2012年11月議会 23年度決算に対して反対討論
平成23年度 山形県一般会計 決算の一部、並びに
山形県 水道用水供給事業 会計 決算の一部についてのみ、反対の立場で討論いたします。
23年度は、3月11日の東日本大震災発生後、当局一丸となって、被災地、避難者への迅速な復旧・復興支援 又、放射能汚染対策などにご尽力された事、 又、知事におかれては「卒原発宣言」とともに、対話や現場の声を重視しつつ邁進された政治姿勢について、大いに評価し、支持するものであります。
しかし以下3点については、知事らしくない事業として認定しかねますので、それらにのみ反対を表明いたします。
▽先ず慶応大学先端生命科学研究所 支援事業であります。研究所開設後11年目である平成23年度末まで県費、鶴岡市費あわせて123億円が投入されまし た。第3期として年7億円の支援が続いておりますが、その7億円の妥当性には論拠が乏しく、地域への還元はルール化されておらず、この巨額の公的支出にふ さわしいガバナンスが行われているか、疑問であります。
今後自率的な運営や地域還元のルールの早期構築を要請いたします。
▽次に最上小国川ダム建設事業についてです。
私は、昨年の一般質問の際、平成22年「できるだけダムに頼らない」治水対策の再検証の要請で、県が設置した「治水と活性化を考える懇談会」をはじめとする3つの会議、いずれにも、河川工学者が存在せず、本来のダム検証がおこなわれていなかった実態を指摘いたしました。
そして特にダム以外の案の河川工学者を交えた、再検証や公開討論会を求めました。しかし当局は、それに応じず、ダムに固執する治水のあり方に多くの疑問が取り残され、その結果として今年住民訴訟が提訴されているのであります。
ダム本体着工に必要不可欠な漁協の同意も先送りのまま、周辺事業に突き進んだ姿勢も、対話の県政から全くかけ離れているのではないでしょうか。
▽最後に庄内広域水道事業関連でありますが、鶴岡では、10年前の水源切替え後、約2倍の水道料金高騰、水質悪化、水温不安定などに困惑している多くの市 民がおられます。昨年度、県は月山ダム水源水のPRとして「おいしい山形の水」ペットボトル水を製造販売しました。これは良質な地下水に慣れ親しんできた 鶴岡市民にとっては失笑を買うだけの事業であり、おこなうべきはまず、住民の実情を把握することであります。
なお、人口減少下での広域水道事業はその構造が破綻しかねません。問題を先送りせず、解決にあたられる事を強く要請いたします。
以上、3点について、政策転換を求め、反対討論といたします。
10年前に完成した鶴岡の月山ダムの事業で私達は、おいしい地下水100%の水道水を失ってしまいました。(正確に言えば足もとにあるのに使えない理不尽 を抱えているということです)下流の2軒の旅館はダム完成後すぐに倒産しました。赤川の姿もアユが十分に育てなくなるなど環境悪化しています。全国、こん な事例がたくさんあります。同様の更なる愚行を山形で繰り返してはいけない。
特に小国川の清流環境は、全国屈指。県内内水面漁業で1億3千万円の鮎漁獲高はダントツ(2位は寒河江川1600万円)なのです。地域資源から6次産業を生み出す時代ですよ。よーく考えてみて頂きたいと思います。
今、山形で為すべきは、山形だからこそ生み出せる、「自然に立つ生き方」の経済を大事に育むことではないかと考えます。自然や文化を破壊するのではな く、地域の資源をもう一度見直し、それを磨くところで経済を生み出す、そこに持続可能な社会への道がある。という一念で、討論をおこないました。
その後、自民党代表から3項目について賛成の討論があり、、県政クラブ代表が全体について賛成討論あり、共産党から一部反対だけれども賛成の立場での討論がありました。私は吉村知事を支持する一人でありますが、しかし大政翼賛であってはガバナンスは進化しない。おかしな事はおかしいとはっきり言う。そして役所の中の停滞 ムードを払拭することこそ、私の使命と考えています。小国川ダム問題は、清流がもたらす経済、長期的な視点をもって、流域を考えればもっともっとダムに依 らない治水対策を検討すべきです。全国の理不尽ダム事業と同様、まだまだ「逃げ、ごまかし、嘘」が周辺に見られます。だから訴訟も起きているわけですが。
それと慶応先端研については、研究所そのものについて否定しているわけではなく、僕も理解に努めているつもりですが、年間7億円、これまで123億円の県 費、市費投入に対してのガバナンスのありようはもっと精査しなければならないと考えています。研究所の皆さんにもがんばっていただいているのは理解します が、果たして県民が、その多額の税の投入と成果を理解しているか。理解していただけるようなルール付けなり、還元のあり方のスキームがもっと示されなくて はならない。そう感じています。あとは、月山ダム水をペットボトルにいれて販売した事は鶴岡市民にとっては、「勘違い事業」
そのものだったと率直に思っています。広域水道事業の問題は今後深刻な問題です。
山形県議会2012年9月定例会 予算特別委員会質問
山形県議会 予算特別委員会 (予算特別委員会室)予算審議は、一問一答方式で60分です。
草島委員 質疑。
予算質問 平成24年9月27日
1人と自然が共生する社会の形成について
草島
(1) 豊かな環境を守り活かす自然共生社会の構築について(知事)
3.11 の東日本大震災、福島原発災害から1年半を経過しました。この間の当局の様々な尽力による復興支援、また、福島第一原発事故からの教訓から、卒原発を表明し、新しい時代の社会づくりに邁進する吉村知事の姿勢に対して改めて敬意を表します。
昨年の一般質問の際もお伝えしたとおり、私は今般の特に原子力災害で露呈した、原子力ムラやそれと同様の構造的な病理を正し、持続不可能な社会から持続可能な日本への転換をおこなうことこそ、真の東北の復興、日本の再生の姿であり、我々の政治の使命であると考えるものであります。
