれていることも承知しておりまして、これからの文化施設はこれまでの貸し館を中心とした施設提供事業や芸術文化に興味がある一部の方の鑑賞の場としてだけではなく、全ての市民に開かれた新しい広場としての機能も求められているものと認識しております。荘銀タクト鶴岡においても、芸術文化の拠点として、これまでの貸し館中心の管理運営から、自主事業も積極的に実施していく会館としてまいりますが、あわせて新しい広場としてまちづくり、地域づくりの拠点を目指しております。まずは荘銀タクト鶴岡が誰もが気軽に訪れ、参加できる場となるよう、さまざまなワークショップやアウトリーチ事業を展開しつつ、将来的には他団体の取り組みも参考にしながら、全ての市民が気軽に訪れることができる施設となるよう努めてまいりたいと思います。
今の利活用会議におきましても、これからの文化振興は総合的な政策の中で、地域活性化、教育、福祉、観光、さまざまな分野とかかわり合いながら進めていく必要があるとの御意見もございますので、それにつきましてどのように進めていくかについては、その検討会議の利活用会議等を利用しながら今後検討していくべきものと考えております。
◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。
先ほどお伝えしたalaというところを訪れた湯浅誠さんという方が、今回レポを書いておられます。こうおっしゃっております。子供、若者や高齢者、障害者、在留外国人などにも社会参加の機会を開くという社会的包摂の王道を通じて集客増という結果をもたらさなければ、社会的必要性に基づく戦略的な投資とは言えない。この発想と感覚が浸透している社会を成熟社会という。なぜなら、そのありようだけが持続可能なサスティナブルな成長を可能にする。その土壌がつくられなければ、社会は社会的包摂をもてあまし、持続可能な開発目標、これまさにSDGsです。これをもてあますと表現されておられました。大事な視点だと思います。ぜひこれから議論の中で、この社会的包摂をどう実現していくのか。これお金もかかることだし、大変重要なことなんですが、総合的に考えて、ぜひ具現化していただきたいというふうに思います。
それでは、第4番目の質問に参ります。市が主催する講演会、イベント、行くたんびに私もったいなく思っていることがあります。というのは、来たくても来れない市民の方々がたくさんいらっしゃる。そしゃくしてもう一回聞き返したい市民の方もいらっしゃるだろうと。そんなことから提案したいと思います。まず今後、市が主催する講演会、各担当部署で全て映像録画していただきたい。そして、それを図書館でライブラリー化する。市独自のネットTVで放映する。そうした動きを鶴岡市ケーブルテレビジョン、せっかくいらっしゃるプロのスタッフの技術を生かしながら行っていただけないかと提案をするものです。いかがでしょうか、質問します。
◎総務部長(高橋健彦) 市が主催する講演会等の動画配信についてということでお答えいたします。
通常市が講演を依頼する場合には、講師等が持っている権利や、講演をなりわいとされておる場合の契約、こういったことについて十分な配慮を要するものでありまして、こうした配慮が不足した場合には、講演者等に御迷惑をおかけするだけでなく、不測の損害が生じる懸念などもありまして、慎重な対応が求められるものというふうに存じます。こうしたことから、市が主催する講演会の動画をインターネットで配信することや公共施設で閲覧できるようにするためには、講師や講演会、参加者の著作権、肖像権などにかかわる許諾はもとより、予測できない個人情報の漏えいでありますとか、根拠のない誤った情報の発信、不適切な発言への対応など、さまざまな課題があると思っております。実際にインターネットを利用してまちの出来事などを盛んに積極的に配信されておられる会津若松市でありますとか大阪市などの自治体でも、講演の映像までは公開していないという状況であります。議員のおっしゃる御趣旨、十分理解いたしますけれども、こうした情勢を踏まえまして、まずはこれらの課題への取り組みについて情報収集などを行ってまいるのが肝要と、このように考えております。
◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。