今年は「持続可能な開発、発展」が広く発信されたリオ地球サミット20 年目にあたるリオ+20 が行なわれました。テーマは環境と経済の両立を目指すグリーン経済でありました。グリーン経済を担う持続可能な社会の重要要素の一つが再生可能エネルギーであり、もう一つが生態系サービスを育む生物多様性であります。
生物多様性国家戦略は、2010 年10 月に日本が議長国として名古屋でおこなわれたCOP10 から今年のインド・でおこなわれるCOP11 に向けた4度目の改定作業が、環境省の中央環境審議会で進められ、この13 日に答申が示されました。
新しい国家戦略には、「いかに社会に浸透させる」かや、「森・里・川・海のつながりを確保する」ということなど5つの基本戦略があり、具体的な施策として、注目したいのは、「生物多様性の経済的価値の評価」、生物多様性の損失に伴う経済的損失、要するに昨年一般質問でお示しした「鮎効果年間22 億円」などの自然資本の経済評価等が明記されることであります。
これまで、日本社会はとかく経済優先の活動のために自然破壊をおこなってまいりました。しかし、今度は地域経済のためにも自然を守り、再生させ、共生する時代へと大転換の時代だと考えます。今、地域振興の戦略としても生物多様性を活かし、自然と共生する新たな地域戦略が進められています。
一つは、国連ユネスコのMAB(マブ)人間と生物圏 計画に基づくユネスコ
エコパークの動きです。このユネスコエコパークは生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的としています。
現在117カ国、598 地域が登録されていますが。今年7月に、宮崎県の「綾地域」は、日本としては5番目に認定されました。「綾地域」は、地域特有の照葉樹林の保全と有機農業に積極的に取り組む、綾エコパークとして世界に発信されはじめたのであります。
もう一つは、北海道弟子屈(てしかが)町などで取り組まれているエコツーリズムです。
平成20 年4月より施行されたエコツーリズム推進法で「自然観光資源」と規定された、地域特有の自然を活かした体験や自然に寄り添う暮らしそのものをメニューにした観光振興策であり、感じる幸せと書いて、「感幸」を育むこれからの観光施策として注目されている取り組みです。私は羽黒の山伏体験は究極のエコツーリズムだと考えております。
わが鶴岡では、平成20 年に大山下池、上池が渡り鳥の保護地域ラムサール条約指定湿地に登録されました。現在拠点施設「ほとりあ」を拠点にワイズユースなどの環境教育などをおこなっています。
更に、森里海連環の振興策として、天然鮎が豊富な清流、島根県の高津川流域の「森里海連環 高津川流域ふるさと構想」特区が、今年度より五カ年で「内閣府 地域活性化総合特区」として取り組まれております。
この夏、その現場を訪れましたが、清流日本一の高津川を育むための「林業の再生」、流域の有機農業の拡大と、鮎については、ダムのない清流に、さらに近自然工法による自然再生事業をおこない、漁業振興として鮎の築地市場出荷のためのcas等、急速冷凍装置の設置を考えておられました。
これらの地域づくりはいずれも地域特有の自然資源に着目し、地域の価値を高める戦略としておこなわれているものであります。
県内全体を貫く最上川を有し、庄内浜に注ぐこの県で、森里海連環として、河川の自然再生や庄内浜の再生に、又、全域でエコツーリズムや、又、ユネスコエコパークにも取り組んでいく。そうした地域振興の戦略を組み立ててはいかがかと思います。
先般の知事説明で、知事は、これからの県政運営の6本の柱の一つとして、人と自然が共生する社会を形成し、環境先進地山形の構築を進める旨を述べられました。また、「森は海の恋人」としての森川海の連環についてもお触れになっておられました。 知事は、生物多様性の重要性を、どのように認識され、これを人と自然が共生する社会づくりにどう活かしていくお考えなのか、まずは知事のご所見をお伺いします。
知事
私達の生活は、酸素や水をはじめ、食料や 供給、医薬品の原料など、生物の多様性がもたらす、豊かな恵みによってささえられており、生物多様性は重要であると認識をしております。また、森林生態系が山地災害の防止を担っているなど、安全安心の面でも必要不可欠なものでございます。さらには、地域固有の自然の共生する文化を育むなど、県民の暮らしや産業を支える基盤の一つでもあります。しかしながら世界的にみて、地球温暖化などによる環境面の変動から、生物多様性は、急速に失われつつあり、将来人間の生活や、経済活動全般に重大な影響を及ぼす可能性が高いとされておりまして、その保全については喫緊の課題として、我が国を含め、各国で、国をあげた様々な取組みがおこなわれているものでございます。このような中、本県におきましては、第三次山形県環境基本計画における、環境分野の計画としまして、今年の3 月に第三次山形県環境計画を策定しております。
今後、10 年間の環境保全の取組についての方向性をお示ししているのでございます。この中で、基本目標の一つに、豊かな環境を守り、活かす、自然共生社会の構築を掲げ、生物多様性の重要性と保全の必要性について盛り込んでおります。また、生物多様性を活用した、地域振興という論点では、すでに県内につきましてもバイオマスのエネルギー利用をはじめ、観光や農業分野などにおきまして、地域の生物資源や生態系を活用した取組みがおこなわれているところですが、地域の生物資源を将来にわたって、保全、活用しながら、地域振興に結びつく、より効果的な施策を展開していく必要があるという風に考えております。
草島
委員長、ありがとうございます。生物多様性についての非常にご理解が深いということを感じました。え、それでは、具体的に伺いますが、
生物多様性の保全に関する取組みについて(環境エネルギー部長)
生物多様性基本法の第13 条には、都道府県・市町村ともに生物多様性地域戦略を定める努力義務があり2012 年5月31 日時点では、18 都道県が策定をされております。本県も策定の検討途中ということでございます。この取組をどのように進められるのか、環境エネルギー部長にお伺いします。
森谷環境エネルギー部長
生物多様性地域戦略の取組についてでございます。
本年度、策定作業にはいって、策定に作業に着手したということであります。
今年度は、県内の動植物に関します、基礎資料、標本などの収集を進めますと共に、この取組においては環境相の委託事業を活用して作業内容やスケジュールなどに関しまして、環境省との事前調整をおこなってまいりました。今般詳細がととのいましたことから、来月にも学識経験者や関係団体などで構成いたします、山形県生物多様性地域戦略検討委員会 仮称でございますけれども、立ち上げまして、本格的な作業を進めて参りたいという風に考えております。
また、各方面から、広くご意見をいただくために、県民の皆様へのアンケート調査等も踏まえまして、その後の保全や活用などについてご意見をお聞きしたいと考えております。あわせまして、市町村関係団体等のご意見も伺って参りたます。策定に際しましては、県政運営の基本的な考え方の中に掲げられております、豊かな環境を守り、かつ自然共生社会の構築を基本に、新たな国家戦略を踏まえながら、本県の地域性、独自性を共有いたしまして、人と自然との共生のあるべき姿、その実現のための方策などももりこみながら、地域振興に結びつく戦略にして参りたいと言う風に考えております。
草島
ありがとうございます。これからとりくまれるそうですので、しっかりと取り組んで頂きたいと思います。この戦略、たてたところも、実質的なものになっているのかというのは、今の課題でございまして、ま、名古屋での会議で、これから回復させていくんだということが盛り込まれているわけですけれども、せめてですね、ノーネットロス原則。これから、生物多様性を減らさない。開発をするなら、どこかでオフセットをかけるミチゲーションをかける。他のところで再生させて、総量を減らないと言う原則を定めてはどうか。と言ういう風に思います。これあの、これからの策定ということですので、そういった原則も踏まえて策定をしていただきたい。
それと、今年は県魚としてサクラマスが設定されて20 年だそうです。
我が県の内水面漁業は、この20 年間で漁獲高が半減している状況がありますし、更に今年の春、底引き網漁に影響を与えた泥やヘドロは、河川由来のものであると判明したようですけれども、暖流の影響で栄養分の少ない日本海の生態系というのは川から流入する栄養素による影響が大きいと聞きます。
河川環境に最も影響を受けやすいサクラマスや鮎というのは森里海連環の指標生物でございます。それらをもっと増やしていく、天然のものをもっと増やしていくためにも、まずは、森里海連環の研究を、今後開催予定といえる全国豊かな海づくり大会での発表を踏まえましてて、部局横断でぜひ10 年単位で長期的におこなって頂きたいと思います
これ要望でございます。ありがとうございました。
2 最上小国川ダムについて
草島進一
質問をいたします。
この案件については、25日に県に対する行政訴訟の訴状が提出されました。
「近年の赤倉温泉地域の浸水被害はほとんどが、川があふれての洪水被害ではなく、そもそも低いところにある家屋に川以外から流れこむ内水氾濫、被害であり、その対策はダムでは解決できない。また、治水対策はダムに依らず赤倉温泉の河道改修で十分に可能。「孫子(まごこ)のために小国川の清流を手渡したい。」真の流域の発展のために、山形県の発展のために、蛮勇を震い起こして決起された流域住民の意志を受け止めていただきたいと思います。
私は、この夏、最上小国川に建設予定の穴あきダムの先例である、島根県 益田川ダムを6年ぶりに訪れました。見ると、コンクリートのダム本体とその下流にある副ダムというんですが、その間に土砂がたまり、一部はヘドロ化しておりました。通常のダム同様、巨大な構造物には変わりなく、河川環境に甚大な悪影響を与えるダムそのものだ。ということを実感しました。同時にこれを「環境にやさしい」等と流布してきた県当局の欺瞞性に私は憤りを感じるのであります。
更に私は、全国初のダム撤去、荒瀬ダムの撤去工事がはじまった球磨川を訪れました。9月1日から6年、88億円かけ撤去をおこなうものです。球磨川
の漁師さんや流域の方からは、「ダムは百害あって一理なしだ。やっと思いが叶ってダムが撤去されることになったその時代に山形でこれからダムつくるっていうのは、時代錯誤でしかない」と苦笑され「そうならないようがんばれ」と激励をうけました。「ダムの時代は終わった。」これは、1994年にダム先進国だった米国の開墾局総裁ダニエルビアード氏がおこなった宣言であります。ダム先進国だった米国は今や700以上のダムを撤去しています。理由は長期的な流域経済を考慮した際、ダム開発は流域経済にマイナスだと判明したからであります。
持続可能な発展を目指したら、原発と同様、ダムの時代はとっくに終わっている。これが先進国の政治の潮流、常識であります。「卒原発」発言は大いに支持する。でもその前に「卒ダム」をなぜ言わないのか。嘉田知事とともに「卒ダム」にも舵をきってふるさとの自然を守って頂きたいと私は願い提言を続けて参りました。先日、佐高出身最上にもゆかりのある佐高 信先生も同様にお話されておられました。山形の未来に何を手わたすべきか。持続可能な発展を望む県民の多くはそれを望んでいると私は思います。
(1) 流域における地域振興について(知事)
私は、昨年の質問で年間3万人の釣り客が訪れる最上小国川の鮎の経済効果を年間約21.8憶円、ダム建設で環境破壊すれば、年10億円の損失になると近畿大有路研究室の試算をお伝えをいたしました。 さきほどお伝えした生物多様性の地域モデルである高津川の森里海連環の地域特区、また、国連MAB(マブ)計画のユネスコエコパーク、エコツーリズムなどの振興ビジョンは、ダムをつくらずに、清流を活かした小国川であれば、こそ可能な新しい時代の地域振興の目標の姿でございます。
これらの振興策や地域の未来への可能性はダム開発によって全てを失ってしまいます。