ネットを取り巻く環境、動画を取り巻く環境もどんどん、どんどん今変わっておりまして、TEDとか、あとは大学の講義なんかを普通に誰でもどこでもいつでも無料で見れる時代となってきました。その時代に私たちの公共サービスとして情報サービスとして何かできるのかということはぜひ検討していただきたいと思います。
今回の質問ですが、全体的にオリンピックのレガシーから始まりまして、世界から問われている持続可能な発展、サスティナブルディベロップメントについて質問させていただきました。これ本市の全ての部署、全ての施策で問われるものであります。ユニバーサルデザインもそう、焼却施設のあり方もそう、建築のあり方もそう、社会的包摂のあり方もそう、これ全てに問われているものであります。持続可能な社会づくり、これ一番問われるのは首長の姿勢でございます。市長、最後になりますが、市長の持続可能な社会づくりの考え方、ぜひ御開陳いただきたいと思います。
◎市長(皆川治) ただいま持続可能なまちづくり、市長の考え方ということでお話をいただきました。
私自身も長らく農林水産行政に携わってきた経験からも、環境にも十分留意をした持続可能な産業政策等につきましては以前から関心を持って見てきたところでございます。国連におきましてもSDGsという考え方で今取り組みが進められているというふうに承知しておりますので、そうした考え方もさらによく勉強しまして、市政に取り入れていくように努力してまいりたいというふうに思います。
鶴岡市議会 2017.12月議会 一般質問
2018年 10月 選挙において 鶴岡市議会議員となりました。
12月議会が初議会でありました。
以下、議事録を掲載いたします。
6番(草島進一議員) 鶴岡市民5,000名の代表として一般質問をさせていただきます。立憲・草の根の会代表の草島進一でございます。資料もお手元に御用意いただいて、皆さんごらんになりながらお願いいたします。
通告した順番とはちょっと違えて、まず文化会館の問題から質問をさせていただきたいと思います。新文化会館について。音漏れは致命的な欠陥、そして雨漏れはまさに非常識でございます。音楽ホール文化会館として非常識がまかり通っている。そして、さらに設計者、また施工者の見識を疑う非常識がまかり通っている点、2つを挙げ、今すぐに見直していただきたい、そういう思いで2つお話をさせていただきます。
平成18年6月バリアフリー新法、また平成25年成立した障害者差別解消法の合理的配慮からすれば、新たな文化施設の椅子は1列全てが可動式になり、車椅子利用者が会場のど真ん中で見れるようになっていることは当たり前であります。南陽市文化会館は、1列全てが可動式で、それを実現しております。鶴岡の新文化会館、どうでしょう。車椅子の方は、右7席、左7席の端っこで見なさいと。まさに合理的配慮が見られないと指摘されている状況であります。これ直ちに1列全てを稼働式にすべきでございます。あと25席、全部で39席、どこでも好きな席で、ど真ん中で観賞できる、そういう文化会館に改めていただきたい。それが1点でございます。
2点目、パリ協定を踏まえたLOW―Eガラスでございますが、パリ協定定まりました。日本では中期目標として2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から何と26%削減することが目標となっております。これを踏まえるならば、ガラスを多用した建築物でLOW―Eガラスの採用は当然であります。しかしながら、今全く使われておりません。昼休み確認しました。ぴたっとやるとはっこいんですよ。はっこい。冬場、このガラスが熱を逃がし、光熱費のランニングコスト負担が大きくなるリスクを背負っております。今政府が進めるゼロエネルギーハウスでは当然採用されているわけですけれども、寒冷地の公共建築物ではこの採用は当然でございまして、現状はまさに欠陥でございます。直ちにLOW―Eガラスにかえるべきであります。LOW―Eガラスというのは、光は通しますが、熱は通さない。これ住宅建築やっている方は、もう当然庄内では当たり前のように採用しているものでございます。何で採用されていないのか。