鮎の漁獲高1億3千万円とダントツトップの県内の内水面漁業の要の川が破壊され、昭和60年には生産高10億あった内水面漁業が年々減少し今4億円に落ち込む内水面漁業に、更に深刻なダメージを与えることになります。
清流小国川とともに暮らしてきた最上小国川の暮らしや文化を破壊、消滅させる事になります。また、明治天皇に献上された松原鮎の歴史に終止符を打つことになりかねません。
今、非常に貴重になっている、子ども達が喜んで泳げる川が消滅し、私達の原風景と食文化が消滅する危機でございます。
私達は、「生命と財産を守る」という時、財産を「個人の家や持ち物、公共の建物や設備」ととらえがちだと思います。しかし、小国川流域に生きる人々にとっては、私は、小国川そのものがかけがえのない財産であり、守るべき宝なのではないかと思うものです。いかがでしょうか。
私は、地方分権の進む今後の社会では特に、「小国川という地域の宝を守りたい」こうしたローカルの価値を重んじることが、自分の地域を自ら守り、発展させたい、発展させようという気概をおこさせることになる。と考えるものです。
知事にお尋ねしますが、この生物多様性に富みそれが県民や訪れる人々にまさに幸福感を与えている小国川の場合、ダム開発による環境破壊での流域の経済の損失、流域の振興策の可能性の消失についてどのようにお考えになりますか。県が唱える人と自然の共生の指針、生物多様性国家戦略の指針と全く整合性がとれないのではないでしょうか。
又、「一部の人は儲かるかもしれないが、多くの流域住民は大損する。」これも経済効果が試算されていますが、この開発は県民益としてまた、県民の幸福感にとって膨大なマイナスになるのではありませんか。
知事として、このダム建設やった場合20年後、50年後までの小国川流域
の振興策をどのように考えていらっしゃるのですか。吉村知事におうかがいします。
吉村知事
最上小国川ダムが動植物や鮎などの河川環境に与える影響につきましては、平成15年度から継続的に調査をおこなっております。
平成21年1月には、外部の有識者の意見をうかがいながら、詳細に検討するため、魚類や環境などの各分野の専門家を網羅するようメンバーを選出すると
ともに、地元代表もふくめた、最上小国川流域環境保全協議会を設置いたしました。この協議会におきまして、流水型ダムが河川環境に与える影響について環境アセス調査項目と同じ項目で調査し、慎重な審議をしていただきました。
その結果、平成22年10月に中間とりまとめをいただきまして、流水型ダムの場合、水温、水質等がダムのない場合とほぼ同様であるとかんがえられるところから、鮎などの生育や生態に対して影響は小さいとのご意見をいただいております。また、平成22年3月に設置しました、最上小国川流域の活性化を考える懇談会からは、幅広い視点にたって、専門的な観点からのご意見をいただき
ました。特に観光部会では、川の両岸に旅館が並んでいる景観と、川にふれあえることが、赤倉温泉の魅力である。また、赤倉温泉は、源泉が川床にあるため、河川改修にともない、温泉街に手をかけることは、温泉や観光の存続にかかわる。そしてまた、できるだけ早期に治水対策をお願いしたい。等のご意見をいただきまして、ダム事業の検証にかかる検討における各治水対策案の評価の際に考慮いたしました。これによりまして、鮎などが生育する最上小国川の自然環境に配慮し、歴史ある温泉街を現状のまま存続でき、早期の効果発現が可能な流水型ダムを整備することといたした次第でございます。先日、赤倉地区の女将会の皆さんとお会いしたときに、「近年度々浸水被害があり、お客様にも大変な心配をおかけしてきた。今年の5月もあと少しであふれそうになった」とのお話をお聞きしました。
一日も早く流域の安全安心を確保して欲しいという住民の方々の切なる思いに応えることが私の責務であり、一番に対応しなければならないことだと考えております。
最上町赤倉温泉地区は、県内有数の温泉値であり、また、観光地であります。
そこで、赤倉地区においては、治水安全度を向上させ、安全安心を確保し、観光客の皆様に安心して来て頂けるようにすることが、将来にわたって最も重要であり、赤倉温泉の魅力を維持しながら地域振興を図ることに繋がるものと考えております。
草島進一
治水として生命と財産を守ることはもちろん大事であります。
しかしながら、例えばですけれども、河川管理者である県がつくった河川構造物が、その水害の原因をつくりだしている。としたらどうでしょうか。
また、よく県は浸水被害浸水被害といいますが、たとえば21年水害といわれて、3件の浸水被害といわれていますが、この時は川はあふれたのですか?これはこの後、部長ぜひ応えて頂きたい。
この8年にわたり、私は、この小国川流域をほとんど隈無く歩き、特に赤倉温泉の川の中をじゃぶじゃぶと歩いて、赤倉温泉街をあのままの不自然な状態にして、上流ダムをつくるなどということは絶対にありえない。という確信をえました。
あの赤倉温泉街を歩くと解るのですが、ぜひ皆さんあるいていただきたい。河川を狭めて川岸に張り付いた旅館があります。河川敷の上に迫り出している旅館すらあります。先日、旅館と同じところに立っていた電信柱が、河川占有許可を受けたものだという事がわかりました。つまり、旅館街の一部は河川の河道内に立地していることが明らかなのであります。
玉石護岸があるのですが、おおって、堤防をつくって、県の工事で明らかに川を狭めている箇所があります。で、旅館の温泉湯量の確保のために、河川水位を上げるために、元々そだなどで造っていた堰というものを県がコンクリートでつくったために、堰から上に土砂が堆積してどんどんたまって、河道の流れる流量をすくなくして周辺を危険にしている。先般も元国土交通省元防災課長、宮本博司氏にもご覧頂きましたが、赤倉温泉流域に不自然に土砂が堆積している、この認識は私たちと一緒でございました。
他に生活排水や廃湯のたれ流しもみられるのであります。
これをそのまま維持して上にダムをつくるという話はありません。
必要な温泉のケアをおこなえば、温泉環境に影響を与えずに河床の土砂の除去や河床掘削は十分に可能と、科学者の見解でございます。その見解を無視せずにぜひ再検討いただきたい。それさえおこなえば、河床の土砂除去や掘削し、必要に応じて河道の拡幅や河岸や堤防の嵩上げを組み合わせる河道改修の実施によって、「基本高水流量」以下の洪水被害は防ぐことが出来るんです。
また、河床を下げることは、今ひんぱんにおきている、内水氾濫の軽減それからどうみても赤倉温泉地内の護岸が老朽化しているんですね。どしゃめちゃの状況ですよ。そうした護岸の改修も同時に行うことができます。
こうして赤倉温泉一帯を、安全度を高め、本当に次世代に希望ある温泉街へ再生させる、まさにまちづくり治水というものをおこなうことによって、この赤倉温泉だけではなく、流域自体がまさに再生するんじゃないか。私は思っております。
これまでの進め方でありますが、昨年の一般質問で、私はこれまで審議してきた委員会の構成について「これまではダムムラの中にいる研究者のみでの審議しかおこなっていないのではないか」と問題を指摘し、具体的にダムに依らない治水論の科学者を推挙して参りました。特に温泉の問題については、県が依頼した川辺教授(山大)の意見を県が最終報告書に盛り込まず、「ダム建設に都合がいい見解」だけでまとめた極めて恣意的なものになっております。これは3.11で露呈した「原子力ムラ」と全く同様の構造によるものではないですか。
また、県内随一といえる生物多様性ホットスポットへの莫大な環境破壊によるリスクを伴うダム建設であり、100年の計というべき判断が求められるわけですから、工事に着手する前に、知事、是非とも今一度、私が推挙したダムに拠らない治水論の科学者の意見をぜひとも聴いて頂きたいと思いますがいかがですか。知事のお考え、お伺いいたします。
知事
平成20年度に実施した赤倉温泉の調査では、地質の専門家と温泉の専門家計3名の学識経験者の指導のもと調査を行い、3名の方から同意が得られた内容の
みを報告書としてとりまとめたものであります。平成22年度には、最上小国川ダム事業において「できるだけダムに頼らない治水」という考え方に基づき、国土交通省が策定した基準に従って、ダム事業の検証に係る検討を行いました。
検討に際しましては「最上小国川流域の治水と活性化を考える懇談会」を設置しまして、環境、防災、観光、農林水産の各専門的観点からご意見を頂きました。また、関係地方公共団体である最上町、舟形町との検討を行う場となる「最上小国川流域治水対策検討会議」を設置してご意見をいただきました。こうした意見を踏まえて県の対応方針素案を作成したところであります。その後、パブリックコメントの実施や流域住民への説明会を開催したうえで、「山形県公共事業評価監視委員会」でご審議をいただき、県の対応方針を決定いたしました。
治水対策案の評価にあたりましては、流水型ダム、遊水池、放水路及び河道改修の4つの案につきまして、7つの評価項目で客観的に比較しました。
その結果、治水効果の発現が最も早く、コストでも最も安く、自然環境や歴史ある温泉街を現状のまま存続できるなど、地域社会への影響に関して優れていることから、流水型ダムに決定をいたしました。さらに、国が設置した「今後の治水のあり方に関する有識者会議」において
「県の検討内容及び手続きが妥当である」との意見をいただき、これに基づいて国土交通省が県のダム事業の継続を採択したところです。パブリックコメント等におきましては、環境に与える影響を懸念するご意見などもいただきましたが、これらも考慮のうえ、国の基準に従い、客観的に評価し、かつ適切な手続きにのっとって、対応方針を決定したものであります。
赤倉地区の安全安心を一日も早く確保したいと考えておりますので私といたしましては、決定した流水型ダムによる治水対策について、関係者のご理解とご協力を得られるよう、全力で取り組んで参る所存でございます。
草島
100年の計の判断ですので、私は、知事本人の心からの意見を求めておりますが、その答弁ですか。
環境にやさしいといわれていた流水型ダムですが、その後その科学的根拠は全くないということがわかっております。
あの流域、温泉街のままでいいのかは、もう一度、再検討していただきたいと思います。
次の質問にうつりたいと思いますが、
(3)漁業権との関係について(県土整備部長)
最上小国川漁協は、平成18年にダム事業に対して反対決議を挙げており、現在もそれを貫いています。今年6月の総代会では11名中9名の理事がダム反対を表明し、現組合長が再選されました。漁協の構成員である漁業を営む漁民には財産権である漁業権が存在をいたします。
漁業権をもつ漁協が反対を貫いているその漁協が同意しない限りダム本体着工はできないと考えますが、どうですか。県土整備部長に確認します。
岡 県土整備部長
漁業権の関係について、お応えします。最上小国川には、小国川漁協が免許を受けている漁業権があることから、権利の及ぶ最上小国川の水面部分の工事となるダム本体工事の着手に向けて、漁協の同意が得られるよう努めているところです。
草島
ちょっと回答なっていませんね。漁協が同意しない限り、ダム本体の着工はできない。ということは認めますか、どうですか。
岡 県土整備部長
漁協から同意が得られるよう、誠心誠意、努力してまいります。
草島
しっかり応えてください。着工はできないんですよねえ、漁協が同意しない限り。応えてください。
岡 県土整備部長
現在、漁協から同意が得られるよう、精神誠意、努力しております。
草島
これ委員長、応えていない。おかしいと思いますが、いかがでしょうか。
きちんと応えてください。 委員長
草島
少なくとも、漁協が反対している限り、本体着工できないと思います。熊本県川辺川ダムについては、全体事業費の2,650億円の内、平成20年まで2,107億円支出されました。周辺工事が8割進んでいながら、漁業権交渉があり、本体着工できず、結果として知事判断によりダムは白紙撤回されました。
周辺工事のほとんどがムダになったことになります。それを教訓とするならば、漁協の了解なく、周辺工事を進めること自体が県民、国民の税金投入のムダになるということになります。