以上は、現状の音漏れ、雨漏れ、これ市当局や今後97億円を支払う施主である市民や国民の信頼を失墜している。妹島建設設計事務所、また並びにきょう何かおいでいただいていたみたいですけど、施工の竹中工務店の責任負担において直ちに直していただくことを提案しますけれども、当局の御見解をお伺いします。
◎建設部長(渡会悟) まず初めに、座席の見直しについての御質問にお答えいたします。
新文化会館の車椅子席は、キャスターつきの座席を取り外し、1階の東西出入り口付近に8席と2階後方に5席を用意しており、最大で13席分の車椅子となります。東京オリンピック・パラリンピック開催決定を契機として、国土交通省において検討されました建築設計標準に示されております劇場や競技場における車椅子の席の算定式によりますと、1,120席の新文化会館では9席以上が望ましい車椅子席とされております。
また、9月21日に開催した障害者向けの内覧会では、車椅子利用者の方々から実際に1階の東西出入り口付近と2階後方の座席の両方を利用いただき、前のほうにある1階席だけではなくて、落ちついて観賞できる後方の席を選択できるのは大変よいとの感想も頂戴しております。
また、新文化会館を会場として来年7月に山形県身体障害者福祉大会の開催が決まりましたこともありますので、内覧会や市民見学会、プレオープンの中の各種イベントを通して車椅子のあり方についても市民の皆様から、さらには興行を主催する団体等の御意見や御要望を伺いながら、より見やすい位置への増設等の検討を進めているところでございます。
続きまして、LOW―Eガラスへの見直しについてお答えいたします。議員よりお話ありましたCOP21でのパリ協定は、各国が地球温暖化対策に向けさらなるCO2削減に向けての取り組みを進めることを義務づけた協定であると認識しております。我が国においても低炭素社会を目指し政策が進められており、建築に対してもCO2排出抑制が求められております。新文化会館におきましても消費エネルギーの低減、CO2削減、CO2排出量の……
(「ガラスについて答えてください」という者あり)
◎建設部長(渡会悟) お待ちください。
進め、設計を進めております。具体的にはホールの客席、居住域空調やエントランスホールでの吹き出し等、床冷暖房空調、比較的CO2排出量の少ない天然ガス熱源など、さまざまな対策を行っているところでございます。
議員から御提案ありましたLOW―Eガラスにつきましても、建物開口部からの空調負荷の低減につながるガラスであり、本市もこれまでLOW―Eガラスを使用した建物もございますが、その都度建物形状、開口部の位置などを総合的に検討し、採用してまいりました。新文化会館におきましては、ガラス面の空調負荷対策につきましてはペアガラスの採用、深い軒による直射日光の抑制のほか、ガラス面が総体的に大きいエントランスホール等は吹き抜けによる上部の熱だまり、ペレメーターゾーン、窓際になりますけども、対策と一体的な空調などによる各種の対策を行っており、ガラスに求められる調整を含め総合的に判断し、LOW―Eガラスの採用には至らなかったところであります。
施設が完成した現時点ではLOW―Eガラスに交換することは現実的には困難と考えます。いずれにいたしましても、建築物の低炭素化は重要な課題として認識しており、本市では地場産木材の活用、ペレットなどCO2抑制につながる熱源の活用も進めてきたところであり、引き続き建築物の用途などによりLOW―Eガラスの利用も含め総合的に検討し、建物の低炭素化に努めてまいります。
◆6番(草島進一議員) LOW―Eガラスの変更について、そしてあとは座席の変更について、先ほど私は竹中工務店の津留営業部長がちょうどお見えになったので議員として要請をいたしました。市長、13万市民の代表として、ぜひ要請をしていただきたい。これは竹中工務店や、世界の竹中工務店ですよ。世界の竹中工務店があんなガラスでこの寒冷地につくるということ自体が市民なめているとしか思えないんです。あなたからもしっかりと要請していただきたいんですけど、市長、見解を求めます。
◎市長(皆川治) 新文化会館におきましては、ただいま建設部長から御答弁申し上げましたとおり、ガラス面の空調負荷対策、ペアガラスの採用等を講じてございまして、LOW―Eガラスの採用には総合的にガラスに求められる意匠等を含めた判断ございまして、採用に至らなかったというところでございます。施設が完成した現時点におきましては、ガラスをLOW―Eガラスに交換するということは現実的には困難ではないかというふうに考えてございます。
◆6番(草島進一議員) じゃ、椅子についてはいかがですか。ぜひ市長の見解として、この間、4月までの間に椅子はすぐに見直せるんです。南陽ではもうやっているんです。何で鶴岡でやれないんですか。やりましょうよ。市長、いかがですか。
◎市長(皆川治) 新文化会館の椅子についての御質問でございますけれども、これにつきましては、これも先ほど部長からの御答弁でお話しさせていただきましたけれども、東京オリンピック・パラリンピック……
(「そういうこと言っているんじゃない。南陽でやれて何で鶴岡でやっていない」という者あり)
◎市長(皆川治) 国土交通省において検討されました建築設計標準に示されております劇場や競技場におきます車椅子席の算定式によります9席については満たしているところでございます。
なお、内覧会、市民の見学会、プレオープン中の各種イベントを通しまして車椅子席のあり方について、さらに市民の皆様からは御意見を頂戴したいと思っておりますし、また興行を主催いたします団体等の御意見や御要望も伺う必要があるかと考えてございます。より見やすい位置への増設等の検討については進めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆6番(草島進一議員) 前向きに御検討いただきたいと思います。
あと、文化会館のことでは駐車場の問題、現状153台なんですが、これはもう10月24日の段階で、例えば植栽は要らないとか、植栽用に土盛りしている場所をコンクリートで埋めて、可能な限り駐車できるように線引きをし直していただきたいということだとか、高齢者も障害者も安全、安心に駐車できるように、まず線引き引き直すこと、最大限並べられる駐車場をつくっていただきたい。それから、高齢者の方々ができるだけ近くでとめやすいように高齢者ゾーンを設けるなど、ゾーニングについても提案をしています。これ見直しすると153台じゃないと思うんですが、何台とめれますか。部長、お答えください。
◎建設部長(渡会悟) ただいま最大限とめられるようということで議員からお話がございましたけれども、新文化会館の駐車場については上演する催し物の種類、演出機材や大道具を運搬するトラックの通行など、大型観光バスを使った団体客の受け入れ、さらには中高生の吹奏楽のコンクールの際などには楽器を積んだトラックが頻繁にスケジュールに合わせて出入りするといったこともあり、また成人式の際や子供たちなどみずからの運転をされない方の送迎時の駐車スペースなど、さまざまな利用を考慮したものであり、ただいまの153台についてはコンクリート部分を繁忙期に誘導によって使うことも含めた台数といったことで、現在は153台といったことでさせていただいているものでございます。
◆6番(草島進一議員) 線の引き方が非常にこう甘いんですよね。ショッピングセンター並みのきちっとした線を引いていただければ、もっと全然並べられます。駐車場、私も合唱の何かこう大会があるときに、にこふるまで行けと言われて、ええっと思ったわけです。御高齢の方々とか大変です。できるだけそばに駐車場を1台でも多く確保していただくことを強く要望したいと思います。
次に、土地区画整理事業とごみ焼却プラントの地域熱供給事業への転換についてということを質問したいと思います。現在鶴岡文化会館に続いての市のビッグプロジェクトとして200億円の新ごみ焼却プラントと約50億円、25ヘクタールの茅原北土地区画整理事業がございます。果たしてこのままばらばらに現状のまま進めてしまっていいのか、私は甚だ疑問がございます。
まず、ごみ焼却プラントですが、現状では環境省の国の補助金3分の1を採用し、エネルギー効率の悪いプラントを売電収益からごみプラントを運営するまで大手業者に丸投げをするDBO方式が採用されております。土地区画整理事業は、B/C1.2程度の旧来型と言っていいやり方でございます。