現在漁協が反対を貫いている以上、手続きが、重要な手続きが踏めてないのでありますから、周辺工事もあわせ、ダム事業全てを進めるべきではないと考えますが、県土整備部長いかがでしょうか。
岡 県土整備部長
今年度発注した工事用道路の工事については、仮排水路トンネルやダム本体の工事を実施するために必要となるものであります。
この工事は漁業権の及ばない陸地部の範囲で実施するものであります。この度、地権者からの了解が得られたことから工事を実施しているものであります。
草島
漁協が同意しないで、工事を進めて、結局ダム、ムダになったらあなた責任とれるんですか。おうかがいします。
岡 県土整備部長
法律にのっとって、適切に対処して参ります。
草島
不適切ですね、これは法律でも、完全にムダになると思う工事を、進めるなんてことを本当にやっていいんでしょうか。もう一回、再度おうかがいします。ムダになるんじゃないですか
岡 県土整備部長
現在実施している工事は本体工事をするために不可欠の工事でありますので
ムダになることは全くございません。
草島
何度も言うようですが、漁協が同意しなければ本体着工できません。それなし崩し的に進めるっていうこと自体が、私は非常によくない進め方ではないかと考えます。そこについてはどのように考えますか。
岡 県土整備部長
現在、漁協から同意が得られるように精神誠意努力してところでございます。
草島
漁業権について、同意がとれないのに、強行するとすれば、漁業権について強制収用しなければ、本体着工できないということになります。漁業権の強制
収用について県土整備部長の考え方を伺います。
岡 県土整備部長
漁業権の収用については、土地収用法に「漁業権、入漁権、河川の流水、その他の水を利用する権利を消滅させ、又は制限することが必要かつ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は私用することができる。」ということが明記されております。
草島
ま、いずれにしても、漁業権の問題、今、漁協の同意がとられていませんので本体着工できません。そのことをしっかり踏まえて頂きたいと思います。
(4)温泉の集中管理の検討について(県土整備部長)
草島
ダムに頼らない治水を叶えるために、河道掘削を考えた際、ネックは一切河床掘削ができないと言うことでした。河床掘削できない理由が、温泉でありま
した。河床の工事をおこなうと温泉に影響を与える。しかしながら、赤倉温泉は、現在泉源が19本もあり湯量も豊富な温泉であります。河床上昇した河川の土砂を除去したり掘削し治水を叶えるために、温泉障害のリスク回避のために集中管理をおこなう、また、互いの泉源を融通することができるのではないでしょうか。
治水の検討の際、温泉集中管理の検討は無かったのですか。あったのですか。 県土整備部長に伺います。
岡 県土整備部長
赤倉温泉の温泉の状況を把握するため、平成20年度に地質の専門家と温泉の専門家計3名のご指導をいただきながら次子ひた温泉影響調査では「河床の岩盤掘削を伴う工事は、現在の湧出機構の微妙なバランスを崩してしまい、河川水位を回復させても温泉の湧出量が変化する可能性が高い」との結論でした。
また、昭和63年度に赤倉温泉地区で実施した護岸工事において河床の岩盤を掘削した際、温泉の湧出量減少や温泉温度の低下が生じ、最終的に掘削箇所から離れた対岸の源泉に影響が残り、温泉旅館1軒に廃業補償するという重大な事案が生じました。
以上のことから、河床の岩盤を掘削した場合、広い範囲の源泉に影響が及ぶ可能性が極めて高いと考えられます。万一、温泉が出なくなった場合は、歴史
アル赤倉温泉が成り立たなく成る可能性もあり、影響がおおきすぎることから河床の岩盤掘削はできないと考えております。
委員ご指摘の温泉の集中管理については、治水対策の範囲を超えたものであり、赤倉温泉の地域としての取組が前提となりますが、いずれにしても、河床
の岩盤掘削を前提とした集注管理としては、実現性がないことから検討しておりません。
草島
十分に集中管理を検討していないことがわかりました。河床のそばにも泉源はあるんですが、そうじゃないところにも泉源はあるんですよ。非常に豊富な泉源がある。河床のところで影響もあるなら、他のところの泉源からリスク回避のために温泉をもってこれることは十分に考え得るんですよ。そうじゃないですか。
岡 県土整備部長
河床掘削した案については検討しておりませんが、河道拡幅をした案を検討しております。その中では、河道拡幅の右岸拡幅のケースでは河床掘削した場合のほうが、ダムの案よりもコストが低くなることはありません。その理由は、ダム事業の検証にかかる検討ではダム案の事業は、残事業費110億円+維持管理費22億円の計132億円。になります。一方、河道改修の右岸側案では事業費が148億円と将来の維持管理費10億円、計158億円となっています。
仮に河床掘削した場合の事業費を、右岸拡幅案の家屋移転の補償費が不要として計算すると、用地費が21億円になりますので、158億円から補償費21億円を差し引いても、事業費+維持管理費は137億円で、ダム案よりもコストが5億円高くなります。よって、河床掘削により必要となる護岸の整備では、源泉の補償、あるいは集中管理にかかる費用を全く考慮しなくても、河床掘削したコストが、ダム案よりあきらかに低くなることはないということは容易に推察されます。したがって、河床掘削した案は検討しておりません。
草島
いろいろとお応え頂いてますけれども、まさにダムムラの中で議論しかおこなわれていないことを私は今、確認をしました。
県民の税金を無にしかねませんから、まずはこの漁協の了承もえずに、周辺工事に着手するのは止めて頂けませんか。
そして次世代に美しい清流を手渡したい、流域の漁民、そこに集う3万人の釣り人、年間です。そして新しい視点で未来をつくろうとしている流域の若い経営者たちのために、40年前と全く同じ発想でダムなんてつくることを止めて頂けませんか。ぜひ、真実の治水のための再検討をお願いしたいと思います。そして、今まで、無視をし続けてきた方々の声をぜひ聴いて頂きたい。