先週の金曜日、私は2分の1要件で地球温暖化防止や循環型社会形成のために政策誘導されている施策を行わず、市民に約30億円負担増をしようとしている現計画は行政の不作為行為であることを指摘をし、持続可能社会研究所あるいは議員として告発し、プレスリリースをいたしました。2007年の段階で市がアンケート調査を行ったプラントメーカー2社は、5社プラントメーカーにアンケートをしているらしいですけど、2社は2分の1要件である17.5%効率を満たす19.2あるいは18.9の値を出しております。恐らく現在はどのメーカーもその値はクリアしているであろうことであるのに、3分の1要件で甘んじているのはいかがなものか。
また、この要件のベースとなる鶴岡市廃棄物減量等推進審議会、これ平成22年から平成28年まで委員を務められた出羽商工会会長から、これも環境省2分の1要件であるメタンガス化プラントが提起されているのにもかかわらず、行政担当者また庁内検討委員会の長であった山本元副市長は、それを全く無視し、全く検討していないことがわかりました。これは、国の政策誘導に反し、30億円の市民負担を強いる、まさに行政の不作為行為であり、市民への背任行為であります。
まず、ごみ焼却プラントの現在の入札を直ちにやめること、そして一つの提案を申し上げます。これ皆さんにお配りしてあるシュタットベルケの資料をごらんください。それはシュタットベルケの事業でございます。シュタットベルケとは、自治体が出資した地方公営企業という意味でございますけど、日本で地方公営企業といいますと、第三セクターの赤字事業が想定されるためにイメージがよくないから、ドイツの名前のままシュタットベルケと呼んでいるそうでございます。この9月に日本国内での、9月じゃないや、8月18日にネットワークが設立されておりまして、私もよく知っているラウパッハ先生という方が理事長か、代表理事になっております。このシュタットベルケは、再生可能エネルギーや熱供給事業など地産地消のエネルギー事業から収益を上げ、さまざまな市民生活に密着した公益サービスを提供する事業体でございます。ドイツには1,400のシュタットベルケがあり、さまざまな実践がございます。地方創生といいますが、大事なのは国の政策に頼るんじゃなくて、地域がみずから所得と雇用をつくり出す力をつけることではないかと私は思います。ドイツでもこのシュタットベルケは人口減対策の主軸事業として広がり、現在1,400の事例があるわけです。
再エネ事業への投資は、大きな経済効率を持つ投資だということは日本国内の飯田市の例えばおひさま進歩エネルギーの実績として投資の3倍の収益を上げていることがわかっております。そして、福岡県みやま市では、みやま市が55%出資してつくったみやまスマートエネルギー、これ全国のシュタットベルケのモデルなんですが、ここでは売電収益を活用して高齢者の見守りサービス、宅配サービスや、あと家事代行などの新たな事業を行っております。地域から流出していたお金を地域で循環させることで雇用を創出し、地域市民の所得を上げる。ドイツでも人口減対策の画期的な事業であることを私自身も県議の時代から学び続けてきました。これをやる大きなチャンスがこの鶴岡の2つの事業を組み合わせた事業でございます。シュタットベルケネットワークの中核の方からは、こんなチャンスはほかになくて、この鶴岡でやれば日本で最大規模の、まさに日本一のシュタットベルケの事業になると評価されております。
今まで進めてきた事業を見直すということにはリスクがあることも十分に私も調べてきました。都市計画の事業は最大2年進捗がおくれることや、これまで造成してきた道路を再びこう掘り返したりして温水管を入れなきゃいけない。こういったことに6億円かかることも担当から聞いております。しかしながら、この6億円はごみ焼却プラントの今の補助率を2分の1に変えることで生じる約30億円でカバーできるじゃないですか。さらにこのシュタットベルケを推し進める環境省のメニューに、それからまたこのシュタットベルケやりますという自治体、それから地域熱供給を進めようとしているところに対して環境省はまさにそこに政策誘導の補助メニューを今後、来年度ぐらいからどんどん打ち出していく計画であるということをこのネットワークの方から伺っております。私は、このシュタットベルケ事業への切りかえを提案します。