知事は、県民の側に立つ人なんではないのですか。官僚の側にたたないで、県民の側にたって、しっかりと対話をされる方なんじゃないですか。ぜひお願いをしたいと思います。
3再生可能エネルギーの普及と地域活性化について
草島
国の制度としては、7月1日、再生可能エネルギー特別措置法。フィードインタリフがはじまりました。
この制度は、まさに「第四の革命」として、再生可能エネルギーの爆発的な普及とともに、小規模分散型の再生可能エネルギーの特性を活かして、地域に新しい産業構造を生み出す。政策によってはまさにダブルインカムノー原発、を叶える、地域の経済や雇用を創り出すきっかけになりうる制度であると考えます。
この制度ですけれども。特に今年から3年間はプレミアム期間として、採算としてとても有利な金額が設定され爆発的な普及が促されています。ただ、注意をしたいのは、例えば青森県では現在203基、の風車が建っていますけれども、県内資本はわずか9基で、194基は県外事業者のものとなっておりまして年間約80億円の売り上げがあると推定される利益は県外へ流れております。これは、植民地型開発として、指摘されております。このような企業誘致型や植民地型といった開発では、地域にお金が回るどころか、装置がこの地にあってもそこから生み出されるお金はどんどん外に流出します。これでは地域の経済や雇用の創出に貢献しません。国際的な世界風力エネルギー協会、コミュニティパワー作業部会では、
1)意思決定それから、
2)事業資金
3)受益の環流それが地域に主体に行き渡ること
これらの内、2つを満たすものを「コミュニティパワー」として定義し、再生可能エネルギーの普及の大原則として共有されているようです。
このコミュニティパワー3原則の「意思決定」が地域にある事、事業資金、受益の環流の1/2以上が地域の企業や組織、個人にあることをコミュニティパワー事業と規定するなどして、大規模開発事業者に対して、コミュニティパワー事業者を優遇する制度、例えば、固定資産税の減免等を盛り込んだ、コミュニティパワー条例「地域自然エネルギー振興基本条例」のようなものを早期に策定が必要と思いますが、環境エネルギー部長に伺います。
森谷環境エネルギー部長
3月に策定した県エネルギー戦略におきましては、再生可能エネルギーの開発量を大きく拡大する方向をしめしたことに加えまして、産業振興や地域活性化という視点を盛り込んでいることが大きな特長となっています。
戦略の展開に当たっては、開発量の拡大を推進する一方で、エネルギーが地域の中で生み出され、そして地域への利益の地域循環という点も重視しながら、進めていく必要があると考えております。
地域の中で利益が循環する仕組みについては、県民の出資・参画による事業主体の創設、あるいは、県内資本による事業展開を積極的に後押ししながら、県内企業が調査段階から、建設、オペレーションに関わっていくための仕組み作りといったことを進めてまいります。
具体的には、今般補正予算として計上した送電線に係る事業モデル構築を行うほか、市民参加型プロジェクトの検討、戦略に掲げました、いわゆる地域エネルギー会社の創設にといった産業振興に取り組む検討などを進めていくこととしております。
エネルギー戦略にもどづきまして、推エネルギーの供給拠点を構築するという視点にとどまらず、ただいま、議員からご指摘ありました、産業振興、地域活性化につなげていく視点、これをしっかりもって、大規模事業の展開や地域分散型の導入に取り組んで参りたいと考えております。
草島
今、実際に滋賀県の湖南市というところで、地域自然エネルギー振興基本条例というものが、制定されまして、まさにコミュニティパワーを応援していこうという仕組みが組まれているようであります。あわせて、今、金融機関ですね。
今、地域への波及効果が大きいというのは、地元の金融機関、地銀の参加であると実際に産業連関表で示されております。今、フィディアホールディングスさんや山形銀行さんが、県内の風量発電開発に関わるという報道がなされていますけれども、これ素晴らしいことだと思います。県として、外部資本より、地域の金融機関がかかわる事業を応援する。これのぞましいことだと思いますが、そういった仕組みをつくるのはいかがでしょうか、あとは、エネルギー振興条例、これについての見解をおうかがいします。
森谷環境エネルギー部長
先ず1点目として金融機関、しくみをつくりでありますけれども
県のエネルギー戦略は県民、市町村、経済界、NPO、など、県のみならず各界の力を結集していく戦略ということで策定したものでございます。地域の金融機関に対しましても、県の再生可能エネルギーの導入においてその役割が期待されております。県といたしまして、今年度新たに県内金融機関との協調して発電所設置にかかる、低利の制度を創設いたしました。この制度を運用していく中で、金融機関と様々な意見交換をおこないながら、よりよい支援方策とうものを金融機関と一緒に地域と一緒になって考えて行きたいと思います。あと2点目、条例の制定についてでございますけれども、地域主体の取組、それは非常に重要であると認識しております。ま、一方で県の戦略で掲げたエネルギーの開発。こういった事を考えれば、地域主体の中の取組のみで、達成するのは困難であるという面もございます。従いまして、地域主体の取組を最大限促していく仕組み、これを構築していくこととあわせて、県外事業者の誘導ということについても門戸を閉じるということは妥当ではないという風に考えておりまして、さきほど、繰り返しの答弁になりますけれども、戦略にもとづいた、地域がしっかりかかわっていくしくみというものを十分に検討して参りたいという風に思います。条例の内容につきましては、多岐にわたる内容ものとなると思いますのでその中で、勉強して参りたいと思います。