具体的には、まず焼却プラントの見直しをし、メタンガス化プラントも併設し、エネルギー効率が良好なプラントに変えること、そしてこれまで検討してきた発電事業とともに発電事業をやっても7割熱は捨てられちゃうんです。この熱を温水に変えて地域に供給する地域熱供給事業を行うこと、この事業によって旧来型の土地区画整理事業は全国一の地域暖房、地域熱供給地域として脚光を浴びることになるし、Iターン、Uターン移住者を促進することにもなると思います。そして、シュタットベルケはこの発電収益、売電収益、それと熱供給収益をベースとして志高き民間企業と一緒に立ち上げていくことが重要でございます。今バイオマスガスプラントを実際に庄内町でやっている企業や、この土地の隣接企業、また銀行関係者、そしてガス会社関係者などに声がけをし、幾つかの企業は実に前向きな御返事をいただいております。
鶴岡は、2020年オリンピックの際にはドイツのチームを受け入れることになっています。また、ドイツの中でもエネルギー先進都市フライブルクとも森林文化都市でつながっております。シュタットベルケは、こうしたネットワークからもいろいろ交流をし学んでいくことができるんじゃないかと思います。そして、それを実践することはまさにこの鶴岡ならではの地方創生を実践し、地域に雇用をつくり、経済の循環をもたらすものであると私は確信をしております。ぜひ地域内循環ということを公約に掲げておられる市長の見解、これ市長の見解だけで結構です。お伺いします。市長、いかがですか。市長の見解しか要りません。市長、答えてください。市長、答えてください。市長、市長答えてください。市民部長だらだら説明要りません。
◎市民部長(佐藤茂巳) 御質問のございました地域熱供給事業についてお答えをいたします。
デンマーク技術移転プログラムシュタットベルケを事業体とした地域熱供給事業は、日本国内においても取り組みを始めている自治体もあると伺っているところでございます。ごみ焼却施設整備事業につきましては、市民の衛生的な生活環境を維持するため、ごみ焼却施設建てかえの必要性や実施時期、適切性等につきまして平成23年度に実施をした既存施設の精密機能検査をもとに新施設移行までの既存施設の長寿命化計画を初め、新しいごみ焼却施設整備の基本構想、基本計画策定等、整備までのプロセスを長年にわたって積み上げてきた事業でございます。こうしたプロセスを踏まえまして、ことしの4月28日には総合評価一般競争入札によるごみ焼却施設整備運営事業の入札公告を実施いたしまして、事業者選定委員会を経て、12月下旬には整備運営事業者が決定する予定となってございます。仮に……
(「議長、議事整理お願いします。質問に
答えていません」と呼ぶ者あり)
◎市民部長(佐藤茂巳) 仮に議員御提案の地域熱供給事業を展開するとした場合には、現在公告をしております入札を中止した上で、これまでのプロセスを考慮せずにごみ焼却施設整備事業を一からやり直す必要がございますので、新しいごみ焼却施設の完成が数年程度おくれることとなります。この整備がおくれた期間中に長寿命化計画に基づいて管理運営をしてまいりました老朽化した現在の施設にトラブルが発生し、ごみ焼却ができなくなった場合には外部委託によるごみ焼却を行うこととなりまして、想定外の財政負担を強いられることとなります。
また、新しい施設の完成がおくれた場合には循環型社会形成推進地域計画の大幅な変更が必要となりまして、工期におくれが発生する可能性がございます。工期がおくれた場合には有利な起債でございます合併特例債の活用ができなくなるおそれがありまして、そうなりますと市の財政負担に大きな悪影響を及ぼすことが考えられます。このように仮に地域熱供給事業を導入することでごみ焼却施設整備運営事業を中断した場合には多くのリスクが発生すると考えられますことから、現在進めておりますごみ焼却施設整備運営事業につきましては入札の中断、事業の中止等は考えていないところでございます。