草島その一貫として、山形県民風車債、風車専用の県民債というものを提案したかったんですが、これについては、ぜひ検討していただきたい。と思います。企業局お願いします。
今回、コミュニティパワーというお話をさせていただきました。地域に環流する、地域の経済や雇用に貢献する開発のあり方であってほしいと思います。それから開発のあり方としては、本日触れられなかったのですが、酒田の風力では地域の合意形成のところ、環境アセスのところ、課題があるように思えます。
この課題。これからまた、提言なりしていきたいと思いますので、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日は、持続可能な開発というのをテーマに、ダム開発と風力発電、再生可能エネルギーについてはお話をさせていただきました。まさに、今、これまでの常識を転換する時代ではないかと思います。持続不可能なしくみを持続可能なモノに変えていく、そうした転換の時代だと思います。
知事、ぜひこのダム事業、ぜひ100年の計としての判断。これまでこのダムによらない治水、女性知事が、熊本県では潮谷知事、滋賀県では、嘉田知事がおこなってきたことであります。ぜひ踏まえていただき、再検討をぜひお願いしたいと思います。ありがとうございました。
2012年6月議会 補正予算への反対討論。
今般提案されている議第92号一般会計補正予算の内、計上されている最上小国川ダム建設事業仮排水トンネル工事請負契約の債務負担行為のみについて、反対でありますので討論します。
最上小国川ダム事業については先日6月29日に県民より行政監査請求がおこなわれました。改正河川法などに照らして支出の違法性を問うものであります。又県民を中心に1万名以上のダム反対署名がこれまで県に提出されました。
この反対の声は、今全国で沸き起こる「脱原発」の声と同様、
ポスト3.11の希望の未来を見据え、自然と共生した持続可能な社会、発展を希求(ききゅう)する、実に賢明な県民の声であると確信するものであります。
小国川流域に生きる1119(千百十九)名の小国川漁協は、平成18年11月にダム反対決議を挙げ、先般6月16日の総代会でも大多数の組合員の決意は堅く、ダムによらない治水を主張しダム建設に反対しています。
財産権である漁業権をもつ漁協が同意しない限り、法的にダム本体着工はできないのであります。
にもかかわらず、県はこの夏にも、取り付け道路に着手しようとしています。
熊本の川辺川ダム事業では、総工費2200億円の7割の周辺工事がおこなわれましたが、漁業権問題で本体着工できず、結局白紙撤回となり周辺工事費 約1500億円は全く無駄になりました。
これと同様、今回の事業で、無駄になると解っていて税を使い工事をするならば、それは明らかに地方財政法4条1項に抵触する違法であり、私は、当局の責任を問わねばなりません。
以上 小国川ダム本体着工は、漁協、漁民の同意なしには着手できないこと。もし漁協の同意なしに取り付け道路、転流工などを先行しておこなえば、明らかに違法な税金支出になることを宣言し、それらの執行の停止を提起し、反対の討論とします。
平成24年度予算 反対討論。2012.3.14 「脱ダム討論」 小国川ダム撤回と修正を要請
小国川ダム撤回と修正を要請
草島進一は、24年度予算案に対して、これまで大旨7年間にわたりNGOとして、そして県議会の質疑を通じ、調査、問題を指摘してきた小国川のダム問題。今般提案されたダム予算5億7千200万円に対し、2月28日に知事宛に撤回と修正を要請。
その後、修正案提出などを悩んだ末、少人数では提案できず、最終的に討論で問題を指摘しダム予算にのみ反対の思いを伝えました。以下、その全文です。
平成24年度山形県一般会計予算について、再生可能エネルギー元年をはじめ24年度予算への知事当局の基本的な姿勢は大いに評価し賛同するものです。し かし計上された最上小国川ダム関連予算5億7千200万円には重大な問題があり、反対でありますのでそれを表明し討論します。
最上小国川は、松原アユに代表されるアユの漁獲高で1億3千万円と、ダントツトップの生産額*1を誇る、県内内水面漁業の要(かなめ)の川であり、その清流環境は年間21.8億円の経済効果を流域にもたらしていると試算された、かけがえのない山形の自然の宝であります。
コンクリートのダム建設は、未来からの借り物である自然環境を破壊し、100年先も子孫に影響を与え続けます。
「環境にやさしい」と流布(るふ)されてきた「穴あき」流水型ダムですが、それを実証できる科学的根拠は全く存在せず、絶妙な生態系を破壊しかねないと、 生態学者が指摘しております。 それゆえ同様の流水型ダムを、滋賀県の嘉田知事も、熊本県の蒲島知事も、県民の生命と財産を守るために中止しているのであ ります。
赤倉温泉流域では、県が造った河川構造物が原因で、水害をひきおこしている。又、温泉湯脈の影響を回避した河川改修は十分可能であり、ダムよりも優先されるべきと、複数の河川工学者らが指摘しております。
しかし県はこれら、重要な指摘をはぐらかしたまま、非科学的な説明を繰り返すのみで工事を強行しようとしています。
建設費のおよそ8割が中央のゼネコンに流出するダム事業よりも、地域密着型の河川改修こそ地域雇用を生み出します。
又、この小国川では、数十億円のダム建設による、目先の経済効果よりも、流域の暮らしを支えてきた「清流の価値」を重要視すべきであり、その環境を失えば年10億の損失と、経済損失は甚大であります。
このダム事業は、長期的にみれば、流域のみならず、最上川を母とする山形県民全体、ひいては未来世代の財産や文化をも奪う、「歴史的愚行」に他なりません。
今、自然を愛す山形県民の多くは、県内「最後の清流」を失うダム事業に賛同しないと考えます。知事、みなさん、昨年3月11日の教訓は、「原子力ムラ」に決別する「卒原発」とともに、ダム利権に集う「ダムムラ」に屈せず、 その外にいる心ある科学者の声を踏まえ「真の治水」を行う事ではありますまいか。
説明責任を果たす「公開討論会の開催」を強く求めるものです。以上私の反対討論とします。