ごみ焼却施設の整備は、老朽化し安定的に処理ができなくなりつつある既存のごみ焼却施設にかわる新しい施設を整備するものでございまして、市民の皆様の衛生的な環境を継続して維持するためには運転をとめることのできない施設でもございますので、計画的かつ早急に整備を進める必要がございます。市といたしましては、安定的、継続的にごみの焼却を行うことを第一の目的といたしまして、ごみ焼却施設の整備運営事業を進めてまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、循環型社会形成推進交付金の補助率を3分の1といたしました経過について申し上げます。この交付金につきましては、市町村が廃棄物の差がある、いわゆるリデュース、リユース、リサイクルを総合的に推進するために廃棄物処理リサイクル施設整備計画を策定し、この計画に基づいて国から交付されるものでございます。交付対象となる施設は、不燃物、プラスチック等の資源化施設、ごみ焼却施設、バイオガス化施設……
○議長(齋藤久議員) 静粛に願います。(「質問にちゃんと答えさせて、議長」と 呼ぶ者あり)
◎市民部長(佐藤茂巳) し尿生ごみ等の資源化施設、浄化槽、最終処分場など多岐にわたる廃棄物の処理施設等となっております。交付率は、交付対象経費の3分の1で、ただし高効率ごみ発電施設等の一部の先進的施設については2分の1であることについても、こちらは承知をしておりました。本市でも平成27年度に循環型社会形成推進地域計画を策定しまして、ごみ焼却施設と一般廃棄物最終処分場、浄化槽整備について、この交付金を活用することとし、交付申請を行って交付を受けております。
交付率の設定につきましては、この地域計画を策定するに当たってごみ焼却施設の整備基本計画を策定しておりますので、その計画の中で施設規模や予熱利用の方法、エネルギー回収率等を設定しており、エネルギー回収率を交付率3分の1の要件を満たす13.5%と設定したものでございます。
このエネルギー回収率の根拠となりました数値は、基本計画策定時に、先ほどお話ございましたけれども、5社のプラントメーカーに対して技術調書の提出を求めまして、発電効率について調査した結果を用いたものでございます。その結果、基準ごみの発電効率では5社中2社しか……
(何かいう者あり)
◎市民部長(佐藤茂巳) 交付金2分の1の交付要件の一つである17.5%を満たしておりませんでした。また、高質ごみでは5社全てがその基準に至っておりませんでした。さらにこの基準を設定した当初におきましては、高効率発電手法を採用している施設が少なかったことや、あるいは本市で計画をしています施設が発電効率の予測値よりも発電効率が低下するおそれのある排水クローズドシステムを選択せざるを得なかったことなどに加え、今後のごみのごみ量の減少、それからごみ質の変化等の予測により基準ごみにおいても発電量や効率が低下する可能性があることを見込み、より確実に交付要件を満たすことのできる熱回収率13.5%、交付率3分の1と設定をしたものでございます。
また、交付率を2分の1とする場合には、整備をする施設に関して地域における災害廃棄物処理計画を策定して、災害廃棄物の受け入れに必要な設備を備えること、一般廃棄物処理量当たりの二酸化炭素排出量の……
(「議長、市長に一言答えさせてください」
と呼ぶ者あり)
○議長(齋藤久議員) 静粛に願います。
市民部長(佐藤茂巳) 目安に適合するよう努めることなどエネルギー回収率17.5%以上という要件を満たす以外にも幾つかの要件を満たすことが必要となります。
現在、進めておりますごみ焼却施設整備運営事業につきましては……
(「考え方の問題を聞いているんだ」とい
う者あり)
◎市民部長(佐藤茂巳) 今月中旬に開催する最終の選定委員会を経まして、今月の末には事業者が決定することとなっております。
私どもといたしましては、この決定を受けて、整備運営事業者から事業提案の内容によっては交付率2分の1となる交付要件を満たしている可能性がございます。この提案内容によって交付率2分の1となる要件を満たしていれば……
(持ち時間終了ブザー)
◎市民部長(佐藤茂巳) 市といたしましては交付率を上げる努力をすることは当然のことでございますので、その要件の全てに該当しているかを確認した上で、国への計画変更申請等について取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
(「議長。議長。議長」と呼ぶ者あり)
○議長(齋藤久議員) 静粛に願います。
以上で一般質問を終わります。